表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/324

11話「隣のカーテンの中で 王女マリー=テレーズ ①」

 予定変更ばかりで申し訳ありません。予想より筆が進みましたので、更新致しました。


 隣のカーテンの中の人の話です。

 皆様、ご機嫌よう。


 私はマリー=テレーズ=ルボンと申します。


 今を時めく13歳ですの。


 ランス王国第一王女で、リアンお義兄様の義妹です。

 

 実は私、目の前が真っ暗ですの。


 あ、誤解の無い様に言いますと、ポケ○ンセンターに戻される途中ではありません。


 訳あってカーテンの中に隠れているので物理的に光が遮られて真っ暗という意味です。


 まあ、正直言って私の未来も明るくは無い……というか……ああ、未来も暗いですわね、真っ暗ですの。


 ということは韻を踏んだ粋な皮肉と言うことになりますのね……フフ……鬱ですの。


 さて、お義父様達が来るまでまだ時間があるようですから少しお話を致しましょう。


 まず、なぜ王女たる私がこんな事をしているかと言うことにについて、です。


 それは、勿論お義兄様の為です。


 実は私の愛するリアンお義兄様は少々おイタが過ぎまして、お義父様達に呼び出されてしまったのです。


 私、心配で心配で、いてもたってもいられず自ら行動してしまいました。


 普段ならプロであるレオニーなどの暗部を動かして情報収集をさせて、その情報を元に計画を立てるのですが、今回は内容がお兄様の将来に直結するものでしたので、我慢が出来ませんでしたの。


 感情的に動いてしまうとは我ながらまだまだ未熟者ですわね。

 

 まあ、愛するリアンお義兄様の為ですから後悔はありませんが。


 兎に角、私はこれから行われる話し合いの内容を確認して、出来る限りの事をしなくてはなりません。


 何故ならば、今回お義兄様が起こしてしまった事態はただでは済まないものだから。


 確かに、リアンお兄様はちょっと頭がパーなところはありますが、まさか阿婆擦れ女に唆されて本当にセシル姉様との婚約を破棄するだなどと、困ったものです。


 フフ、でも手のかかる子ほど可愛いなどと言いますし、ある意味、私にもチャンスが巡ってくる可能性があるので悪い話では無いのかもしれません。


 ですが、セシル姉様を傷つけるのは幾らお義兄様でも許せません。


 今度メッてしないと。


 話を戻しますが、今回は公衆の面前で王家とスービーズ公爵家を巻き込んだ大騒動を起こしてしまったので、処分も相当なものになるはずです。


 ですので、この後に私がうまく立ち回って少しでも処分が軽くなるようしなければならないのです。


 今までと同じように。


 でも、それも今回が最後です。


 あ、いえ、決して私がリアンお義兄様をいい加減に見限ることにしたとか、そういうことではありませんよ?


 この私が愛するリアンお義兄様を見捨てるなど天地がひっくり返ってもあり得ません。


 普通の方ならとっくにそうしているのかもしれませんが……ね。


 やはり私、駄メンズ好きなのかしら?


 おっと、失礼いたしました。


 で、実は残念ながら……よんどころの無い事情でコモナ公国へ嫁ぐことが決まっていますの。


 そう、これこそが私の未来が暗いといった理由なのです。


 私は愛するお義兄様と離ればなれになって、30過ぎの顔だけ成金ロリコン男のものになるのです。


 まあ、ロリコンと言っても幼女が好きなわけではなく、15.6歳ぐらいがストライクなのだとか。


 なので私は青田買い、先行投資ということのようです。


 王族の義務だと割り切ってはいますが、やはり嫌なものは嫌です。


 それに、欲を言えばお義兄様には私の嫁入りを反対して欲しかったです。


 実際に縁談が破談にならなくても、好きな人に何か行動して貰えてたら……なんて思ったり。


 結局、特に何もしてくださらず、一言「マリーが居なくなると寂しくなるなぁ」だけ。


 これだけ尽くしたのですからもう少し何かあってもいいのではないですかね!


 女として少し切ないです……。


 勿論、愛しては下さっていますよ?家族として。


 やはり幾ら愛して下さっていてもそれは義妹としての、家族愛。


 義妹という立場と年齢という壁は高く、女として見てもらうことは難しいとわかっていましたが、中々辛い現実でした。


 それでも、お義兄様を残して旅立つなんて嫌なのです。


 お義兄様以外の男に抱かれてるなんて嫌。


 嫌、嫌、嫌……。


 ああ、それに心配ですの。


 今後は私がお義兄様を近くでお助けすることはできませんが、セシル姉様を信じて旅立とうと断腸の思いで嫁入りの準備をしておりました。


 それなのに唯一の味方であるセシル姉様を自ら切り捨てようなんて……。


 全く、困ったちゃんなんだから。


 あら、足音が……お義父様達が漸くいらしたよう……え?セシル姉様!?とレオニー?


 そしてレオニーはセシル姉様をカーテンの中に隠して出て行きました。


 ああ、全くレオニーはクールな顔してお節介焼きなんだから。


②へ続きます。

お読み頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ポケモンセンターを知っているとは、マリーは転生者か?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ