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日常系ファンタジー  作者: 青井渦巻
生活の章
3/171

ダンジョンガールズ

アリエルとエリンのダンジョンデートです。

 魔物の巣窟であるダンジョンの中で、呪術師のアリエルは休憩している。


 昼食である。サンドイッチを片手に考え事をしていた。




(今度、リーダーにこれの作り方教えてもらおうかな…)




 サンドイッチの完成度に彼女が見惚れていると、そこに一人の少女が現れる。




「ただいまー!アリエル!」




 アーチャーの少女・エリンだ。


 顔も衣服も泥だらけの状態で、アリエルの方に手を振る。


 アリエルは彼女の姿を見て、不思議な顔になる。




「エリン…魔物の偵察に行っただけなのに、なんで泥だらけなの?」


「えへへー、こけた!」




 エリンは身軽で敏感な娘なので、接敵を知らせる役目を持っている。


 敵が存在した跡の発見・足音の聞き分けなどは、彼女の得意分野だ。


 しかし、アクティブな彼女にとって、隠密行動は苦手分野であった。


 ゆえに、敵に見つかるなど、なにかしらハプニングを持ち帰ってくることも日常茶飯事だ。




「エリンらしい…回復するから、こっち来て。」




 アリエルは膝にエリンの頭を乗せると、彼女の擦りむいた皮膚へ呪術をかける。


 『ペインムーブ』は呪術師の能力の1つであり、対象の傷を回復し、もう1人の対象に傷を移す効果を持つ。


 アリエルが一番最初に習得した、エリンのための能力だ。




「えへへー、ありがと!アリエルの回復って気持ち良いから好き!」


「ふふ、でも怪我は控えめにね…はい、これで大丈夫。エリン、これサンドイッチ。お昼ご飯だよ。」


「わぁ、凄い!リーダーくんのお手製だ!いただきまーす!」




 ストックしてあった魔物の死骸に傷を移し終えると、アリエルとエリンは仲良く食事を始めた。




「アリエル、おいしいね!」


「おいしい。私とエリンの好きな物ばかり入ってるよ。」


「さっすがリーダーくんだね!分かってるぅ!」




 ここが魔物の巣窟である以上、休憩は最大限の安全を確保したうえで行わなければならない。


 エリンはその為に奔走し、こうしてゆっくり仲間との時間を楽しむのだ。




「…あ、これ嫌い。はいアリエル、あーん!」


「え?ダ、ダメだよ。ちゃんと食べないと栄養が偏るって、リーダーが言ってたよ?」


「平気!私、すごく頑丈だから!」




 かくして、少女たちの休憩は続けられたのであった。


 迷子になった治療術師と、それを探しに行ったリーダーが帰ってくるのを待ちながら。

30話までは毎日投稿します。

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