兄貴
純平たちが集落に戻って来ると水城が言っていた抜刀隊の応援部隊が到着していた
「お、来てる来てる」
その内の二人が純平たちの元に近づいてきた
最初に短髪で純平より身長が高く頬から首にかけて傷がある男が水城に話し掛ける
「水城さん遅くなりました」
「おお、柏崎、お前ら来るの遅いから俺たちだけで倒しちゃったよぉ」
その次に純平より身長が少し低く髪は腰くらいまであるロングヘアで白髪の女の子が霞の元に向かい
「霞ちゃん大丈夫だった、怪我はない?」
「うん大丈夫今回は水城さんもいたし」
「柏崎、集落の被害状況はどうなってるまだ詳しく把握出来てなくてな」
「全く酷いもんですよ、小さな集落ですがその全てが全滅です遺体もなにもかも残ってないですし」
「後は全員食われたってことか」
「はい、そういえばこっちの彼は?」
純平に目線を向ける
「こいつは今回の件の唯一の生き残りだ」
「そうですか」
純平は柏崎に
「あの柏崎さん、本当に集落のみんな、殺られたんですか」
「残念だけど、集落の家すべて調べたが君の家と同様その人たちの姿はなくて部屋一面に血が散乱しているだけだった」
「そうですか、分かりました」
そう言うと純平は歩き始めた
「おい純平、どこ行くんだ」
と、水城は聞いたが純平は無言で歩いて行く
「霞、悪いが行ってやってくれもしなんかあったら止めてやってくれ」
「分かりました」
霞は純平の後を追っていった
純平は自分の家に戻ってきた、中に入ると仏壇の前に立った仏壇には写真が一つ置いてあった
「兄貴、俺はこれからどうすれば」
純平が仏壇の前で呆然としていると純平の後を追って来た霞とが入って来た
「その写真に写っているのはお兄さん?」
「そう、俺の二人いる兄貴の二番目だよ、河原木良平って言うんだ」
霞は純平の気を落ち着かせるために話を聞く
「どんな人だったの」
「兄貴は真面目で優しくってすごく野球が上手だったんだ」
純平はポッケから九四式拳銃を取り出した
「これ兄貴の形見なんだ」