04 【30.01.28】時は去り時は回り 05 【27.01.29】俺は恥ずかしくねえ!
『おやすみ。愛している』
『おやすみ。俺も愛しているよ』
(27.01.28)
(28.01.28)
(29.01.28)
『おやすみ。』
『おやすみ。大好き』
(30.01.28)
今年の今日はもうお互い同時に『おやすみ』を言えなくなったけれど、あの若かりし頃の、「愛」の意味すら知らない俺たちの会話は微笑ましく、俺の口の中にはほろ苦い何かが広がっているような感じであった。
(01.28)
『今日は則衡担任と楯群先生にめっちゃ揶揄われた』
『どうしたの?』
『楯群先生が突然俺に向けて聞いた。「あなたの彼女ちゃんは?」って』
『………………』
『あまりにもびっくりしてつい雨樟のやつの後ろに隠れてた』
『それで?』
『あいつらは…俺の顔が赤くなったってふざけやがった。信じらんねえ』
『わたしは信じるよ。恥ずかしがってるんだ、あなた』
『ちょっと黙ろうかこのやろう』
『違うの?』
『どこが違わないんだ!』
『じゃああれはなんなの?』
『とにかく恥ずかしがっていねえ!』
『へえ』
(27.01.29)
今年の今日は他の先生に揶揄われたけれど、楯群先生の悪どい顔を思い出しながら、俺はもう一度高校時代に戻れたらいいなと、無駄で無理なことを神様に願ったのであった。
(01.29)