01 【30.01.25】予期せぬ来訪者
『今暇なの?』
『最大音量でスーパーマレオオデッシイをやってるけど』
『…徹夜明けなのに寝ないの?』
『ルームメイトどもが最大音量でアリーナオブヴェーローズやってるから寝れないんだよ』
『じゃあ、暇ね。電話していい?』
『はあ?何でいきなり電話なんか』
(って、勝手にかけてきたし…まあいいか。)
『昼ご飯まだなの?』
『まだ』
『食べに行かないの?』
『降りるの面倒臭い』
『じゃあ、わたしが誘えば、降りてきてくれる?』
『え?ちょっと、それどういうこと?お前今どこに』
『当ててみて』
『ちょっと、いまベランダに出…ってお前ほんとに来たのかよ!』
『早く降りて?』
今年の今日は雪がないけれど、その雪積もる昼の彼女の優しい声は、今でも俺の心に響くのであった。
(01.25)
「ねえ。傘を差すの疲れちゃった」
「うん」
「だから、あなたが差して」
「わかった」
「傘を差してもらうの、あなたぐらいしかいないから。今日は思う存分甘えないと」
「…そうだな。俺も、傘を差してあげるの、お前ぐらいしかいないから」
今年の今日は雪がないけれど、その雪舞い降りる午後の彼女の絡んできた腕の温もりは、今でも俺の腕に残っているのであった。
(01.25)
「申し訳ございません、お客様。その破れたお札は使えません。」
「……やべ、もうこれしかないや」
「アリペイもウイチャットペイも使えますがいかがでしょうか。」
「そんなの使っていないし……カードもだめか……」
「……でしたら、彼女さんに払っていただくというのは…?」
「……うん、ソウダネ。」
(彼女なんかじゃ、ねえよ)
今年の今日は雪がないけれど、その雪風吹き荒れる夕方のウェイトレスの心のない言葉に、今でも俺は嬉しくも悲しく感じているのであった。
(01.25)
「どうせやることもないし、シャワーを浴びてこれば?」
「そうだな。じゃあお言葉に甘えて」
「何でホテルのシャワー室の壁は硝子でできているんだろう」
「えっ、ちょっ、おまえ!何やって…」
「えへ。じゃあ、ごゆっくり」
「はあ…まだ脱いでなくて良かった」
今年の今日は雪がないけれど、その雪止む夜のホテル部屋の奇妙な硝子壁に、今でも俺は頬を赤らめざるを得ないのであった。
(01.25)
「端的に言うとね、わたし、やっぱりあなたのことが好き」
「…」
「ほら、先日あなたと一緒に昼ご飯を食べたじゃない?その時は、楽しかった」
「うん」
「でね、帰ったら色々と考えたの。やっぱり、あなたの傍にいたい」
「俺だって!一日たりともお前のこと忘れたりしてなかったんだ!他の連中には自分が恋愛モードではないって言ってるけど、本当は、お前のことが忘れられないから、他の人に目を向けられないんだよ!」
「そう…なのね…………くす」
(01.25)
「いや、冗談だろう?」
「…」
「こんなの今度にしようよ、ほんとに」
「…」
「…」
「このいけず!分からず屋!朴念仁!なんでわたしに何もしてくれないの?」
「え…」
今年の今日は雪がないけれど、その雪融ける夜の彼女の色っぽい囁きは、今でも俺の心を躍らせるのであった。
(01.26)
初投稿です。やり方よくわからないですがよろしくお願いします。
外国人です。日本語下手で申し訳ありません。
[19.01.27 01:58]“「」”と“『』”使う場所の修正
[19.01.27 22:05]辞書を引いてみたら「雪解け」が正しいらしい。中国人の漢字感覚では、「融」があるのになんで「解」を使うのが不思議である。この誤字(誤字であれば)はしばらく放っておく。気が向いたら修正するかも。向かない可能性大。
[19.02.07 17:06]ホテルの硝子壁は、セフレの持ち逃げ防止の為であると言われている。