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暇なんで神様やめます!  作者: 夏冬
1章 入学式編
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6

俺達が並んでいる前に複数の試験管らしき人達が並び立つ。


「これから総合技能学園の入学試験を始めたいと思います。

入学試験には、筆記試験と実技試験があります。先に筆記試験を行ってもらいますのでこれから移動してもらいます。

では付いてきてください。」


そう言って中央に居る20代ぐらいの眼鏡をかけた赤茶色の髪の男性が指示を出している。

男性の指示に従い皆がついて行くと、入学試験を受ける人達が、全員入りそうなぐらい大きな教室へと案内された。


「ここは、1年生全員でする授業がある時に使われる教室です。

今からここで筆記試験を行います。

皆さん入ってきた人から前に詰めて座ってください。」


そう言われて前から詰めて全員すわった様だ。

俺は丁度ど真ん中の席になった。周りを見るとシャロルとエミリは右後ろの方で2人で並んでいた。2人はこっちに気づくと笑顔をつくる余裕がある様だ。

また、俺の横の席はなぜかウィークだ。

ウィークの方をチラ見すると目が合ってしまった。

目が合うと何か言いたげな目を向けてくる。


「君は座学も出来なくて不安なのかな?」


ウィークは俺を見て、見下してきた物言いで言ってくる。

そんなウィークが面倒臭いので俺は、流す事にした。


「あっはい……」


「俺、みたいな天才だと不安など感じないのさ!」


「……そうっすね……」


「まぁ、君もせいぜい頑張りたまえ」


「……はい……」


ウィークはそう言って俺の背中を軽く数回叩いて前を向く。

ウィークとの話が終わると、入学試験の問題用紙が裏向きで試験管によって配われていた。


「皆に問題用紙はいったか?」


赤茶色の試験管の言葉を聞いて、皆が試験管を見つめていた。


「問題用紙は皆ある様だな。

それでは、これから50分間の筆記試験を始める。

始め!」


そう試験管が言うと、皆が紙をひっくり返す音が一斉に聞こえてくる。

俺もひっくり返して問題を見る。するとほとんどの問題が魔法についてで、残り少しが数学の計算問題だった。


魔法の問題は、母さんに魔法に付いて詳しく教えてもらっていたので問題なく解くことができた。数学もあまり得意では無いがまぁなんとか出来た。

俺は問題をすべて解いても、まだ30分以上時間が余っていたので、見直しをしっかりする事ができた。

俺が見直しを2回やり終わると、筆記試験が終了した。


「そこまで!」


赤茶色髪の試験管の合図で、筆記試験が終わった。

試験管達によって、問題用紙は集められる。

集め終わると、赤茶色髪の試験管から指示が出された。


「次に実技試験を行うため、実技場に移動してもらいます。

また、付いてきてください」


そう言って歩き出した赤茶色髪の試験管の後を皆が追っていく。

俺は、試験管を追っていく人の流れにのるように足を進めていく。


実技場に着くと、赤茶色髪の試験管から指示が出る。


「この場所に、筆記試験前に並んだように並んでください。」


俺たちが並び終わると、赤茶色髪の試験官がこちらのほうを向いて立っていた。


「これから、実技試験の説明をする。

 実技試験は、初めが剣術科希望者、後が魔術科希望者の順に始める。

 希望無しの者は、初め剣術科希望の者と一緒に試験をしてもらいます。剣術科の試験が終わったら今度は魔術科希望者の者と一緒に試験を受けてください。

試験の詳しい内容は、この2人が説明します。」


赤茶色髪の試験官がそう言うと、赤茶色の試験官の左右から2人の男女が前に出る。

右側の男性は、身体つきが良く、髪は金色の短髪で顔は釣り目のせいか、いかつい表情をしていた。左側の女性は、女性にしては背が高く、水色の長髪で顔は眼鏡をかけており、凛とした感じのする女性だ。


右の男性がさらに一歩前に出る。


「俺が剣術科希望の生徒を見ることになっているクラエドだ。この学園で剣術を教えている。

 剣術希望の生徒は、この学園で剣術を教えている先生と1対1で対決してもらい、その対決を見て俺が評価することになっている。

 何か質問があるやつはいるか?ないなら以上で説明を終わる。」


そう言ってクラエドは、1歩後ろへ下がる。

『声の大きい人だ……』そんなことを思っていると、今度は水色の髪の女性が一歩前に出る。


「私が魔術科希望者の者を見ることになっているレティアといいます。この学園で、魔法を教えています。

 魔術科希望者の者も、剣術科希望の者と同じくこの学園で魔法を教えている先生と対戦してもらい、それを見て私が評価するようになります。

 何か質問はありますか?

では以上で説明を終わります」


そう言うとクラエドと同じように1歩後ろへと下がる。レティアと入れ替わりで赤茶色髪の試験官が一歩前に出る。


「実技試験は、この2人が説明してくれた通りに行う。また、わが学園には、怪我を治す魔法に長けた先生が保健室の先生としています。ですので、今日の実技試験で怪我をしても先生を待機させていますので安心してください。

 ではこれから、実技試験を始めたいと思います。

 魔術科希望氏の者は、邪魔になるので実技場の周りの観戦席へと移動してもらいます。

 入学したら、仲間となる人の実力を見るのも大切なのでしっかりと、見ていてください。

 では、魔術科の生徒以外は、移動しますのでついてきてください。」


魔術科希望の生徒が移動したことによって、実技場内に今いるのは、剣術希望の者と希望無しの者とクラエド、対戦相手であろう試験官が5人である。

そしてなぜかクラエドは、俺達のほうを向いて楽しげな笑みを浮かべていた。


「よし、今から始めるけど………順番は、剣術希望をしている者から名前呼ぶので待っとくように。

 待っとく奴は危ないから離れとけよ。

 じゃあ、始めるぞ…………………」


こうして始まった実技試験を見ていると、俺は驚いた。『ほとんどの奴が下手糞すぎる!』少しましな奴がいたとしてもそれでも俺の7歳の頃と同じレベルである。俺はそんな奴らの技術を見て呆れていた。


「次は、レティ=アルノ―ト」


クラエドの言葉を聞いて皆が騒めく。周りからは、「性があるってことは貴族?」「なんで貴族が……」といった感じの言葉が聞こえてくる。

そしてみんなの視線が名前を呼ばれて立ち上がった人の方を向く、俺も皆の視線をたどって振り向く。そこには、ピンク色の髪をサイドポニーテールにしているたれ目の少女の姿があった。

少女は「…はい…」と元気がない返事をした。

返事をするとレティ=アルノ―ト改めレティは、ゆっくりと対戦する試験官の前へと歩いていく。

クラエドが「準備はいいか?」というと2人共が戦闘態勢に入る。

俺はレティの武器に目がいった、なぜならレティの武器は使いこなせる人が少ない刀だったからだ。


「始め!」


クラエドの合図で対戦がはじまった。

合図とともに、レティが初めに動く。レティは手速い動きで相手の懐に入ると刀を横に振りぬく。試験官は後ろへバックステップをして避けるが、少し反応が遅れたのか服が切れていた。

試験官が服を切られたのにほんの一瞬驚いている隙に、レティは刀を上か振り落とす追撃をしていた。

試験官は刀でレティの攻撃をガードするも、ガードの反応が遅かったせいで不完全なガードとなり、体勢を崩される。

体勢が崩れた試験官にレティがとどめを刺そうとすると、クラエドが声を上げる。


「そこまで!!

 レティ=アルノ―トは元の列へ戻れ」


クラエドがそう言うと、レティは刀を納めて元の列へと戻っていく。

俺は、レティの戦いを見て「やっと、まともな奴がいたか……しかし、試験官もレベル低いな……」そんなことを思っていると。

クラエドから俺の名前が呼ばれた。


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