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「そんな驚く事でもないよ。
ただ、俺に魔法を教えてくれた母さんが精霊魔法を使っていなかったので、俺も何となく使っていなかったってだけだよ。
それに、契約した精霊と一緒に発動させる精霊魔法は普通の魔法より威力が上がるのから、普通の魔法でも母さんに制限かけられていたから、精霊魔法を覚えようと思わなかったんだよ。」
俺がそう言うと、シャロルは変な笑顔をしながら小さく「そうですか・・・・」とだけ呟いていた。
そんな会話をしながらも、俺は自分が精霊召喚をして精霊魔法を使うと、どうなるのか少し気になってきた。『今更だけど、俺も今度精霊と契約をしてみようかな・・・』俺はそんなことを考えながら、シャロルの横を歩いていた。
それから少ししてから、俺はシャロルと別れると精霊と契約するために、実家の近くにある森へと転移することにした。
「ここにするか・・・」
俺はそう呟くと、『収納魔法』から魔法陣を書くために使う道具を取り出してから魔法陣を書くと、精霊を召喚するために魔法陣に魔力を流す。
「・・・・・・・そういえば、どの属性の精霊を召喚するのか考えていなかった・・・」
俺はそう言うと、魔法陣に魔力を流すのをやめてから、近くの木の陰に座り考えることにした。
『確か、普通は自分の得意な属性の精霊と契約をするんだけど、俺って特異な属性も嫌いな属性もないからな・・・
まぁ、あれだね、決まらないし、何の神か決めずに呼んでみるか・・・何の属性の精霊が出るかはお楽しみにして・・・』俺は考えをまとめると、魔法陣の前に立ち魔法陣に魔力を流しながら詠唱をする。
「神より生まれし精霊よ、我の前に姿を示し、我と契約を」
俺がそう言うと、魔法陣が光るとその光の中に影ができているのが見えた。
光が消えるとそこには、10歳位の少女が宙に浮いて俺の方を見ていた。俺は精霊召喚で少女が出てきたことに驚いていると、少女が俺に話しかけてきた。
「まさか人間なんぞに、妾を呼べるものがいるとはな・・・
お主が妾を呼んだのか?」
少女はそう言うと、俺のことをじっと見てくる。俺は少女に驚きながらも質問に答える。
「一応、精霊召喚をしたのは俺だけど、あなたは精霊ですよね?」
俺は呼んだ精霊が人間の少女にしか見えないのでそう質問をした。
「妾の名は、ミカじゃ。
それに妾は精霊ではないぞ、聖霊というものだな。
簡単に言うと、それぞれの属性精霊の生みの親である精霊王をつくったのが妾達聖霊じゃな。
まぁ、妾も神様によって作られ、人間界の世界を見るように頼まれているんじゃが・・・そんなことよりも、お主の名はなんと申す?」
「えっと。俺はアレックスって言います。」
俺はミカに返事をしながらも、今さっき美香が言ったことを考えていた。『ミカは神様によってつくられたって言ってるけど、この世界の神様システムが人間界を見守る為に作ったってことか?まさか俺がミカを呼べたのは、元神だからか?それとも、無意識のうちに少し神気を使ってしまったか?どちらにしろ、ミカは俺のが元神だと気づいてないならいいか・・・』俺はそう結論づけるとミカの方を向く。
しかし、みかはどう見ても人間にしか見えない。長い銀髪に活発そうな顔だが、どこか俺を見下したような目をしている。
そんなことを思いながら、ミカの方を見ていると、ミカも俺のことをじっと観察するように見てきた。
「お主、もしや、神様に力をもらったりしたことはないかの?
お主から、微かに神様の力を感じるのじゃが・・・」
ミカはそう言うとさらに俺に近づき、俺を観察するように見てくる。
「神様に力をもらったことはないですけど、どうかしましたか?」
俺がそう言うと、ミカは腕を組みながら考え事をしているようで、少しの間、小さな声で何かを言っていた。
「確かに神気を感じたんだが・・・それよりもただの人が、妾を呼ぶことができるのか?・・・・」
ミカが言っているのが微かに聞こえてくるが、どうやら俺について考えているようだった。ミカの中で考えがまとまったのか、ミカが俺に話しかけてきた。
「アレックスと言ったな!
人間が精霊を呼ぶことができないのに、お主にはそれができた。それに免じて妾はお主と契約を結ぼう。それにお主からは悪意が感じられないし、お主と一緒におると面白いことが起きそうなのでな。」
ミカはそう言うと、俺に向かって微笑んできた。すると、魔法陣が俺とミカの前に浮かび上がり契約を結ぶことができた。
「そうじゃ!アレックス!
妾はこの聖霊界に戻らず、人間界に滞在しようと思うのじゃが良いかの?」
「いいですけど、それなら俺と一緒に暮らしてもらいますよ?
「分かったのじゃ。それにお主は妾の主なのじゃから、堅苦しいのは良いぞ。それに妾のことは、気軽にミカと呼ぶとよいのじゃ。」
「わかった。これからよろしくな、ミカ」
そう言って俺は、ミカとの契約と挨拶を済ませると、転移魔法で自分の部屋へと戻ることにした。
部屋に戻ると、まだフェイは帰っていない様子だった。
「アレックス、妾は風呂に入りたいのじゃが、この部屋には風呂はないのか?」
「風呂ならそこの扉を開けて左側のドアを開けるとあるぞ。ちなみに右側がトイレだが、聖霊界にも風呂なんてあったのか?」
俺はミカから風呂って言葉が出てきたことに驚きながら質問をすると、ミカは俺を馬鹿にしたような目をしてから、呆れたように俺に言ってきた。
「妾は人間界を見守っているのじゃぞ、人間が作った風呂という文化は気持ち良さじゃから妾も聖霊界に作ったのじゃよ。それに・・・」
「そうだったんだな!ここの風呂は狭いかもしれないが、ゆっくり入ってくれ!」
ミカはどこか誇らしげにそう言うと、まだいろいろと話そうとしていたので、俺はミカの話を断つようにして、ミカを風呂へと案内した。
ミカを風呂に入れると、俺はベットの上に横になってから、今日の出来事を軽く振り返っていると、瞼が重くなってきたので、フェイが帰ってくるまで軽く寝ることにした。『フェイが帰ってきたら、ミカの紹介もしないといけないしな・・・皆にはミカの正体を隠した方がいいか・・・ミカとも今後について相談しないと・・・』俺は、そう思いながら瞼を閉じた。




