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「今しているのはね、この魔法書に書いてある魔法の練習をしているの!」
フェイはそう言ってから、手に持っている魔法書を見せてくる。
俺は、フェイが見せてきた魔法書をじっくりと見てみる。その魔法書の表紙には『闇魔法~高位魔法について~』と書かれていた。
「それって、フェイは苦手な魔法を克服するよりも得意魔法を伸ばすことにしたんだな、しかも高位魔法って確か上から確か4番目の魔法だよな」
確か魔法のランクは下から順に、下級魔法、低位魔法、中級魔法、中位魔法、上級魔法、高位魔法、超級魔法、超位魔法、神級魔法の順番だったはずだ。この順番には入らないが、高位魔法よりも高い魔法と言われている、古式魔法(古代魔法)と、禁術があるはずだ。
「確か、フェイが今使える魔法って中位魔法が最高だよな?二段階上の魔法になるけど、大丈夫なのか?」
「やっぱり、二段階上の魔法は厳しいかな?」
「いや、普通にやればフェイの実力ならそんなに厳しくはないと思うが、残りの期間が少ないからな・・・
それに、高位魔法にこだわらなくても、この学園の先輩でさえ高位魔法を使える人は少ないんだから、上級魔法でも通用すると思うぞ、高位魔法って魔法師全体でも使えない人は多いいからな・・・
それに、この一年生のトーナメントで無理に覚えるよりも、確実に覚えられてしかも上達できる魔法を選んだ方がいいと思うぞ」
俺はフェイにあまりお勧めしないことを伝えると、フェイは少し落ち込んだ表情をしてから、少し考えるそぶりを見せる。
「分かった。
なら上位魔法に変えることにするよ。残りの日数でも上位魔法なら大丈夫だと思うからね・・・
でも、このトーナメントとは関係ないけど、トーナメントが終わったら高位魔法について、一緒に練習してくれないかな?」
どうやら俺の言う通りに、闇の高位魔法の練習を一旦やめてから、トーナメントのために上位魔法を練習することになった。もちろんフェイがお願いしてきた高位魔法の練習にはトーナメントが終わったっら付き合うつもりだ。
「分かった!トーナメントが終わったら高位魔法の練習に付き合うよ。
その前に、上位魔法の魔法書をとりに行くために図書室に行こうか・・・
それに、シャロル達に魔法の練習を見てくれって誘われているんだけど一緒に練習してもいいかな?」
「そうなんだ・・・
それなら、今日はシャロル達の方を見てきたらいいよ。僕はまず上級魔法書を探してから、試してみてできないところがあったら明日アレックスに聞いてもいいかな?」
「分かったよ。分からないことがあったら何でも聞いてきてね。俺がわかる範囲でなら教えれると思うから。」
フェイに俺は簡単に答えると、シャロル達に一緒に魔法の練習ができることを伝えるために図書室に向かうことにした。
図書室に着くと、俺は今さっき来た時にシャロル達が使っていた一番隅っこの席へと向かう。
一番隅の席に着くとそこにはまだ、シャロルとエミリが魔法書を読んでいたので俺は声をかけることにした。
「魔法の勉強は順調?」
俺は二人の近くに行ってからそう話しかけると、二人は急に声をかけられて驚いたようで、俺を見る二人の顔は目を開いて驚いた顔をしていた。
「急に話しかけないでよね!驚いたじゃない!」
いち早く驚きから戻ったエミリは俺にそう言うと少し睨んできた。
正直に言って、俺は二人を驚かすつもりはなかったので、二人の反応に正直俺も驚いてしまったが、急に話しかけてしまった俺が悪かったと思い俺は二人に謝ることにした。
「ごめん、ごめん。急に話しかけた俺が悪かったよ」
俺がそう言うと、エミリは『わかればいんだよ』と言い痛げな顔を俺に向けてから、魔法書の方に顔を戻した。一方でシャロルは、驚いた顔を見せたのが恥ずかしかったのか顔を赤めらせて下を向いていた。
俺はそんなシャロルを、心の中で『かわいいなぁ』と思いながら見ていた。
それからシャロルが正気に戻ると、俺はフェイとの魔法の練習が無くなったためシャロル達と魔法の練習ができることを伝える。
「そう言えば、今さっき誘ってくれた魔法の練習だけど、フェイと相談したら一緒に練習してもいいって言われたから、一緒に練習をしないか誘いに来たんだよ!」
俺がそいう言うと、シャロルとエミリは目を輝かせながら俺のことを見てきた。すると、シャロルは俺に急に近づいてくると何故か少し興奮気味に俺に話しかけてきた。
「一緒に魔法の練習をしてくださるんですか?でしたら、すぐに実技場に行きましょう!
ちょうど今、試したい魔法と見てほしい魔法があるんだよ!」
シャロルはそう言うと、俺の手を引っ張ってから出口の方向へ歩き始める。俺はシャロルに手を引っ張られて途惑っていると、シャロルの隣で座って本を読んでいたエミリがシャロルに声をかける。
「シャロル、実技場に向かうのは良いけど、向かうんならちゃんとここにある本を片付けてからにしてよね!」
エミリはシャロルにそう言ってから、机の上に出ている本の山を指さしていた。
すると、シャロルはその本の山を見てから我に返ったのか、自分が凄くはしゃいでいたのを思い出して恥ずかしそうにしながらエミリに言われた通りに本を片付けに向かった。
本を片付け終えると、シャロルは疲れたのか大きく息を吐くと、気持ちを切り替えたよで、飛び切りの笑顔で俺の方を見てきた。
「それでは、アレックス一緒に実技場に行って、私の魔法を見て下さい!」
「ちゃんと私のも見てよね!」
シャロルとエミリがそう言ったので、俺は二人と一緒に実技場に向かうことにした。
実技場に着くと、俺達は空いている広いスペースを見つけてからそこに向かった。
「それで、二人は今どんな魔法を練習しているんだい?」
俺が二人にそう質問をすると、二人は俺に「見てもらった方が早いかも・・・」と言ったので俺は二人の魔法を見ることにした。
初めにエミリが、「私から見せるよ!」と言ったので俺とシャロルは少し離れたところでエミリのことを見ることにした。
「紺ぐらい離れてたら大丈夫か?」
「大丈夫だよー!
それにしても、なんかこう改まって魔法を見られるとなんか少し恥ずかしいな・・・」
エミリは少し恥ずかしそう言っていたのを俺は無視してから急かす。
「こんなので緊張してたらトーナメントで実力が出せないぞ!」
俺の言葉を聞くと、どうやらスイッチが入ったようでエミリが魔法を発動させた。




