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実技場の隅っこで一人で黙々と自主練習をしていると、周りの生徒たちの模擬戦が次々に終わり始めたので、俺は自主練習をやめて皆が休憩をしているところへと移動することにした。
模擬戦が終わった生徒たちは、ほとんどの生徒たちが疲れたのかクラエド先生の近くで座り込んで他の生徒の模擬戦を見ていた。
それ以外の生徒はと言うと、レティと同じように休憩室で寝ているみたいだ、俺はクラエド先生の近くへ行くと残りの模擬戦を鑑賞することにした。
ちなみに残りの模擬戦は三組あり、どれもなかなかの接戦をしていた。
全ての模擬戦が終わり、クラエド先生からの話が終わると、今日の剣術の実技の授業は終了となった。
授業が終わり俺はまだ戻ってこないレティのことが心配になり休憩室へ向かうことにした。
休憩室に着くと俺はレティを寝かしたベットへと向かった。
ベットではレティがまだ横になっていたが、今さっきまでの気絶とは違いかすかに寝言が聞こえるのでどうやら疲れて眠っているみたいだった。
今日の授業は今さっきの実技で終わり、このままレティをほっとくわけにもいかず、気絶して眠ったレティを起こすのも可哀想なため、俺はレティを起こさないようにお姫様抱っこすると女子寮へと運ぶことにした。
女子寮までレティをお姫様抱っこで運んでいると、周りからの視線と小声でささやいている声が聞こえたが、俺は気にせず女子寮へと足を進めた。
女子寮へ着くと俺は頭を抱えていた。
「…こまったな………」
俺は小さくそう呟くと、俺は抱えているレティへと視線を落とした。
女子寮は男子が入室できず、俺はレティを女子寮の大家さんに預けようと思っていたんだが、大家さんは『私用で留守にしてます。』という紙が大家さんの部屋のドアに貼ったアリどうやら大家さんはいないみたいだった。
大家さんがいないとわかると俺は、女子寮に入る生徒が来ないか女子寮の前で待っていたんだが、女子生徒は来る気配がなく早一時間がたとうとしていた。
俺は困ったと思い深いため息をつくと、後ろから誰かが話しかけてきたので俺は声が聞こえた方へと振り向くすると、そこにはエミリとシャロルが立っていた。
「アレックス~女子寮の前で何をしようとしているのかな~?」
俺が振り向くとエミリはどこかにやけた顔をして俺に質問をしてきた。しかもエミリの後ろで、シャロルはなぜかいけないものを見たかのようにオロオロとしていた。
俺は二人の様子を見て、二人が何か勘違いをしていると思い二人に俺がここにいる事情を説明することにした。
「ちがう、俺は実技の授業でした模擬戦で、気絶したレティを運んできたんだよ!」
俺はそう言ってお姫様抱っこしていたレティを二人に見せるように前に出して誤解を解こうとした。
しかし、シャロルとエミリの反応は俺の予想とは違い更に誤解をしていた。
「まさか、レティさんを連れ込んで……」
そう言ったエミリはどこか楽しそうな表情をしていたが、それを聞いたシャロルは顔を赤くしてオロオロとしている。
俺はそんな二人の様子に呆れてため息を吐いていると、俺達三人のやり取りが騒がしかったのか、レティが目を覚ました。
「……アレックス………?」
レティは俺に何で抱っこされているのか不思議に思ったのか首を横に倒して不思議そうな顔をしていた。
俺はそんなレティを地面におろすと、模擬戦で気絶して寝ていたこと目をなかなか覚まさなかったので俺が運んできたことを伝えた。すると、レティはどこか悔しそうな顔を浮かべえていたが直ぐにいつもの顔に戻ると俺にお礼を言った。
その様子を見ていたエミリは少し笑った顔をしながら話しかけてきた。
「アレックスをからかうのは面白かったけど、もう少しからかいたかったなー」
「エミリわかっていたんならからかわないでよ!」
その言葉を聞いて俺はほっとしながらエミリにそう言うと、エミリは笑いながら謝ってきた。
「ごめんごめん」
謝ってきたエミリはどこか楽しそうだったが、その様子を見ていたシャロルは驚いた顔をしてまたもやオロオロとしていた。
どうやらシャロルはエミリの言うことを本当に信じているようだ。
俺はシャロルの誤解を解こうとシャロルに話しかけようとした。しかし、エミリが俺とシャロルの間に入ると、俺の方を向き何かする気なのかほほを上げてにやりと笑った。
俺はその顔を見て、レティの誤解を取らさない気だと思い必死にエミリとシャロルの間に入り込みシャロルに話しかけようとした。
俺はシャロルの方を向き、シャロルとエミリの間に割り込んだ。
すると後ろからエミリの笑い声が聞こえた。
俺はエミリの笑い声に驚き後ろを振り返る。するとそこには笑いすぎて涙目になっているエミリの姿があった。
「もー、アレックス必死すぎ」
エミリはそう言うと声を出して笑い始めた。
俺はまたエミリに馬鹿にされたと気づくと顔がだんだんと熱くなっていくのが分かった。
俺は恥ずかしいため周りにいるシャロルとレティの様子を確認する。
すると、シャロルは何が起こったのか理解できていない様子で、レティは俺達のことを見ておらずどこか遠いい目をして自分のおなかを抑えていた。
すると、レティの方からおなかが鳴る音が聞こえてきたどうやらおなかが空いたみたいだ。
俺はそんな二人の様子に安どのため息を吐くと、またもエミリから笑われることになる。
俺はそんなエミリを無視して、シャロルの方を向きちゃんと事情を話し誤解を解くことにした。
すると、シャロルはちゃんと理解してくれたようで俺はほっとした。
俺達は、レティがお腹をすかしているみたいなので四人で食堂へと行くことにした。
食堂へ着くと俺達はまず初めにいつもの席へと行こうとしたが、今日は先客がいたようなので他の席を探すことにした。
俺達が他の席を探していると、目の前に食堂で買ったであろうカレーを持ているフェイがそこにはいた。
俺達4人はフェイに声をかけると、フェイは俺達に気づきこっちに歩いてきた。
「アレックス探したんだよ!」
フェイは第一声にそう言うとほっぺたを膨らまして今怒ってますと言いたげな顔をしてアレックスの方を向いていた。
俺はフェイのことをすっかりと忘れていたが、そんなことを言えないので適当なことを言って誤魔化すことにした。
「ちょうど今さっき部屋に言ってフェイを呼ぼうとしたら居らなかったんだよ。
どうやら俺達入れ違いに帰ったようだな」
俺はそう言ってフェイの方を向くと、フェイは「それならしょうがないか」と言って機嫌を直してくれた。
フェイ以外の4人は各自食堂で料理を買うと、フェイに取っといてもらった席へと行き皆で食事をすることにした。
食事を食べ終わると俺達は、解散することになりそれぞれ自分の部屋へと向かった。




