32 漆黒の魔人5
だいぶ人数が減ってしまった
洞窟はどこまでも続く闇、また闇
三人で...かてるのだろうか?
そうイアは不安げな顔で思った
そんなイアの不安を読み取ったのか、アルマが話しかける
「お姉ちゃん、大丈夫?」
「う、うん」
「ちょっと、不安になっちゃって」
「みんな、無事だといいけど」
「みんな 強い きっと無事」
不安は弱さにつながる
クパルはそれを分かっていた
洞窟は急に下へと道が下ってがっていた
坂は長い、地獄へと通じているかのような暗闇に不安は募っていく
永遠に続くと思われた坂もやがて絶えた
その先に、扉があった
扉を開くイア
その向こうは、外?
「ここは...」
「竜人族の、国?」
そこは、ドラグラードのようだった
しかし、廃墟となった街の上空に瓦礫が浮いている
まるで作られた世界
女神に出会ったその場所に雰囲気が似ていた
その上空から二人の人影が落ちてきた
双子のカルマとレキィだった
「やっぱり 立ちふさがるの ですね」
「イア! 行って!」
クパルは大杖を振り上げ詠唱を始めていた
そこに、一つの空を飛ぶ影が現れる
翼の羽ばたきが聞こえる
上空を見上げると、見覚えのある姿があった
「よう!待たせたな!」
「こいつらは、俺が倒す」
「竜人族の敵ってやつだ」
「リージー...さん!?」
壊れていた心、虚ろだった目には光が戻っていた
手に構える槍を双子に向けるリージー
「両親と兄さん、そして殺された竜人たちの無念」
「操られてたあんたらの魂はもうないが、その抜け殻」
「憂さ晴らしに使わせてもらうぜ!」
手足に雷を纏うと、槍には強烈な電撃が走る
「本来は槍主流なんでね」
「俺の槍裁き、見せてやるよ!」
「イア、こいつらは俺とクパル様がやる」
「先に進め!元凶はきっと、この先だ!」
「リージーさん...」
「ありがとうございます!」
駆けだすイアとアルマ
結局、二人になってしまった
思えば生まれたのも最初にアルマと出会ったのもこの洞窟だった
進み続ける...イアとアルマを先へと向かわせてくれた彼らを信じて進む
進先にまた、扉があった
先ほどとは違い大きな扉
両手をかけて内側へと扉を押す
ゆっくりと開く大きな扉、その先には
花が咲き乱れる開けた場所が現れた
「ここは—」
見覚えがあった
混然と建てられた数々の墓
イアの能力が暴走していたころに殺してしまった人たち、その墓だった
墓の周りには美しい花がさきみだれている
そこに、少女の声がした
「ようやく、来たのね」
見ると、奥の二つの墓の前で祈っている少女がいる
二つの墓、かつてその少女とともに冒険をした男たちの墓
少女は立ち上がり、振り返る
その目からは一筋の涙が流れた
「ねぇ、覚えてる?」
イアは驚いた
その少女には見覚えがあった
「ここで、私の大切な二人が殺された」
覚えている彼らの命を奪ったのは自分...
その時彼らと一緒にいた少女
イアを一度殺した少女
アイダ...
彼女は魔人となってイアの前にたっていた
次は足止めしてる彼らの戦いです




