31 エルフの国1
竜人族の国が壊滅してから数週間後
傷も完全に癒えた一行はアルラードのギルド本部へと戻っていた
リージーは竜人族の生き残りたちが引き取り療養中だ
しばら世界は何事もなく落ち着き払っている
まるで嵐の前の静けさのように
そんな中、エルフの国から使者が来た
「われらが女王サリア様が亡くなられた」
「そちらに預けているクパル様を渡してもらおう」
「それは、どういうことだ?」
「あんたらが追放したんじゃないのか?」
怒りを抑えたような声でマスターが言う
「事情が変わったのだ」
「クパル様を次期女王として我が国に迎える」
エルフの国は代々魔力の高いものが女王となる習慣があった
なかでもクパルの魔力は今までのエルフたちの中でもずば抜けていたため
女王として内定はしていたのだった
人間に興味を持ち追放されなければそのまま女王となっていただろう
「彼女の意志を確認せねば渡せんな」
「意志などいらぬ」
「これは我らエルフの問題だ」
「それに、エルフはエルフのもの、貴様ら汚らわしい人間に預けていたものを返してもらうだけだ」
「もの?」
「彼女は、ものではありませんぞ?」
「フン、どちらでもよい、早く渡せ」
「何なら力ずくでもいいのだぞ?」
「その場合、エルフ全軍が敵となるがな」
「戦争を仕掛ける気か!?」
「そんな場合ではないことは分かっているだろう?」
「今まさに全種族が一丸となって戦わねばならない脅威があるというのに」
「我らには関係のないことだ」
「そちらが滅びるのなら勝手に滅びればいい」
「ただ、クパル様は返してもらう」
そこに、クパルが入ってきた
「いいよ 私 もどる」
「な、何を言うんですかクパル様」
「みんなに 迷惑 かかる」
「しかし!」
「本人もそう言っているだろう」
「話は決まったな」
そういうとすぐにクパルの手を引きエルフたちは出て行ってしまった
数日後、エルフの使者がまたやってきた
今にも死にそうなボロボロの体で
「都合のいいことを言うかもしれんが、エルフの国を、エルフを、救ってくれ」
「頼む...」
それだけ言うと彼女は気絶した
回復を待って聞くと、エルフの国がエルフ自身の手によって破壊されているという
破壊活動を行っている者たちは一様に虚ろな目をしていたとのこと
クパルが防護壁を張って守ってはいるが、それも長くはもちそうにないらしい
「すぐに救援に向かう!」
「兵を集めろ!それとイアに連絡を」
「彼女の力が必要になるかもしれん」
「すまない、だが、なぜ我らを助けてくれる?」
「あれだけひどいことを言ったというのに」
「数百年前、すべての種族が一人の勇者のもとに集い魔王を討ち取ったことは知っているな?」
「あぁ」
「あの時の勇者の教えは今でも息づいているということだ」
「...そうか、そうだったな」
「いつの間にか我らは忘れていたのかもしれん」
「ここからは、われらエルフも協力すると約束しよう」
「勇者の導きのもとに戦ったあの時のように!」
エルフたちとともに、ギルドの兵はエルフの国、ソールーンへと向かった
「クパル様、必ず、必ず助けます」
イアは決意を胸にともに救援に向かった
操られたエルフの心境は「すべてを破壊しつくすだけだぁ」です




