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30 双子の魔人6

 双子が旅を始めて数ヵ月

百年たった懐かしき世界で気ままな旅

かつて救い、平和になった世界を噛みしめていた

そんな時、一人の少女に出会った

明るく人懐っこい性格の少女に双子も心を許していく

彼女の悪意に気づくことなく...


 ゆっくりと忍び寄る悪意は

双子の闇を少しずつ、少しずつ広げていく


「もうすぐ完成するわ。私の、最高傑作」

「今までのと比べ物にならないくらいの悪意の塊」

「あの紫の魔人を食っといてよかったわ」

「彼の力のおかげでここまで協力に洗脳できるもの」

「フフフ、楽しみだわ、あいつが殺されるところを見るのが」


 双子の心を奥底に閉じ込め、悪意のみで動く人形を作り上げる


「後は、これを埋め込んで」


 黒い水晶のようなものを双子の首元に埋め込む


「さぁ、行きなさい人形」

「敵は竜とそれを守る奴らすべてよ」

「完膚なきまで殺戮し、滅ぼし切りなさい!」



 話し終えるレキィ


「意識はあったの」

「でも、自分たちが何をしているか見えただけ」

「止められなかった」

「抗えなかった」


「すまねぇ、俺たちは...」

「クパルに...いや、俺たちがもう言える立場じゃねぇ」

「だが、一言、すまなかったと、伝えてくれ」


 双子の体は崩れていく


「「ありがとう...」」


 双子の体が合った場所には双子の双剣と黒い水晶のようなものが落ちていた

双剣を拾い上げると横にはクパルが立っていた


「クパル様...」


「うん わかってる」

「その剣 私が もらっていい?」


「はい」


 剣を受け取ったクパルはそっとそれを抱きしめて泣いた



 この国の復興は難しいだろう

民はおろか王族までも殺されていた

竜人族の生き残りはリージーを含め、他国や他街にいる数百名のみ

その中で王の継承権をもつのは王のいとこの娘に当たる貴族のリージーのみなのだが

目を覚ました彼女の心は壊れていた

赤子のようになってしまったリージー

大好きだった兄と両親のひどい死体を見たショックは相当だったのだろう

彼女が元に戻ることはないのかもしれない

それでも、生き残った竜人族は一縷の望みをかけ、彼女の復活を望んだ



心までは治せません

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