30 双子の魔人3
双子の魔人がこちらに気づく
クパルを見つけると近づいてきた
「お、やっぱり!クパルちゃんだ!」
「おー、久しぶりだなちびっこ」
そこには依然と変わらずクパルに接する二人の姿があった
「どうして こんな ことを?」
クパルは悲しげな表情で問うた
「こんな?こと?」
「邪竜退治のこと?」
「そんなの、英雄として当然だよ~」
その目には一点の曇りもないように思えた
それが、心の底から出た言葉なのであろう
「俺たちは世界を守るためにまた戦うんだ」
「すべては世界平和のためだよクパル」
クパルは二人にすがるように聞いた
「わかって いるのですか!?」
「自分たちが 何をしたのか!」
そう叫ぶクパルに不思議そうな顔を向ける二人
「何って、邪竜は退治するもんだろ?」
「ましてや邪竜たちの巣だぜここ」
「滅ぼすのが通りってもんだ」
クパルは驚愕した
彼らは心底竜退治をしているつもりなのだ
「とにかくさ、あたしたちまだもう一匹残ってる竜を倒さなきゃだから」
「それと、その竜を治癒した魔物」
「あれもね」
レキィの目が怪しく輝く
「待って! ください タキ!カズマ!」
「...そう、呼ばれるのも久しぶりって感じかな」
「懐かしいな、四人で冒険したあのころ」
「お前の魔法で何度助けられたことか」
「アルラードさんに追いつこうと必死でもがいたっけ」
二人は思い出をかみしめるように空を見上げる
「さて、話は終わりだちびっこ」
「あいつらを倒さなきゃね」
そう言ってイアとリージーのもとへ向かおうとする二人の前にクパルは立ちふさがる
「どういう、つもり、かな?」
「行かせない! あの二人は 私の仲間!」
「その二人を傷つけるなら」
「かつての仲間のあなたたち でも」
「許さない!」
クパルは魔力を最大限に開放した
「本気、なの?」
「本気であたしたちの邪魔をするのね?」
「そうか、じゃぁクパル」
「お前も、敵だ」
手に双剣を構えるレキィ
手にショートソードを二振り構えるカルマ
本気でクパルを敵として認識しているようだった
そこにかつてのお気楽な二人の面影はない
クパルは必死に涙をこらえ、かつての仲間に杖を向ける
「もう あなたたちは 英雄なんかじゃない」
「私の 大事な友人でもない!」
「ただの 殺戮者になった あなたたちは」
「私が 討つ!」
「敵は、殺す」
「敵は、殺す」
同時に言い放つ二人に向かってクパルは自分の最大限の魔法を放った
「原初魔法 プロメテウス!」
かつて人に火をもたらした神の名を関した魔法
原初魔法と呼ばれる命を削り取る魔法だった
敵に当たれば焼き尽くすまで消えることがない
その魔法を一振りで
たった一振りで消し飛ばした
「あたしらに魔法が聞かないことくらいわかってるよね?」
そのスキルで次元すら切り裂く刃
どのような魔法だろうとその次元を超えることはできない
それが彼らのスキルの一つだった
クパルの顔は疲労に歪む
一度放つだけでふつうは動けなくなるのだから当然だろう
しかし、二人を守るため、クパルは立ち上がる
その三人の戦闘に割って入れるものなどあろうはずもない
皆一様にかたずをのんで見守るしかなかった
幾度となく魔人との戦いを経たイアはいまだリージーの治療に専念している
(クパル様、私が治療を終えるまで、どうにか持ちこたえて)
イアは焦った
このままでは、クパルが彼らに殺されるかもしれない
もし、蘇生不可能な傷だったら?
そう思うと気が気ではなかった
魔人は死んだ人間が大前提です
彼らも当然死んでいたからなったわけで
いつ死んだのか、どこで死んだのか
それは想像におまかせします
いつか書くかもしれないけど




