30 双子の魔人2
惨劇、としか言いようがなかった
街は燃え盛り、建物という建物は原形をとどめていなかった
まるで、ここだけ近代兵器で破壊しつくされたかのようだ
生存者は...
絶望的な状況の中、リージーは街に降り立った
街を駆けずり回り、生存者を探す
しかし、見つかるのはすでに動くことのない死体、死体
無数の死体を見つけるばかり
自分の家があった場所へと向かうリージー
兄妹は、父は、母は、無事だろうか
もう...
そんな絶望的な状況が頭をよぎる中、炎に包まれた我が家を見つけた
そこには、モズのはやにえのように柱に串刺された兄と両親の姿があった
すでにこと切れているのは明らかで、死体はイアの力でも蘇生不可能なほど損傷している
リージーは叫んだ
怒りと悲しみ、そして憎しみが沸き上がり、襲撃者を殺さんがため
リージーはその姿を戦闘形態へと変えた
優しく、争いごとの嫌いな兄が大好きだった
国のために働き、家族思いの父が大好きだった
家に帰るといつも温かい料理と笑顔で出迎えてくれる母が、大好きだった
竜人族の秘術、竜化
その姿を竜に近づけることで戦闘力を飛躍的に高めるが
寿命を縮める諸刃の剣
その体躯で空へと舞うリージー
敵を探して、殺す
頭の中は憎しみで満たされた
そこに、爆炎が上がる
その爆炎の中心に、二体の魔人の姿がある
女魔人は笑っていた
「アハハハハ!竜はみんな死んじゃえぇえ!!」
男魔人は叫んだ
「オラオラ!まだ生きてる竜はいないのか!!」
そこに、リージーが姿を現す
「!」
「カルマ、この竜、人間に化けきれてないよぉ」
「そうだな!レキィ、だが、今までのより滅ぼしがいがありそうだぜぇ?」
それぞれ剣を構える魔人
「俺たちは双刃のドラゴンスレイヤーだ」
「私たちは世界を守るため、竜を討ち滅ぼすの」
リージーは驚いた
「双刃のドラゴンスレイヤー、だって?」
「百年前の、英雄だと...」
「なんでだよ!なんで英雄がこんなことを!」
不思議そうな顔をするレキィ
「何言ってるの?あなたたちは人間を襲う悪竜、そうでしょ?」
「だから、私たちが再び召喚された」
その時突如、リージーの背中に衝撃が走った
貫く刃が腹から覗く
視界からカルマの姿が消えていた
「いつの、間に」
「お前で最後だ、邪悪な竜め」
竜化が解け、そのまま落下するリージー
地面に叩きつけられ、その目から光が失われていく
そこにタイミングよくイアたちが到着した
目の前に落ちたリージーを見つけ、すぐさまイアが治療をした
気を失ったものの、なんとか一命はとりとめた
イアは上空に構える二体の魔人を見つけた
「クパル様!あそこです!」
ややあってクパルも魔人たちを目視した
そのクパルの顔に驚愕が浮かぶ
「あ、あぁあ...」
「クパル様?」
「あれは...カズマと、タキ...」
「私の、かつての仲間」
「でも そんなわけ ない」
「だって 二人とも 自分の世界に帰った から」
彼らはかつて、双刃のドラゴンスレイヤーと呼ばれた英雄
クパル、アルラードとともに邪竜の大群を討ち果たした異世界の戦士だった
やっと出せた
この二人出すのは最後の放って決めてました




