魔人 桜の章
~マーマン族の国オーリエ~
古くからの伝統を守るため、外界との接触を拒絶し
鎖国をしている国オーリエ
そこの小さな村があった
その小さな村は国の中でもさらに閉塞的な村だった
村長「やはり、隔離するしかなかろう」
「このままでは村が全滅しかねん」
村では、病にかかってしまった少女をどうするかについて話し合われていた
この村では薬や治療は神の教えに背くとされ
病になったものは治るまで寝かせるか、隔離するという処置が行われていた
隔離されたものを待つのは、寂しく孤独な死、だけだ
村人「では、丘の小屋へ連れて行きましょう」
少女の家へと村人たちがやってくる
村長「やはり隔離で決まったぞ」
「ラーファは連れていく」
母「覚悟は、できております」
「私も、夫も...」
父「その魂はわれらが神に捧げられ、永遠に安息が続くことでしょう」
村長と村人がラーファの部屋へ入る
ラーファ「村長...さん?」
「ゴホッ..ラーファ、死んじゃう、の?」
村長「いいや、ラーファ」
「お前は神様のところへ行くんだ」
「そこに行けば苦しくなくなるぞ」
ラーファ「ラーファ、知ってるよ」
「それって、死ぬってこと..でしょ?」
ゴホゴホとせき込みながら話すラーファ
ラーファ「やだよ、ラーファ、まだ死にたく、ないよぉ」
その手足はただれ、腐り始めている
大陸の治療術があればまだ治る進行具合だ
それでも、彼らはそれをしない
ラーファの訴えむなしく村人は動けないラーファを抱えて隔離小屋へと連れて行った
そこのベッドへと寝かせられるラーファ
村人は祈りをささげ、ラーファが戻ってこないよう手足を括り付けて小屋を出た
ラーファ「やだ、助けて、お父さん!おかあさん!」
母「聞き分けのないことを言わないで」
「あなたは神様が連れて行ってくれるの」
「それはこの上なく幸福なことなのよ」
父「そうだぞ、ラーファ」
「神様の国は美しくて、幸せしかないんだ」
「よかったな」
微笑むその顔に悲しむ様子は微塵もなかった
それを見てラーファは絶望した
村人も両親もいなくなり一人残されるラーファ
ラーファ「死にたく、ないよぉ」
「やだよぉ」
動かしにくい手足を必死に動かし、もがき
手足から肉が剥がれ落ちるのもわからないほどの絶望と悲しみの中
ラーファは必死にベッドを抜け出した
血と汗にまみれ、ボロボロになりながら
腐り落ちた手足からはどろどろと黒い血が流れ落ちる
ようやく扉にたどり着き、開けようとした
すでに骨がむき出しになった手を取っ手にかける
ラーファ「やった、外に出られる」
すでに痛覚すらマヒしているのか、腕の骨をかけ必死に取っ手を引く
しかし、カギが外からかけられていたため、出ることはできなかった
ラーファ「あぁ、あ、あああ」
「もう、動けない」
「ゴホッ、ゴホッ」
「ラーファ、ここで、死んじゃうんだ」
「寂しいよぉ、怖いよぉ」
「もっと、生きた...かった...よ...ぉ」
そのままラーファは静かに息を引き取った
気が付くと、ラーファは見知らぬ空間にいた
周りを見ると何人かの知らない人がいる
メリア「ここは、どこ?」
「私は、盗賊に殺されて...」
・・・「どこなんだ?」
シュオウ「わからない、俺は死んだはず」
「ここは死後の世界なのか?」
ラーファ「何なの、ラーファも、病気で死んだ、のに」
戸惑っていると、そこに神と名乗る男の声が響いた
男は蘇らせてくれる上に力をくれるという
ラーファは喜んだ
病も治るなら、両親も喜んで自分を出迎えてくれると思った
新しい名前をくれると神は言っている
自分のもとの名前を忘れるのは少し嫌だったが
両親とまた暮らせるならとラーファは受け入れた
神?「君は、ラフィナ」
「次は、愛をたくさんもらえるといいね」
優しいその声はラフィナに安堵を与えた
スーッと意識を失い
目を覚ますと、隔離小屋の前で倒れていた
手足は、甲殻に覆われていた
なるべく悲惨な感じにしてます
薄幸の少女には不思議な魅力が生まれると思ってます




