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29 死者の軍5

 竜が牙をむき出しにして襲ってくる

巨剣を軽々操ると牙ごと竜の顔面を薙いだ

牙は叩き折れ、顎があらぬ方向へ曲がる

しかしそれもすぐに再生され再び襲ってきた


イア「キリがない」

  「ティーシャさん!」


ティーシャ「わかっている」

     「セアァアア!」


 斧を振り上げラフィナに切りかかった

ラフィナの脳天にまともに当たった

ラフィナは脳天に斧が刺さりながらも笑っていた

その姿が揺らぎ消えた


ラフィナ「はずれ~」

    「お姉さんの負けだよ~」


 いつの間にかラフィナの腕がティーシャの腹を貫いていた


ティーシャ「馬鹿な...いつの間..に」


 そのまま倒れるティーシャ


マーサ「お母さん!」


イア「ティーシャさん!」


 マーサがティーシャに駆け寄る


ティーシャ「マーサ、逃げろ」

     「お前ではかなわん」


マーサ「やだ!お母さんを置いてなんていけない!!」

   「今度は...私がお母さんを守る!」


ティーシャ「よせ、やめろマーサ!」


 ラフィナに対峙するマーサ

マーサは武器を持たない

そのスキルだけで戦うからだ


マーサ「いきます!」


 マーサは手をラフィナに向けた


マーサ「ハッ!」


 ラフィナの腕に違和感が生まれる


ラフィナ「え?なに?」


 その瞬間ラフィナの腕が飛んだ


 くるくると回転しながら地面に落ちる腕

それを見てラフィナは叫んだ


ラフィナ「あああああああ!!」

    「ラフィナの!ラフィナの腕がァッ!」


 おびただしい出血がラフィナを真っ赤に染める


マーサ「魔人の血でも赤いのね...」

   「あなたは許しません」

   「よくも、お母さんを!」


 それを聞いてラフィナは笑った


ラフィナ「フフ、愛されてるのね」

    「羨ましい」


マーサ「なに?」


ラフィナ「羨ましいわぁ」

    「ラフィナ、誰にも愛されたことなかった」

    「病気になって、体中が溶けていく私を」

    「おとうさんも、お母さんも、村のみんなも捨てた!」

    「苦しかった...」

    「だから!みんなアンデッドにしてあげたの!」

    「今はみんな私を愛してくれる!」

    「みんなが私をまもってくれるの!」


 ラフィナは自分の腕を拾い上げると切断面に引っ付けた

何事もなかったかのように当たり前に腕が元通りになる


マーサ「そんな...」


ラフィナ「だから」

    「あなたたちもみんな」

    「ラフィナの家族になってよ」


 ニヤァっと笑うラフィナにマーサは恐怖した

絶望するマーサにゆっくりと近寄りマーサの肩に手を置く


ラフィナ「あなたはラフィナの腕を切ったから」

    「特別に手足をもいで飼ってあげる」

    「死なない程度にかわいがってあげるね」


ラフィナはマーサの腕をつかんだ





―助けて―


 誰かの声がアルマの頭に響く


―ラフィナ、こんなことしたくない―

―誰か、誰か私を、止めて!―


 その声にこたえるかのようにアルマはラフィナとマーサの間に割って入った


イア「アルマ!」

  「どうしてここに」


竜を押さえつつイアはアルマがいることに驚いた


イア「アルマ!危ないから下がって!」


アルマ「大丈夫だよお姉ちゃん!」

   「もう、守られてるだけの私じゃない!」

   「この子を、ラフィナを」

   「私が助ける!」


イア「助ける?」


アルマ「この子は、叫んでる」

   「こんなことやりたくないって」

   「止めてって」


イアはラフィナを見るとその目から涙が流れていた


(そうか、この子は、ディアンナと同じなんだ)

(だとしたら、操られて...)


イア「アルマ、お願い」

  「その子を助けてあげて!」


アルマ「うん!」


 アルマは自分を宙に浮かべた

そして、地上のアンデッドたちに向けると

一気につぶした


アンデッドと竜は一体残らず潰れ切り丸められた


ラフィナ「よくも!よくもラフィナのかぞくを!」

    「許さない許さない!」


    「許さない!!」


 アルマとラフィナ

年の近いまだ子供の二人はお互いの本意なく戦うこととなった


これをやりたかったのでアルマの冒険を書いてました

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