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3 洞窟の吸生魔鬼その2

 暫く洞窟を進むと分かれ道があった

右は上へ、左は下へと伸びているみたいだ


(上へ行けば地上へ出るかも)

(地上ならこんな魔物の出る洞窟より少しはいいはず)


 迷わず右を選ぶ

しばらく行くと、少し開けた場所に出た

辺りをうかがっていると、上の方から「キキキッ」と何かの鳴き声がした

見上げると、30匹ほどの大きなコウモリの群れがいた


「ッヒ!」


 突如として襲い掛かってきたその大群に思わず悲鳴を上げる


(戦い方なんて知らない、とにかく逃げなきゃ)


 逃げようとしたイアの先に回り込むコウモリ

相手の方がスピードは上のようだった


(取り敢えず身を守らなきゃ)


 そう思ったとき、体の黒皮が動き始めた

左手から動いた黒皮は盾のような形になった


(盾になった?意思で動かせるってこういうことなの?)

(でもこれで身を守れるかも)

(そうだ、解析者を!)


 イアは解析者を発動させ、コウモリを見た

種族名ラビットバット

確かに、うさぎのような顔と耳を持っている 


イアは盾を構え、襲ってくるコウモリの攻撃を防いだ

するとコウモリが当たった盾からまた黒い霧が出始めた

霧はコウモリ全体に覆いかぶさるように広がっていった

ラビットバットの体力が少しずつ減っていった


(さっきの魔物より減りが遅い?)


-敵が複数のため、霧を分散させています-

と、解析者が答えてくれた


 霧から何体かのラビットバットが逃げ出すのが見えたが

逃げ出せないものは霧に絡まるようにもがいていた

ほぼすべてのコウモリが息絶え、霧が戻ってきた


-経験値が一定に達したのでレベルが上がりました-

-スキル、スピードアップを獲得しました-

-スキル、超音波振動を獲得しました-


(また奪った?でも、スキルなんて見ている場合じゃない)

(今はとにかく安全なところへいかなきゃ)


 そこからは分かれ道は上へと続く道を行き

魔物を倒しながら少しずつ登っていった


倒した魔物


アーマースパイダー ✕1

フライスコーピオン ✕3

ラット       ✕5

スカルヘッドスネーク✕1

 

獲得スキル


 硬質化、粘糸、糸縛、毒針、危機探知、ピット器官



 道中で少しわかったことがある

相手の命を奪う霧、これは、半径3メートルまでしか発動しないようだ

つまり、半径3メートル以内に生物がいれば勝手に発動してしまうのだ

先ほど倒したラットのうち2匹とスカルヘッドスネークは

寝ているところを霧が襲った

そう、敵意のない相手だろうと容赦なくである


数時間ほど経ったころ、ひときわ明るい光が前方に見えてきた


(あれは、出口?)


少し早足で駆ける

まばゆい光が体を照らし、出口へとたどり着いた


(よかった、外に出れ・・)

その途端体に激痛が走った

体は陽の光が当たったところからひび割れ、崩れそうになっていた


(な、なんで!?)


慌てて中へ戻った


「ハァ、ハァ・・・」

(解析者、これはいったい?)


-種族名吸生魔鬼は陽の光を弱点としています-

-また、弱点属性は聖属性です-


(そんな、これじゃぁ外に出れない!)

(このまま一生この洞窟で暮らすしかないの?)


外界に出られる喜びを絶望に変えられ、イアは悲しそうに洞窟の奥へと帰った


 今度は来た時の逆を進み、奥へ奥へと潜っていった


 目覚めた場所まで戻ってくると、地底湖の水で先程陽に焼かれた箇所を洗った

冷たい水が心地よかった

ひび割れた黒皮は段々ともとに戻っていた

ふとひび割れたところを見てみると、地肌と思われる白い肌が見えた

どうやらこの黒皮は体の一部だが、完全な皮膚の一部ではないようだ


(もしかして、操作すれば目立たないくらいに小さくできるのかな?)


 イアは黒皮を動かしてみた

しかし、様々な形は形成できるものの、地肌が見えるほどには動かせなかった


「はぁ…」


力なくため息を付き、奥へと進んでいった


 暫く進むとまた開けた場所に出た

そこには、いくらかの人影があった


(人?どうしよう、こんな体じゃ魔物として倒されるかも)

(それに、もし話せたとしても、言葉が通じないかもしれない)


 イアがオロオロしていると、人影はこちらに気づいたようだった

振り向いた人影のその顔は、人ではなかった


(なに?あれは?人、じゃないの?)


 イアは解析者を発動させた


種族名:ゴブリン

職  :ゴブリンリーダー


職  :ゴブリンウォーリアー×3

  

職  :ゴブリンアーチャー×2



職  :ゴブリンソーサラー×2


 ゴブリンたちはこちらに驚いた様子だった 

すると、ゴブリンリーダーというひときわ大きなゴブリンが喋った


「ナンダ?オマエハ」


 話せることに驚いたが、この世界でも言葉が通じることに安堵した


(話せるのなら、襲ってこないかもしれない)


イアは声を発しようとした


「アァ...ウ、ウゥ…」


 精一杯話そうとするが、口に黒皮がまとわりつき、話せなかった

意思を伝えようと近づいたその時

またしても霧が反応した

霧は近くにいたゴブリンウォーリアーにまとわりつき、殺してしまった


 イアは後ずさり、霧の射程範囲外まで引こうとしたが

ゴブリンリーダーの「カカレ!」という怒号により

一斉にゴブリンたちが襲い掛かってきた


 どの攻撃も黒皮に阻まれ本体に届くことはなかった

飛びかかってきたゴブリンたちは全滅し、ファイアボールを打ち出したゴブリンは

逆に黒皮に弾き返され自らを焼く結果となった

それを見たゴブリンリーダーは叫んだ


「イッタンヒクゾ!キングにホウコクセネバ!」


火傷を負ったゴブリンソーサラーを抱え、ゴブリンたちは逃げていった


-スキル、飛び斬りを獲得しました-


(そんな、殺すつもりなんてなかったのに・・・)


涙ぐみながらイアはゴブリンたちとは別の方向へと向かった


 暫く進むと、少し広い袋小路へと行き着いた

柔らかそうな草も生え、地下水のたまり場もあった


(ここなら、住処になるかも)  

(今日は、いろいろあってつかれちゃった・・・)

(自殺して、女神に会って、転生して・・・)


柔らかい草に座り込むと、草は一気に枯れてしまった


(この体は、奪うことしかできないのね...)


 悲しみが一気に溢れ出してきたイアは

尖った岩を見つけるとそれに向かって倒れ込んだ


今回獲得したスキルの詳細は次の話をクリックすると見れるようになってます


次は少女に会うまでの話です


鯖折りは熱い抱擁だと思ってます


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