10 魔人の一角3
ギルドで次のクエストをクパルと探していると
突然ギルドの扉が開いた
伝令「支部長はいらっしゃいますか?!」
受付「緊急事態のようですね、すぐ取り次ぎます」
しばらくしてセリス支部長が現れた
セリス「どうしたんですか?そんなに慌てて」
伝令「ピルカ付近の森で魔人が発見されました!」
「現在ピルカの兵や冒険者たちが食い止めていますが間もなく街へ到達しそうです!」
セリス「なんですって?!」
イアは突然過ぎて何も言えなかった
セリス「クパル様!」
クパル「急いで、救援を」
「私達も、向かう」
「セリス、出来る限り、兵と、冒険者を、集めて」
「イア、一緒に、きて」
そう言われてイアはクパルの跡をついて外に出た
しばらくすると、600名ほどの兵と冒険者が揃った
セリス「申し訳ありませんクパル様、今この街にいるのはこれだけです」
「なにぶん小さい町なので」
クパル「うん、大丈夫、急ごう」
「私の、近くに集まって」
「飛ぶ、よ」
クパルはどこからかいつの間にか取り出した大杖を振り上げた
不思議な空間が全員を覆う
クパル「特殊スキル、空間転送!」
杖を地面に叩きつけると、空間は収縮、全員がその場から消えた
~商業の街ピルカ 入口前~
一瞬にしてピルカまで戻ってきた
特殊スキルと呼ばれる祝福されたスキル
神から与えられるスキルだと言われている
すでに街に入られたのか、入り口はめちゃくちゃになっていた
兵士や冒険者の死体がそこらじゅうにっ転がっている
どの死体も大きな穴があいていた
まるで何か砲弾にあたったかのような丸い穴が
突如、冒険者の一人の腹を何かが貫いた
ドリル状の何かが回転している
それがつながっている先
そこに青い肌の女がいた
クパル「ライトニングシールド!」
光のシールドが全員に展開された
セリス「報告にない、魔人?!」
クパル「危険、あいつ、すごく、強い」
女はこちらに近づいてくる
青い女「ごきげんよう、皆さん」
「私はメロルビア」
「神に力と名を頂いた将が一角」
「神は言ったわ、この世界で好きにしていいって」
「だからね、私を辱めて殺した男どもを皆殺しにすることにしたの」
メロルビアは怒りに満ちていた
目は赤く輝き、髪の毛のような触手は全て尖り、こちらに向いていた
メロルビア「女の子たちは逃してあげる」
「男は..絶滅しちゃいなさい」
メロルビアは触手を振り上げ向かってきた
戦士たちは構える
剣や槍、魔法で応戦するも、次々と光の盾ごと砕かれ、倒れていった
メロルビアは言っていたとおり
攻撃してこようが女性には手を出していないようだった
メロルビア「ハハハハハ!どうしたの?ぜ~んぜん痛くない」
「恐れ叫んで死になさい!」
クパルは必死に応戦していた
しかし、触手のスピードについていけない
クパル「っく、この強さ、魔獣以上、かも」
セリス「これは、まずいです、応援を呼ばなければ!」
セシルは伝達魔法を展開した
繋ぐはアルラードの冒険者ギルド本部、マスターへの直通だった
セリス「マスター、聞こえますか?」
「トカリサのセリスです!」
マスター「セリスか、どうした!」
セリス「魔人です!ピルカの街に魔人が出現し、現在交戦中です!」
「戦況は劣勢!クパル様も戦ってくれてますが、押されています!」
マスター「クパル様か、繋げれるか?!」
セリス「はい!」
マスター「クパル様!クパル様!」
クパル「アルド、ね、今から、私がそっちに、行く」
「兵を、集めて、おいて」
マスター「了解しました!」
通信が切れるやいなや、クパルは先程のスキルで消えた
セリス「クパル様が応援を連れてきてくださる!」
「それまで持ちこたえて!」
とはいったものの、次々と兵は殺られていった
惨状を目の当たりにし、イアは震えていた
(たぶん、あの人も同じだ)
(私と同じように、神に魔人にされた)
(でも...)
気づくとイアは自分でも意図せずメロルビアの前に立ちはだかった
メロルビア「あら、あなたは何かしら」
「女の子には恨みはないわ」
「下がっていなさい」
怒りと優しさが混ざったような声
メロルビアがいかに男に怒りを持っているかが伝わってきた
メロルビア「どきなさい!」
イア「どかない...」
手を広げ、後ろの兵たちを守るように前に出る
セリス「あぶない!さがりなさい!」
メロルビア「どかないなら、貴方も死ぬわよ?」
イア「死なせない」
「皆、死なせない!」
一瞬悲しそうな顔になったメロルビアの触手がイアに迫る
ガキン!
何かがぶつかる音がした
メロルビア「なに...これ」
メロルビアの触手をイアの白皮が止めていた
驚いたメロルビアは後ろへとんだ
メロルビア「あなた..私と、同類!?」
イアは頷く
メロルビア「だったらなぜ!なぜ人間なんかを守るの!?」
イア「私は、この世界に生まれたとき」
「人を殺してしまった」
「何人も、何人も」
「でも、私にも守りたいものができた」
「都合のいい話かもしれないけど」
「この罪を背負って、私は人を守ると決めたの!」
イアの白皮が光る
メロルビアは触手を全て叩き込んできた
白皮は様々な武器の形を取り、すべてを受け止めた
メロルビア「っく!こんなところで!終われないのよ!!」
触手はスピードを早めて襲ってくる
しかし、まったくイアに届かなかった
決着は一瞬だった
白皮の武器の一つが目にも留まらぬ速さでメロルビアの体を貫いた
そこにクパル率いる冒険者達が戻ってくる
名も知らぬ少女によって魔人が倒されていることに一同は驚愕した
メロルビア「ぐっ!」
「そ、そんな」
吐血するメロルビア、血は赤かった
メロルビア「グフッ」
「う、そでしょ、なんで、知らない、同胞が...」
イアはゆっくりと近づいた
メロルビア「殺しなさい」
「未練なんてない、もともと死んでるんですもの」
イアは聞いた
イア「貴方はさっき、同胞と言ったけど」
「まだ他にもいるの?」
メロルビア「なぜ貴方があの場にいなかったのかはわからないけど」
「将は後六人いるはずよ」
「神は私達を生き返らせ、力を与えた」
「力は自由に使っていいと言ってた」
イア「その神って、女の子のような?」
メロルビア「...女の子?」
「違う、姿は、見えなかった」
「でも、声は、男、だと思う」
メロルビアの体はだんだんと朽ちてきていた
メロルビア「もう、消えちゃうみたい」
「ねぇ...貴方の手で..殺して」
「同胞に殺られるなら..悪く...な、い」
命の灯火はすでに消えかかっていた
イアは霧でメロルビアを覆い、喰らった
-スキル、青の清浄を獲得しました-
イアの周りを兵や冒険者が取り囲む
セリス「まさか、クパル様の弟子が、人に化けていた魔人だったとは」
「拘束しなさい、魔人は、危険すぎる」
イアはおとなしく捕まった
クパル「とりあえず、私と、セリス、アルドで、冒険者ギルドに、戻る」
マスター「カトラ、ここの指揮を頼む」
「それと、一般兵や冒険者の生き残りとともに復興を急げ」
「被害状況は後ほど報告してくれ」
カトラ「はい!」
カトラと呼ばれた青年は敬礼した
クパル、イア、セリス、マスターはトカリサの街、ギルドの個室へと転送された
(アルマ、ごめんね)
(私は戻れないと思う、ごめんね)
イアはアルマを思い、涙を浮かべた
~ピルカの街 路地裏~
一人の少女が今の惨劇を見ていた
少女「見つけた見つけた見つけた見つけた見つけた見つけた」
「フフフ、見~つけた」
「あんなに姿が変わってたなんて」
「アハハハハハハハハハハ!!」
少女の目には狂気があった
神様っていっぱいいたほうがたのしくていいですよね




