1 自ら命を断つ前の話
10歳の頃、両親が事故で死んだ
「ね~知ってる?あのこ両親が事故で死んじゃったんだって」
「あー、運転してた車が居眠り運転のトラックと正面衝突して即死だったってやつね」
「ニュースでやってたね」
「他に親戚もいないから施設暮らしになるらしいよ」
みんなが私の噂をしている
優しかった両親はもういない
祖父母も親戚もいない私は天涯孤独となってしまった
私は施設に入れられたが、施設の職員は私を含めた子供を虐待していた
それでも、生きるために我慢した
数年が経ち、14歳になった頃
施設は施設ぐるみで虐待をしていたことが世間に知られ、解体された
私は別の施設へ移ることとなった
そこで、私を引き取りたいという老婆が現れた
夫に先立たれ、数年前に娘夫婦と孫を火事で亡くし
私と同じに孤独だった彼女は
寂しさからもう一度子供に触れたいと思い
何度かこの施設を訪れていた中
孫と年も近く、どことなく似ていた私を引き取ったのだ
彼女の名前はトキコさんといった
トキコさんとの生活は夢のようで
彼女は私のことを本当の孫のようにかわいがってくれた
そして、私もそんなトキコさんをおばあちゃんのように慕った
高校生になった頃
トキコさんを失った
家に強盗が押し入り、トキコさんを刺し、私の顔を切りつけて逃げた
トキコさんと私の左目を奪った犯人は捕まっていない
また、私は、一人になった
顔に大きくついた傷は周りの人間から気味悪がられた
同級生たちも私を避ける
(なぜ私ばかりこんな目に)
(私に近づく人は皆不幸になってる)
でも、私はこれからも生きていかなければならない
トキコさんや死んだ家族の分まで
しかし、近づくと必ず何か悪いことが起こるという事象のためか
私へ近づくものは誰一人いなくなった
段々と心を蝕む死にたいという欲求に
私は抗えなくなった
そして、自らの手で、終わらせた・・・
あとで書いても良かったんですけど
人格形成の前フリみたいな感じで読んで下さい
次は転生までの話です
チョコミントアイスも好きです