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5 復讐者、そして開花

 アルマといつものように寝ていたときのことだ

突如として冒険者らしき人間が30人ほど部屋になだれ込んできた

その先頭に、見たことのある冒険者がいた

ここに来て最初に出会った人間

アイダだった


アイダ「ひさしぶりね、殺しに来たわよ」


 アイダの目は狂気に満ちていた

いくら自動で防御と攻撃をしてくれるスキルがあるからといって

勝てるかどうかわからなかった


 イアはそっとアルマを岩陰に隠し、猛突で迎え撃った

霧の射程範囲内にもう少しで入る

というところで肩に鋭い痛みが走った

焼けるような痛み

肩を見ると矢が貫いていた


アイダ「やっぱり!聖属性が効いた!」


すかさず次の矢が足に突き刺さる


イア「グッガァア!!」


あまりの痛みに悶える


アイダ「遠くから攻撃しなさい!」

   「近づけば死ぬわよ」


アイダは一緒に来ていた冒険者たちに言った


 次々と飛んでくる矢が突き刺さり、黒皮を破壊していく

痛みで逃げることもままならなかった

数十本もの矢が体中に突き刺さっている

もはや体力も残り僅かだった

自ら命をたったとき

あの時のような感覚が、意識が消えていく感覚が押し寄せてくる


アイダ「とどめよ!」


アイダの杖から聖魔法をまとった炎が大きな槍の姿となって放たれた


(これで、また死んじゃうのか)


死を覚悟した

一度死んだ身だ

案外怖くないな


 炎の槍が当たる寸前

何かが飛び出した

アルマだった


無情にも突き刺さる槍

目の前に倒れ込むアルマ


アイダ「くっ、何でこんなところに子供が!」


(どう...して...)


アルマに擦り寄るイア


アルマ「うっ...クフッ…」


 吐血しながらもゆっくり微笑むアルマ


アルマ「よかっ…た……間に合って…」


 その胸には魔法の槍であいた穴が見える

明らかに致命傷だった


アルマの目からだんだんと光が消えていく


横たわるアルマの小さく華奢な体をそっと抱きしめる


明らかに魂の抜けたその体はもう動かない


虚ろなその目はもう何も映さない


小さなその唇は、他愛のない話を、語ることはなくなった・・・


 体の、心の奥底から、この体になってから初めての感情が湧いた

涙が溢れ出し、少女を失った悲しさと少女を思う愛しさが体を駆け巡る


(そうだったのか、私は、この少女を・・・守りたかったんだ)


そう思ったその時

無機質な声が聞こえた


-スキル成長条件を満たしました-


-スキル、「命を喰らうもの」は「命を操作するもの」にランクアップ可能となりました-


-ランクアップしますか?

     Yes   or   No -


(Y…es?)


-...ランクアップによりスキル、「命を喰らうもの」は「命を操作するもの」にランクアップ

 しました-


-スキル、「愛神の魔加護皮」は自動で「愛神の加護」にランクアップしました-


-スットクされた生命エネルギーにより生命の蘇生が可能となりました-


-蘇生しますか?

    Yes   or   No-


(Yes…)


 体から出た霧が光に変わった

光があたりを包み込む




 気づくと、見知らぬ森にいた


(アルマ!)


 すぐ傍らにアルマがいた

スースーと寝息を立てている


(生きて..る?)


あたりを見渡すと、陽光差し込むきれいな森だった

すぐ近くに小さな池がある

イアは池に向かった

覗き込むと、以前の姿はそこにはなかった


 黒皮はなくなり、顔の左半分に白磁器のように白い仮面のようなものがついている

顔の右半分を見ると、透き通るような白い肌の生前の顔がそこにあった

黒皮がなくなり裸なのはいささか不便なので

どうにか黒皮を出せないかと動かしてみると

顔の仮面のようなものが黒皮と同じように動いた

どうやら黒皮はこの仮面になったようだった

しかも、動きは以前よりもスムーズに、自在に動いた

取り敢えずその白皮を使って簡易の服のようなものを纏った

まるでボディスーツのようだが、何もないよりはマシだった


 そして、あることに気づいた

口が動かせるようになっていたのだ

試しに発音をしてみる


「あ…い…う…え…お…」


 少しぎこちないが、話せた

しばらく発声していると、後ろから声がした


アルマ「お姉ちゃん、だれ?」


少し不安そうなアルマが立っていた


イア「わ、たし、は…イア」

  「あな、たが、クロと呼んで、いた、魔物」


それを聞いたアルマは目に涙を浮かべ、抱きついた


アルマ「よかった!生きててよかった!」


 アルマをそっと抱きしめながら

イアは、この子をずっと守ろうと決めた


やっと外に出ました


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