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終わったなら~外伝~  作者: 朝倉新五郎
6/8

外伝第6話 覚悟

 この世界のしきたりなので仕方がなかったが、本当のところオサムはリムルを正室に迎えたかった。

 しかしフルグリフ伯爵に属する騎士家であり、貴族に近いと言えども侍女を貴族にする訳にはいかない。

 そこには厳然とした身分差が存在するのである。


 オサムは悩んでいた。

 「世界の決まり事を破る訳にはいかないけど、それ以外なら自分の意志でやれるはず」

 そう呟いた。


 オサムは正室を娶らないことにした。

 いづれ戦場働きで上級貴族になれるだろう、その時に爵位を与えて正室にしてしまえばいい。


 それと


 誰も持っていないような指輪を作って渡そう。

 噂によるとシルバードラゴンやゴールドドラゴンの牙や角、鱗で作られた物はほぼ存在しない。

 一国の王ですら持って居ないものだという。


 世界で最高の女性には世界で最高の指輪が似合う。


 オサムは決意を固め、ドラゴンを狩ることにした。

 おそらく今までの戦いの中でもっとも苦しい戦いになるだろう。

 死ぬかもしれない。


 しかしそれは考えていなかった。


 ブラックドラゴンと戦った時にもその強さは桁外れだった。

 シルバードラゴンやゴールドドラゴンでも上手くやれば倒せる自信は持っていた。


 回復しながら降りるのでおそらく1~2週間はかかるだろう。

 それでも普通の物では満足できない。

 たとえリムルがわからなくとも、その細い指を飾るのは最高の指輪でなければならない。


 オサムは不思議と恐怖は感じていなかった。

 死んでも自分の世界に戻るだけ、その後換金所のリターンポイントに戻る。

 しかし、その一回だけだ。その次は永遠にダンジョンと自分の世界を行き来するだけになる。


 対ドラゴン用の武器も手に入れた。

 それに、ダンジョンを進むにつれ、レベルも上がるはずである。

 慎重に進めば必ず倒せる。



  オサムは部屋に侍るリムルに向かって

 「ちょっと欲しいものがあるんだけど、また1週間位冒険してくるよ」と塔へ行くことに決めた。


 30階層程度なら苦労は殆ど無い。

 回復薬も必要はないが、40、50、60、と進めば強敵に出会い続ける

 そうなれば回復薬が尽きてしまうだろう、それは避けねばならない。


 オサムはHP用とMP用のポーションやハイポーションをかなりの数揃えた。

 だが、それで足りるかどうかはわからない。

 オサムはレベルを上げながら戦うことにした。

 無理だと感じたら戻る、そしてまた行く。

 

 騎士の次のロードナイトになれれば・・・

 必ず取ってくる。


 リムルを世界一の花嫁にするため。バカだと言われようとかまわない。



 オサムは塔へ向かった。

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