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プロローグ

昔々。遥か昔。されど今。そして未来。



数多の願いを受けて勇者バムが倒れた時代。その傍らに立った女騎士レルドは

赤子を胸に縛り草原を越え、森の中を駆け抜けていた。

長い長い髪を靡かせて走る姿は日の光を浴びて幾つもの白色に輝く粒を振り撒き

散らすかの様に揺れていた。

本来騎士には長い髪は戦闘において無駄としか言えないものであり、下手に捕ま

れば弱点にもなりうる。それでも肩より長い髪が必要だった理由は彼女が王女の

護衛という立場にある。所謂、影武者の役目を兼ねている事に他ならない。

そんな彼女が今、役目を投げ捨てたかの様に走り去るのは王女自身の願いとも言

うべき最後の指令を受けての事だった。

魔王ドレナスに騎士団長バムが敗れ400年続いた王国の滅亡が色濃い状況の中

宝剣を手に王女は立った。その陰で人知れずレルドは命を受けた。

そして1つの王国は終わりを告げた。国という形では人類最後の王国が魔王の手

に落ちた事で大陸全土の平定はなされた。

この時ドレナス帝国の建国と、その戦いで貢献した3将に貴族の地位を与え

帝都の西、南、東の国を統治する事を命じた。

氷で覆われた北の大地。そこはドレナスにとっても死の世界であった為、統治の

意識から外れていた。


それ故に、生き延びた人類は北へと向かった。


そこで彼らは奇跡を目にする。宝剣アウレウスを中心に楽園が構築されていた。

まるでブリザードが荒れ狂う中央に台風の目の様な穏やかな空間があった。

北の最果てにドーム状に広がる場所には氷すらも侵入を拒む様に目に見えない

風の加護が広がっていた。風の加護で守られた小鳥が種子を咥えてドームへと

運び、芽吹いた種子は瞬く間に育ち森を形成しドームは日の光を浴びて内面の

温度を上げていく、熱は外壁の氷を溶かし内面へと流れ込み川となる。


そして中央の宝剣アウレウスを包む様に湖を形成してその姿を隠していった。


人々がたどり着いた時点で、そこは楽園へと変わっていた。不思議な目に見え

ない壁を人は素通りする事が出来た。人と獣人も亜人も魔族以外の者には壁は

壁たるものではなく保護対象として受け入れた。

その湖の傍らで女騎士レルドは王女に託された本物の宝剣が沈んだ水面を見つ

めながら愛おしく赤子を抱きほほ笑んだ。

いつしか8つの種族が集まり、ドームは8つに分等され扇型の1つに人は住み

始めてから1000年の時が過ぎ様としていた。

湖の中央には水上都市が作られ8つの種族の長が集い議会を持って統治され、

中央都市には様々な種族との交易を行う場所としても大いに繁栄していった。

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