赤、白、変色
赤い屋根の白い壁 ふたりの人影住んでいた
家の中には白い山 砂糖のように召し上がれ
「どうしてこんな事をしたの?」
ほらごらん、真っ白な壁が真っ赤に塗られてしまって。壁紙を取り替えても下まで染みているからまた赤く染まるでしょう、ああ汚い。
「だってあいつらが言うんだ、ぼくのこと変だって」
ぼくはいたって普通だというのにさ。
「それは仕方ない、だって彼らは変だもの。変な彼らから見た私達は変に見えることでしょう、だって私達は普通なのだから。ああなんて事!」
あなたの白い服にも汚い赤がついてしまったわ。きっと洗ってもとれない。
「構やしないさ。ぼくは赤色が好きなんだからね」
「私だって赤は好きなの、ただ新鮮じゃないとね。だってそれはやがて赤じゃなくなるわ」
「でもきみはあの白が好きだろう、新鮮じゃないのに」
しかも冷たいし。あんなのにずっと触っていたら指先が冷えてしまうよ。
「あれはいいの!新鮮じゃないかわりに変わったりしないもの」
ときどき砕けるけれどね。
ああそうだ、すっかり忘れてた。こいつらの片付けをしないといけない。
床に壁に天井に飛び散った細かいものは置いといて、この大きい塊を何とかしなくちゃ。
「肉を剥がしたらこちらにちょうだい」
「骨はきみの、肉や臓物は細かく砕いて塗りこめよう」
「すぐに茶色になるのでしょう?」
「そうなったら、ほら、またやってくる奴らを塗りこめればいい」
人間なんていくらでもわいてくるんだから。
赤い屋根の赤い壁 ふたりの人影住んでいた
家の中には白い山 まだまだたっぷり召し上がれ




