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STAGE2:誕生!!

オンラインゲーム体験者の方には、少し不快な表現があるかもしれません。ご了承下さい。

 癒那はお風呂から上がり髪を乾かしてから二階の自室に戻った。


『ダウンロードが終了しました』


 その文字に、胸が一拍強く打った。


(なんで緊張してるんだろ)


自問自答しながらコンピューターの前についた。

 ダウンロードしたゲームを立ち上げると画面いっぱいが水色になった。


『EARTH FANTASY ONLINE』

の文字が一文字づつ、左から表示されていく。

始まりに相応しい行進曲のようなオープニング。


 文字が消えるとIDとパスワードを入力する画面が中央にでてきた。

入力を済ませると『ログイン』のボタンを押した。


『キャラクター作成します』そこでまずはキャラクターに付ける名前を入力する。


「名前…カッコイイのがいいなぁ…刹那…」


『確定』


「うわっ…」


名前の重複。

何千人、何万人がプレイするこの世界では、穴をぬう方が大変かもしれない。

癒那は若干イライラしながら何度も名前を入力した。


何回目か数えるのを辞めたとき…やっと名前が決まった。


「滝夜…か…男みたいだな」


最後は投げやりに入れた名前が承認された。

そのまま性別を選ぶ。癒那は当然女を選んだ。

 次に自分の使うキャラクターの職業を選ぶ。


画面に並ぶキャラクター。それぞれが自分の職業にあった装備をつけ、ポーズをとったセピア色の写真たち。


治癒能力・治癒魔法に長けた白魔導師。

攻撃魔法に長けた黒魔導師。

接近戦に長けた剣士。

長距離戦に長けた弓使い。

回避能力に長けた怪盗。


大きく分けてこの五つから選ぶ。


「剣士しかないだろぉ」


癒那は迷う事なく選んだ。

女だけど超強い奴を作るつもりだ。

迷っているのは育成方法。

敵を倒して得た経験値から、自分で好きなスキルと呼ばれる攻撃手段や魔法が取れる。その取り方により、十人十色のキャラクターが出来上がるのだ。育成が簡単なスキル選びから、難しいが強くなるスキル選び。

奥が深い。癒那の第一印章だ。

次にキャラクターを作り出す画面に移った。

画面左に『顔』『髪』『体』とあり、それぞれのパーツ名が書いてある。押すと左下にそのパーツが細かく表示され、その中からプレイヤーが好きな物を選び自分だけのキャラクターを作り上げていく。

顔や体の色、大きさや長さ、胸の大きさまで変えられた。


この時点で癒那に不思議な感覚が芽生えた。

【自分に似てる】

そのパーツを無意識に選び出していた。

画面右には、ゲームキャラクターとしての自分が出来上がっていく。


 この分身製造機能が、プレイヤーを四つのパターンにわける。

癒那のように、分身を作るプレイヤー。

理想の自分を作るプレイヤー。

可愛く、かっこよく、等の自分の慣性で作るプレイヤー。

ゲームが出来ればと適当に作るプレイヤー。


きっとこのキャラクター作成で…はまり方や、はまり度合い、自分のままで行くか、演じるか。等が決まってくるのかもしれない。はまると言うか『依存度』と言うべきか。



「ぐあぁ、出来たっ」


 癒那は椅子に座ったまま伸びをした。


次は自分が所属する国を六つの中から選ぶのだが、これは沙莉奈に指定された『プレスト王国』を選択した。


画面が真っ白に変わり、ゆっくり中央から街の景色が浮かび上がる。

RPGに良くある町並み。

 コンクリート作りの家に木材のドア。溢れる自然。


『プレスト王国 イン』


癒那が滝夜として初めてオンラインゲームに入った瞬間だった。


画面の中心にいるのが『滝夜』。

 甲冑を身につけた剣士。見るからに…ゴツイ。くるぶし辺りまであるマント。左のウエストにはまる剣。

 まるでアニメを見ているようだった。アニメの中のキャラクターを動かす感覚。

右上には街のマップ。

左上には丸が十二個並んでいる。スキルを決めて選ぶと、キーボードのF1からF12に対応して発動する仕様になっている。

「さて、後は沙莉奈に頼るか」 癒那は携帯を手にした。


「あっ…うん、キャラクター出来たよ。…ん…今ね…真ん中より左下の道路の上」


 マップは中央から十字に延びた道とXに延びた道がある。

滝夜は今、Xの左下の方にいる。


「いたいた、キュアってキャラ?お〜会えた会えた…」


 画面で滝夜の隣にいるロリキャラの白魔導師。白魔導師なのに黒服ねロリータファッション。

それが沙莉奈のキャラ、『キュア』。


 装備やアイテムは倒した敵から拾ったり、それを売ったお金で新たに買ったりする。

中には合成と言う方法で、装備やアイテムとお金を使って新たな物を作り出す事もできる。

そうしてどんどん自分好みにしていくのだ。


「チャット?…あぁ出た出た!わかった…うん」


 癒那は携帯を切った。

後はゲーム中のチャットで話ししようとの事。

 『キュア』の頭の上に言葉が出てくる。


『ようこそ!滝夜!』


 こうして癒那はオンラインゲームの世界に入った。


 冒険にでるために…。



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