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色付く世界  作者: 色輝
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002 姉兄妹と私

日常の一コマ。


 今日は、最近動き回る楽しさを知った妹と、家の中を探検するべくベッドを抜け出した。だがすぐに母に捕まり、必死に訴え外に連れてって貰った。 妹は、母譲りの髪に父譲りの瞳で、私とは二卵生の双子だ。マジ天使。

 今日は晴天なり。太陽の光が当たり、母と妹の髪がキラキラ輝いている。私の白髪も輝いているのだろう。母が私達の髪を梳くように撫でながら、キラキラねぇ、と朗らかに微笑んでいる。

 庭は、とても綺麗だ。整えられた花壇には色とりどりの花が咲き誇り、澄んだ池もあり、ひらひらと赤や水色や黄色の蝶が楽しそうに舞い踊っている。

 芝生も短く揃えられていて、私達はそこに下ろされた。



「さあレイちゃん、アーちゃん、ママと遊びましょう?」


「あいっ」

「うー!」



 私はレイハナ、妹はアリシアと言う。私は家族にはレイと呼ばれている。母だけはちゃん付けなのだ。すでに慣れたが、ちょっと恥ずかしい。

 私はアリシアと、ヨチヨチと歩き出した。掴まり立ちも掴まり歩きも出来るようになり、最近はゆっくりではあるが、こうして普通に歩けるようになった。よく転ぶのだが、柔らかい芝生の上なら安全である。

 ちょこちょこ歩き、ポテッと転び、また歩き出し、また転んだ。コロコロ転げながら、アリシアは何が楽しいのかきゃらきゃらと笑い、私も釣られて笑った。



「う、あぁう〜」


「ん?ちょうちょさんが気になるのかな?」


「ちょー!」


「ちょーにょー」



 蝶々、と言おうとしたらにょーになった。舌っ足らずなのは仕方ないとは思うが、早くちゃんと喋れるようになりたい。

 アリシアが蝶に手を伸ばし、後ろにコロンと転げている。可愛い。私も見上げ、私の真上に来た蝶を目で追ったら私も転げた。…赤ちゃんの内は頭が重いんだよ、きっと。

 蝶は諦め、花を見る事にした。日本でも見た事があるような花もあれば、全く見た事がない花もある。赤、黄色、ピンク、紫、白……今は季節的には春だからか、色んな種類が咲いている。この国は、日本のように四季がある。



「ふふふ、お花綺麗ねー」


「ねー」

「ねー」



 三人で眺めていると、アリシアが花を一輪むんずと掴み、ブチッと千切って……いや、引き抜いてしまった。

 あ、と母と呟き、引き抜いた花を持って笑いながら振り回すアリシアを見た。…ぶっ!つ、土が顔に飛んできたぞ!?



「ぺっぺっ」


「レイちゃん大丈夫!?あらあら、ほら動いちゃダメよ」



 母が慌てて私の顔を拭ってくれた。少し離れて立っていた侍女さんがタオルを渡してくれた。タオル、と言っても手拭いのような物だが。

 不思議そうに首を傾げるアリシアは、遊びの一環か何かと思ったらしく、またご機嫌に花を振り回し始めた。哀れ、花。


 母がアリシアから花をやんわり取り上げ、不機嫌になったアリシアを私が撫でて宥めた。手を引っ張り一緒に芝生に転げれば、もう機嫌は元通り。 機嫌が直ったアリシアは、今度は池に行きたいと示した。池は落ちたら危ないので、母が抱えてくれる。


 キラキラ光を反射する池を見ていると、姉と兄がやってきた。兄は姉の魔法の練習を見学していたらしい。



「ははうえーれいーありしあー」


「ぼくもあしょぶぅ」


「あら、魔法のお勉強は終わったのね」


「終わりました!がんばりました!」



 母に下ろして貰い、トテトテとやってきた兄に抱き付いた。姉は母に報告中。報告が終わり次第、すぐに抱き付いた。

 姉は父方の祖父譲りの星のような輝きの銀髪と濃い碧眼、兄は父譲りの蒼い髪に母譲りのエメラルドグリーンの瞳をしている。どちらも、まだ子供だからか両親の遺伝子が脈々と継がれているからか、将来有望な容姿だ。多分両方だろう。 とても真面目な姉と、おっとりな兄。兄弟仲は良いと思う。こうして毎日一緒に遊ぶしね。


 ぱちゃぱちゃと水を触ったり、追い掛けっこしたり。時間がゆっくり流れているかと錯覚するような、ほのぼのした日々。父は仕事で忙しく夜くらいしか一緒にいれないが、それでも時間を取ってくれて。

 幸せって、こう言う事を言うのかな。


 ただ……土やら水やらを私の顔に掛けるのは止めて欲しいかな!アリシアさん!




地の文でもっと主人公の素を出したい…。

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