表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/188

兄達が新たな危険を知られた悪役令嬢


【兄 ジャン】

メイに何かあったのだろうか?


さっき近衛の者達がメイはあまり眠れていないと言っていた。


まだ花束の件が解決していないから心配しているのか?


アークと話して離宮に行ってみることに。


「兄上もメイの事を聞いたんだね。」


「近衛の者達がメイの事を話していたんだ。」


「私もそうだった。わざと聞こえるように話してた気がするんだよね。」


「あー…」


思い当たるな…


「それにしても庭にもテラスにも出ず、ただ読書だけをしているらしい。」


「メイは外で気持ち良くバイオリンを弾くのが好きだしな。」


「それに聞こえたから聞いたんだけど、食も細くなって眠れてないみたいだ。」


心配だ。


メイはとにかく優しいから秘密にしているんじゃ…?


離宮について、客室に通してもらった。


客室にメイが入って来て私達に抱きついてきた。


「ジャンお兄様!アークお兄様!」


「「メイ!?」」


聞いていた以上に顔色も悪かった。


「どうしたんだい?顔色があまり良くないな。」


「そんなことはないです…」


「メイ、何かあったんだね?」


「…ありません。」


やっぱり。


「メイ?近衛達に聞いたんだけど、最近は庭にも出てないって。」


「なぜだか教えてくれないか?それとも私達は頼りにならない?」


「違っ…違うのです…」


「私達はメイのどんな願いでも叶えてあげるよ?」


「心配ごとがあるなら教えてほしいな?」


手を握ってじっと見つめた。


侍女や護衛達の顔を見て言おうかどうか決心がつかないようだ。


それに苦しそうだし、泣き出してしまいそうだ。


「ジャン様、アーク様。私がご説明をさせて頂いてもよろしいでしょうか?」


見かねた侍女長が言葉を発した。


「あ…あの…」


許可を出すと、侍女や護衛達が事の経緯を話してくれた。


「メイ、怖かったんだね。」


「私達を心配して言えなかったのか…」


「…はい…」


よほど不安だったのだろう。


とうとうメイは泣き出してしまった。


「心配してくれてありがとう。」


「でも、私達も心配なんだよ?」


「メイは普段から我儘も言わないし、良い子だからたくさん我慢もしているだろう?」


「だから、私達はメイを心配するし守りたいと思っているんだよ。」


「さぁ、もう泣かないで。泣き顔もとても美しいけど、私達はメイの笑顔が見たいな。」


とにかくメイが落ち着くまで抱きしめていた。


しばらくして落ちついて話が出来るようになった。


「…申し訳ありません…」


「いいよ、メイは優しいから心配して言えなかったんだろう?」


「はい…忙しいのに、また面倒事を押しつけるのは嫌だと思いました。」


「まぁ…忙しいけど、メイが思うよりは大丈夫かな。」


「そうそう。私達の心配よりも自身の心配をしてほしいな。」


「最近は食欲も減って、あまり眠れていないんだろ?」


「はい…」


「じゃあ、今日はメイが眠るまで側にいよう。」


「本当ですか?」


「あぁ、本当だよ。だからちゃんと食事をして眠ろう。」


「はい。」


「さぁ、じゃあ食事の準備をしてもらおう。」


まだ少し不安らしく、申し訳無さそうにしている。


食事中も以前よりも量が少ない気がした。


そんなに悩んでいたのか…


食事をした後、少しゆっくりと他愛のない話をしていてもあまり笑顔がぎこちなく感じた。


しばらくして、就寝の準備が終わったというので、アークとベッド脇に腰掛けた。


メイは少し居心地悪そうだな。


「本当に眠るまでずっといてくれるのですか?」


「もちろん約束だからね。私達はメイと一緒にいられるのが嬉しいよ。」


「本当に良いのですか?」


「メイはいやかい?」


「いやじゃないです。ずっと一緒にいたいです…」


メイが何か言いづらそうにしているな?


「どうした?」


「ジャンお兄様、アークお兄様…お願いがあるのですが…?」


「珍しいね。」


「もちろんいいよ。」


普段から我儘も不満も言わないメイのお願いだからね。


もちろん、断る気などない。


「じゃあ…眠るまで手を握っていてほしいです…」


「いいよ、じゃあ私は右を。」


「私は左を握ってあげるよ。」


「ふふふ、とても幸せです…」


今日初めて嬉しそうに笑っている。


アークも同じように嬉しそうだ。


本当に家から出たら、危険な目にばかりあっているからね。


私達も常にメイのことは気にかけているが、


離宮は本来男子禁制だから気軽に入っていけない。


だから寝室に入ることは滅多にないから、


少しだけドキドキするな。 


殿下達がメイのこの姿を見たら、固まって妄想が止まらなくなって面白そうだ。


「(今の状況は殿下達には秘密にしとけよ?)」


「(もちろん、そうするよ。仕事が進まなくて困る。)」


「メイは少し考えすぎるから、寝る前に本を読むといいかもしれないね。」


「アークお兄様、それだと全部読みたくなってしまうので眠れなくなるのです。」


「あはは、私は途中で寝落ちしてしまうな。」


「ふふっ、意外です。」


「私はあまり本を読もうと思ったことがないな。必要な時にしか読まないから。」


話してるうちに、メイが少しずつ眠くなってきたようだ。


「メイ、眠いんだろう?」


「でも眠るのがもったいない…」


「ちゃんと寝ないと駄目だろ?」


「目の下が真っ黒になってしまうからね?」


「はい。わかりました。」


少し経つと寝息が聞こえてきた。


「(では、行こうか。)」


「(はい、兄上。)」


侍女達と護衛達にメイの事を頼み、


何か変わったことがあれば報告を頼んだ。




「アーク、どう思うかい?」


「あの壁のほうから見られているってやつですね。」


「そう。なんかちょっと引っかかる。」


「あー…なんとなくだけど、関連性を感じる。」


「そうだな…でも壁からって庭にいないとしたら壁の上か外しかないんだ。」


「上か外…」


2人で王宮に戻りながら話し合いをした。


「このことは殿下達に話すか?」


「立場上は話すべきだろうね。」


「殿下達はメイの事があると仕事が捗らなくなるんだ。」


「そうそう。本当に困る。時間を作るの大変なんだよね。」


「それなら、メイの件は私達と側近を1人ずつと近衛を2人ずつで一気に調査するのはどうかな?」


「悪くないね。朝と帰る時間に仕事の振り分けさえしておけば問題ないんじゃないかな。」


「そうだな。今のうちに殿下達の所に行って話を通そう。」


「今日の分の振り分けをやってから帰ろうか。」


殿下達がいない時は、堅苦しい喋り方をしなくていいから気楽でいい。


2人で執務室に向かった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ