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悪役令嬢にならないように頑張るご令嬢  作者: MEIMEI
転生してスタート
8/187

お友達が欲しくなった悪役令嬢


だいぶ涼しくなってきたわね。


この世界にも四季があった。


今は秋。


秋はなんだか寂しくなるのよね。


そういえば、あちらの世界でも秋は寂しくなった。


病室で木の葉の色が移り変わるのをぼーっと見ていたわ。


あちらの家族は元気かしら?


私のこと忘れて幸せに暮らしているかしら?


きっと忘れないわね。


でも、お金の心配をせずに幸せに暮らしているといいな。


「マリーカ、少し庭に出るわ。」


「かしこまりました。では、少し暖かくしましょう。」


上着を用意してもらった。


庭に出ると、秋の花が咲いていた。


バラとかと比べて控えめな花が咲いている。


コスモスね。


コスモス…秋桜だったかしら?


漢字も少しずつ忘れてきてしまったわ。


紅葉ももうすぐかしら?


庭のベンチに座った。


「マリーカ、ここで少し読書がしたいの。部屋にある読みかけの本とブランケットを用意してくれる?」


「かしこまりました。お茶はどうしますか?」


「いいわね。お願いするわ。」


秋の空は雲が夏よりも高くなる。


読書の秋と言うけれど、


私は引きこもっているから季節関係なく読書してるのよね、


少しはお友達も欲しい。


もともとお友達がいたことないな。


病院の看護師さんと、


たまにこっそり遊びにくる小さい男の子がいたくらい?


彼は大きくなったかしら?


そういえば、彼の名前知らなかった。


ふふふ、元気だといいな。


「お待たせいたしました。」


「ありがとう。」


しばらく本を読んでいた。


「メイ、ただいま。」


「アークお兄様、おかえりなさい。」


「外で読書なんて風邪をひくと大変だ。中に入ろう?」


「はい。」


あまり寒くはなかったけれど、少し頬が冷たくなっていた。


「メイは本当に読書が好きだな?」


「読書とお勉強しかやる事がないもの。」


「それもそうだな。」


「ふふふ、あとはお兄様やお姉様達とお話するくらいだわ。」


「寂しいかい?」


「少し。」


「メイと同じくらいの女の子を呼んでもらってお茶会とかできるといいね。」


「それは楽しそうだわ!」


家に入ってアークお兄様のお友達とかのお話をしてもらった。


お友達たくさんいるのね。


とても楽しそう。


やっぱりお友達が欲しいな。





【兄 アーク】

家に帰ると庭で本を読む可愛い妹が見えた。


学院でたくさんのご令嬢がいるが、


妹達には叶わないだろうな。


シスコンと言われることもあるが、


特に気にもならない。


見合いの話は兄にも姉にも来ている。


同じ公爵家もいるが、


どうにも我儘な令嬢だったので受けなかった。


下位の貴族令嬢はたくさんいる。


でも、ギラギラしていてどうにも気がのらない。


メイは年の離れた妹だ。


庭で声をかけて一緒に屋敷に入った。


メイには友達も婚約者もいない。


美しすぎる妹に危険がないように家から出さないようにしているのだ。


寂しそうにしていて、


とても可哀想な気がする。


両親に相談してみよう。


このままではあまりにも閉鎖的な環境で内気な子になってしまうのではないだろうか?







アークお兄様が両親に同い年くらいの女の子を呼んでお茶会をしたらどうかと相談してくれた。


気づかいがとても嬉しい。


「そうだな、わかってはいるが…」


「そうよね。でももう少し時間をちょうだい?」


「わかりました。」


「メイ、もう少しすると学院が休みになるから。そしたら私と遊ぼう。」


「ふふふ、ありがとうございます。お兄様と遊ぶなんて楽しみだわ(笑)」


「じゃあ、何をして遊ぶか考えておこうかな。」


みんな私が好きすぎるわ(笑)


翌日はお昼過ぎから時間が空いてしまった。


家庭教師が風邪を引いたそうだ。


やる事が特にない為、


部屋の窓を開けてお茶を飲んでいる。


すると、小鳥がバルコニーにやってきた。


「あら、可愛いお客様ね。」


人懐っこいのか手を伸ばすと頭を寄せてくれた。


「ふふふ、可愛い。」


綺麗な色の羽根。


お友達になりに来てくれたのかしら?


しばらく小鳥を撫でていると、


うちの馬車が玄関に停まった。


「マリーカ、誰が帰ってきたのかしら?」


「奥様のようですよ。」


「そう、今日のお茶会は終わったのかしらね。」


小鳥さんに声をかけた。


「可愛い小鳥さん。お母様が帰って来たの。また遊びに来てくれる?」


小鳥は少し目を瞑って飛び立っていった。


「可愛らしいお客様でしたね。」


「えぇ、また遊びに来てくれると嬉しいわ。」


窓を閉めてお母様にご挨拶に向かった。


可愛いお客様のお話もしなければ(笑)





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