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悪役令嬢にならないように頑張るご令嬢  作者: MEIMEI
王城生活スタート
62/187

穏やかな日常からの恋愛指南される 悪役令嬢


あれから穏やかな日が続いていた。


王城に来てからまだ数ヶ月…


もっと時間が経っている気がします。


襲撃に毒など、事件があったからかもしれない。


妃教育が…


順調に終わってしまいそうです。


成人が16歳。


学院の卒業が18歳。


なんとか大学附属高校みたいな感じかもしれない。


今は13歳。


3年後には結婚していることになるのかしら?


その間に妃教育を終えるようにならなければと聞いていましたが…


終わってしまったら何をすればいいのかしら?


今はゆっくりとしたペースで進めることになったので自由時間のほうが多い。


春に向けて何か作ろうかしら?


前にフレームを作ったけど…


クッションカバーとか?


やっぱりフレームにしようかしら?


お母様とお姉様に春のお花のフレームにしようかしら?


お父様とお兄様達は…春は関係ないけど、馬にしましょう!


フレームを買わなくては。


「マリーカ、フレームを買いたいのだけれど…」


「商人を呼びますか?」


「そうね…許可をいただかないといけないわね。」


「そうですね。では、陛下に申請しておきますね。」


「ありがとう、お願いするわね。」


マリーカはすぐに動いてくれた。


「シャロン、王家はお買い物はどのようにしているのかしら?」


「はい、王家でも商人を呼んでいますわ。」


「そう。お忍びで城下に行ったりはするのかしら?」


「ふふふ、殿下達は行っていますよ。」


「そうなのね。」


お忍び…駄目よね。


うーん…


実際に見て買いたいのだけれど…


というか…


お買い物をしてみたいのよね。


そもそも、外にちゃんと出たことがないもの。


これが箱入り娘ということかしら?


「あ…でも、そんなことはできないわね。」


読書をしながらお買い物をする自分を想像していた。


しばらくしてマリーカが戻ってきた。


「どうだった?」


「旦那様もいらっしゃって、構わないと。」


「良かった、では商人を呼んでくださる?」


「刺繍糸とフレームと布地を買いたいの。」


「かしこまりました。」


あ、レースも作ってみようかしら?


「レース糸と針とボタンも持ってきてもらえるかしら。」


「はい、そのように伝えます。どれも質も両も多めに用意してもらうようにしましょう。」


「ありがとう。」


つけ襟でも作ろうと思って。


前世でも作ったことがあるわ。


お姉ちゃんとお母さんの誕生日に作ったの。


裕福ではなかったから、作るほうがお金がかからなかった。


プレゼントするとすぐに使ってくれた。


学校で評判が良かったらしく、何度か頼まれたの。


ふふふ、喜んでくださるかしら?


この世界でつけ襟って見たことが…


あるわけないわね。


出かけたことがないもの。


もしも、レースのつけ襟が出来たら…


ひとつだけ作ってみて、


よければプレゼントしてみようかしら。


少し楽しくなってきたわ。


貴族のドレスで似合わなければマリーカとか侍女にプレゼントしてみよう。








「メイリン様っ!」


「どうかしましたか?」


マリーカが慌てていた。


「ラルフ殿下がこちらを…」


「あら、お手紙?」


「はい、先ほど渡されましたの。」


「殿下から直接?」


「いえ、側近の方から。」


「アークお兄様ではないの?」


「はい、違う方でした。」


「何かしら?」


手紙を開くと観劇のお誘いでした。


小さな声でマリーカに聞いてみた。


「(マリーカ。観劇のお誘いなのですが、城下に行けるということかしら?)」


「(まあ!城下で観劇に決まっているじゃないですか!?)」


マリーカは事情を正しく把握している為、


私に合わせて小声で話してくれる。


「(本当に?洗礼式の誘拐事件以来だわ!)」


「(では、いつ行くか聞かなければ…あとは…護衛のことと同行する者の人選と…)」


あっという間にマリーカは私をおいて、


熟考をし始めました。


はぁ…


そうよね。


前みたいな事件にならないように万全に準備が必要だもの。


私だってわかっているのよ?


そこまでしなければ、


安全性は保証されないものね。


でも、ラルフ殿下は急にどうしたのかしら?


観劇ってチケットでももらったとか?


これもデート?


「(マリーカ。観劇もデートなのかしら?)」


「メイリン様はデートがわからないのですか?」


「だって、家から出たことないもの。それに、お茶会だってほとんど参加もできなかったじゃない?」


「そうですけど…」


「だから、あまり会話らしい会話ってお兄様やお姉様くらいしかしてないもの。」


「学院でできたお友達がいたでしょう?」


「いたけど、休憩の時間しかおしゃべりしてないわ。だから、そういう恋愛とかわからないし…」


「そういえばそうですね。」


「だから観劇もよくわからないし、デートという定義もわからないし…」


「あ…、そうですよね。外出したのは学院に入るまでは片手で数えるくらいしか出来なかったですものね。」


「その私にそんな高度な会話ができるはずもないでしょう?」


「確かに…」


「ね?」


と、いうことでデートについて教えてもらう事にしました。






恋愛とかって本当にわからない…


デートってやっぱり理解できないわ。


恋愛小説って探したけど、


この世界の恋愛小説ってあまりないのよね?


基本的に政略結婚、お見合い結婚とかしか聞かないから。


一方的に好意を向けられても、同じだけの好意を向けられるかわからないし…


好きとか愛しているとか、


恋愛小説で読んでみたけど…


見た目がカッコいい…とか、


優しくて…とか、


見ただけでドキドキする…とか、


目が合うと…とか?


褒められると恥ずかしくなるけど、


お友達に褒められても恥ずかしいのだから、


やっぱりわからない。


徐々にわかるのかしら?


そもそも、なぜ殿下達は好意を持ったのかしら?


「メイリン様、ラルフ殿下からお返事です。」


明後日の夕方から。


「とびっきり可愛くしますね。」


いつもよりおしゃれをするのはマストなのね。


少しだけ覚えたわ。

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