家に帰った悪役令嬢
「お父様!お母様!」
「「メイっ」」
両親が慌てて馬車を降りてきてギューッと抱きしめられた。
思わず、泣いてしまった。
貴族令嬢としてはだめよね。
でも、仕方ないわよね。
「無事で良かった…」
「もう絶対に手を離さないわ!」
私も泣いてしまったけど、よく見たら両親のほうが号泣してるわね。
逃げ出して行商人に助けられたこと、
護衛や衛兵に保護されたこと、
犯人のことなどをたくさん話した。
「本当に良かった…その行商人には礼をしなければな。」
「そうなの。荷馬車に乗せてもらってる途中で私を探す犯人の声が聞こえたのだもの。」
「命の恩人ね。」
「でもよく逃げ出せたね?」
「神様のおかげよ?」
神様に魔法で箱を壊す手伝いをしてもらったことも話した。
「では、神様に感謝しなければ。」
「お祈りしなきゃですわね。」
「でも、メイは家から出ないようにね。」
「私もお祈りに行きたいわ!」
両親に止められた。
今後は買い物は全て家に呼ぶことになった。
「ジャンもアークもミリムもすごく心配していたわ。」
「そうだな。」
「心配かけてごめんなさい。」
「メイは悪くないよ。」
「そうよ。」
「でも、護衛達も悪くないから叱らないでね。」
「…目を離してしまったのだから叱らなければ。」
「お父様、急に裏口から出ることになって私がドアを開けてしまったの。あの時は私の不注意だわ。」
「そうね…裏口だから油断してたのよ。」
馬車の中で話しながら眠ってしまった。
【母 シエル】
メイが保護された。
良かった…
どうしようかと不安でいっぱいだった。
メイを抱きしめて屋敷に戻る途中に話しながら眠ってしまった。
「随分と汚れているな。」
「そうね、でも無事で良かった…」
「少しかすり傷があるし、薬品のような匂いがする。」
どんなに怖かったことでしょう。
メイの前髪を横に流して頬を撫でる。
「今日は抱きしめて寝ようかしら。」
「とりあえず、帰ったら急いで湯殿でキレイにして傷の手当てをしよう。」
「そうね、医師を呼ばなくちゃだわ。」
たくさん動いたのだもの。
ご飯も用意させて、
たくさん甘やかしてあげましょう。
メイの護衛も選ばなければ。
もう家から連れ出すことは考えていないけれど、
それでもやっぱり心配だわ。
ダニエルも言っていたけど、
女性の護衛も雇わなくちゃね。
あぁ、私のメイ。
子供達はみんな等しく可愛いけれど、
メイはとにかく可愛いわ。
大事に大事にしないと。
天使…大きくなったら女神のように美しくなるに決まっているわね。
「ダニエル、メイをしっかり守っていきましょうね。」
「あぁ、必ず守る。」
ダニエルとメイを抱きしめた。
屋敷に戻ったら侍女も執事も皆が泣いて喜んだ。
私達みんなで心配していたのだもの。
ようやく、家に帰りついた。
すぐにお風呂に入れられ着替えをすませると、
お医者に細かい傷の手当てをされた。
細かい傷だけですぐにキレイに治るそうだ。
手当てが終わるとすぐに食事が用意されていた。
「メイ、今日は大変だったわね。」
「すごく心配したんだよ。」
「そうそう、ジャン兄上なんて泣きそうになっていたからね。」
「心配おかけしてごめんなさい。」
「いやいや、メイに落ち度は全くなかったよ。」
「ありがとうございます。」
泣いてくれていたのね。
みんな涙目だもの。
お父様とお母様は…
護衛達と話をしている。
「お父様?」
「メイの為の護衛を雇うことにするよ。」
「でも外に出かけることはないわ。」
「私達の為にも護衛をつけさせてちょうだい?」
「家でも?」
「本当に心配なんだ。窮屈かもしれないけど。」
それだけ心配させてしまったということよね。
「わかりました。」
そこからまた家族会議になった。
ジャンお兄様もアークお兄様もミリムお姉様もお勉強があるもの。
学院があるから。
私だけが家にいることは多いわ。
心の平穏は大事よね。
前世の私も、
鼻水が出たり、少しくしゃみをしただけでも大騒ぎしていた。
その度に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
そう考えると気にもならないわ。
前世と違うのは私がとても容姿が良いということよね。
あの頃は本当にガリガリで、
腕にはたくさんの注射のあとがあった。
可愛いと家族は言ってくれていたけど、
鏡に映る私は全然可愛いと思えなかった。
今の私は恵まれているのは間違いないわ。
こんなに愛されている。
愛されていたことも転生する時にわかっていた。
愛されていることが本当に幸せ。
今のまま悪役令嬢にならない道を歩いていくわ。
彼女のようにならない。
きっと幸せになれるはずよ。
だってこんなに可愛がってもらっているのだから。
少し経って衛兵が家にやってきた。
どうやら、船着き場に荷物の確認をせずに積み込み作業をしていた者を見つけたようだ。
そこから尋問をして、
積荷の確認をして、
容姿の良い子供達がたくさん見つかったそうだ。
その場にいた者を全て捕らえて牢にいれたらしい。
私以外にもいたのね。
出航していなくて良かった…
「メイ、今日は私と一緒に寝ましょうか。」
お母様が添い寝をしたいらしい。
「ふふふ、はいお母様。」
「ずるいわ、お母様。」
お姉様も添い寝希望らしい(笑)
「じゃあ、明日はお姉様と一緒に寝るわ。」
お父様やお兄様達まで。
貴族令嬢だけど家族だもの。
いいわよね。
ようやく、家に帰りついた。
すぐにお風呂に入れられ着替えをすませると、
お医者に細かい傷の手当てをされた。
細かい傷だけですぐにキレイに治るそうだ。
手当てが終わるとすぐに食事が用意されていた。
「メイ、今日は大変だったわね。」
「すごく心配したんだよ。」
「そうそう、ジャン兄上なんて泣きそうになっていたからね。」
「心配おかけしてごめんなさい。」
「いやいや、メイに落ち度は全くなかったよ。」
「ありがとうございます。」
泣いてくれていたのね。
みんな涙目だもの。
お父様とお母様は…
護衛達と話をしている。
「お父様?」
「メイの為の護衛を雇うことにするよ。」
「でも外に出かけることはないわ。」
「私達の為にも護衛をつけさせてちょうだい?」
「家でも?」
「本当に心配なんだ。窮屈かもしれないけど。」
それだけ心配させてしまったということよね。
「わかりました。」
そこからまた家族会議になった。
ジャンお兄様もアークお兄様もミリムお姉様もお勉強があるもの。
学院があるから。
私だけが家にいることは多いわ。
心の平穏は大事よね。
前世の私も、
鼻水が出たり、少しくしゃみをしただけでも大騒ぎしていた。
その度に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
そう考えると気にもならないわ。
前世と違うのは私がとても容姿が良いということよね。
あの頃は本当にガリガリで、
腕にはたくさんの注射のあとがあった。
可愛いと家族は言ってくれていたけど、
鏡に映る私は全然可愛いと思えなかった。
今の私は恵まれているのは間違いないわ。
こんなに愛されている。
愛されていたことも転生する時にわかっていた。
愛されていることが本当に幸せ。
今のまま悪役令嬢にならない道を歩いていくわ。
彼女のようにならない。
きっと幸せになれるはずよ。
だってこんなに可愛がってもらっているのだから。
少し経って衛兵が家にやってきた。
どうやら、船着き場に荷物の確認をせずに積み込み作業をしていた者を見つけたようだ。
そこから尋問をして、
積荷の確認をして、
容姿の良い子供達がたくさん見つかったそうだ。
その場にいた者を全て捕らえて牢にいれたらしい。
私以外にもいたのね。
出航していなくて良かった…
「メイ、今日は私と一緒に寝ましょうか。」
お母様が添い寝をしたいらしい。
「ふふふ、はいお母様。」
「ずるいわ、お母様。」
お姉様も添い寝希望らしい(笑)
「じゃあ、明日はお姉様と一緒に寝るわ。」
お父様やお兄様達まで。
貴族令嬢だけど家族だもの。
いいわよね。