表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢にならないように頑張るご令嬢  作者: MEIMEI
転生してスタート
5/187

護衛の後悔と保護される悪役令嬢

【護衛1】


メイリン様が攫われた。


ほんの一瞬だった。


なんの為の護衛だ。


慌てて追いかけるが裏の細い路地に行かれてしまい、


なかなか追いつけない。


10分ほど追いかけたが見失ってしまった…


衛兵の捜索隊と合流して更に捜索を続けた。


なかなか見つからずに一度現状を把握する為に来た道を戻った。


護衛として情けない。


戻ってから仲間達と旦那様と状況を確認。


更に捜索範囲を広げる。


どのくらい時間が経過しただろう。


だんだん日が暮れていく。


街中を捜索していたが、船着き場はどうだろうか?


あの辺りは遅い時間に出航する船があったはず。


「おい、念の為に船着き場にも行ってみよう。」


仲間達に声をかけて3人で船着き場に向かう。


荷物の積み込み作業を始めたようだ。


積荷の確認をしている者に声をかけてみたが特に気になる荷物はなかったようだ。






周囲に気をつけて扉を開けた。


耳をすませて近くに人がいないことを確認。


誰もいないようだったので、


音をたてないように外にでた。


私の服は目立つ為、近くにあった荷物に被さっていた布を拝借。


ここからどこに向かえばいいかしら?


街には来ないし、


いつも馬車で出かけるから道がわからない。


左右前後を確認。


左に船が見えた。


それなら右に向かえば街に行けるかしら。


目の前には少し人が多くいる。


街ではあまり見ない服装ね。


それなら、気づかれないようにここを突っ切らないと。


よく見たら私、汚れているわね。


まぁ、いいわ。


何としてもお父様とお母様のもとに帰らなくちゃ。


目の前の通りの人が少なくなってきた。


船の音が聞こえる。


出航が近くなってきたのね。


早くしないと抜け出したのが見つかってしまうわ。


今だわ!


一気に通りを突っ切った。


少し暗い道を更に真っ直ぐ。


左右前後を確認。


右に大きな通りが見えた。


大きな通りがあるなら街に向かえるはず。


左右前後の気配に気を使って大きな通りを目指した。


予想通りに大きな通りには小さな店が並んでいた。


馬車は見えなかったから。


少し警戒しつつに壁伝いに大きな通りに出た。


衛兵は見当たらない。


衛兵さえいれば保護してもらえるはずだわ。


ゆっくりと周囲を見渡す。


「お嬢さん、どうかしたのかい?」


荷馬車を引く行商人に声をかけられた。


「しーっ。」


小さな声でお話をする。


「ごめんなさい、今見つかるわけにはいかないの。」


「随分と汚れているけど…貴族のお嬢さんかい?」


「そうなの。街で攫われてしまったの。」


「それは大変じゃないか!」


「しーっ!」


「すまない。」


「お願い、なんとか逃げてきたのだけれど街に向かう方向がわからないの。」


「わかったよ。街に向かえばいいんだな?」


「ありがとう。お願いできるかしら?途中で衛兵がいたら私を保護してもらえると思うわ。」


「任せてくれ。目立たないようにするには…」


「荷台に乗せてくれたらいいわ。」


そうして荷台に乗せてもらい、街に向かってもらうことにした。


しばらくたったときに行商人が声をかけてきた。


「お嬢さん、後ろにガラの悪い男達がいる。悪いけどもう少し伏せておくれ。」


言われた通り更に伏せた。


10分くらい経過しただろうか?


「お嬢さん、衛兵だ。声をかけるよ。」


「えぇ、お願い。」


荷馬車が止まる。


「ごめんなさい、私を保護してもらえるかしら?」


「え?」


荷台から起きあがって衛兵に声をかける。


「えっと…」


「私はメイリンよ。コールマンの娘のメイリン。」


「お嬢様!」


「あら?あなた護衛の人ね?」


「はい、今日護衛を担当しておりました。危険な目に合わせてしまい、申し訳ありません。」


「今はその話はあとよ。」


衛兵達に犯人の特徴を聞かれたが全く見ていない。


「でも、船着き場の倉庫のような所に大きな箱に閉じ込められていたわ。」


詳しくわかれば犯人を捕まえることもできるかもしれないけど…


「そうだわ!船着き場の倉庫に入って奥の右側に扉があってそこから逃げてきたの。」


場所についての話をしていると行商人が一言。


「その船着き場で一番遅くに出航する船があったはずだ。」


行商人は船着き場の船に関する情報をくれた。


衛兵達が護衛を残して船着き場に向かった。


「ここまでありがとう。」


改めて礼を伝えて名前を聞いた。


「本当にありがとう。今度あなたのお店にお礼に行くわ。」


「いいさ、美しいお嬢さんと会えただけでも光栄だよ。」


「ふふふ、嬉しいわ。」


礼を言って護衛とともに帰ることにした。


「メイリン様、本当にご無事で良かった。」


「心配かけてごめんなさいね。」


抱えられていたので、


安心したのか眠ってしまった。






【護衛1】

良かった。


本当に良かった。


船着き場のほうに捜索に向かっていて、


船着き場近くの大通りで、行商人に声をかけられた。


こんな時に、と思いながら話を聞くことにしたら、


荷台から布を被ったメイリン様が。


無事だったことで安心して泣きそうになった。


メイリン様から犯人に関する情報を聞き、


犯人捜索を衛兵に頼んだ。


メイリン様を抱きかかえて他の衛兵に見つかったことと犯人捜索に何人かの衛兵が船着き場に向かったことやお嬢様の情報を共有した。


今、お嬢様は疲れたのか腕の中で眠っている。


しかし…


クビかな、俺。


そんなことより迎えを呼んでもらって早く屋敷に向かわなければ。


旦那様や奥様がきっと待っている。


メイリン様も気丈に振る舞っていたが、


まだ5歳。


しかも、街に来たのは今日が初めてだ。


不安だったはずだ。


5歳にしてこの美貌。


人攫いじゃなくても誘拐されてしまうのではないだろうか。


5歳にして婚約の打診が多いらしい。


絶対に守らねばならないお嬢様。


早く屋敷に連れて戻ろう。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ