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卒業テスト2日目の悪役令嬢

テスト2日目。

今日の午前中に2年生の残りのテストと3年生のテストを始めることになった。


そういえば、昨日の夜はジャンお兄様とダンスの練習をたくさんしてしまったわ。


教科書はひと通り読破してあるから問題ないけど。








午前のテストは随分と進めた。

3年生のテストの7割くらいは終わった。


「お兄様」


「メイ、お疲れ様。」


「メイリン、調子はどうだ?」


「だいぶ順調に終わってますよ」


「そうなのか?」


「はい、もうすぐ3年生のテストが終わります。」


「わぁー、メイってば本当に天才だな。」


「4年生からは実技も入るだろう?」


「はい、もちろんですわ。」


「音楽とかもテストやってるのか?」


「はい、全てやってますよ。マナーも音楽も。」


「ね、殿下。これが天才というものです。」


「なるほど。アーク、よく理解できたぞ」


「いったい何の話ですか?」


はぐらかされてしまった…


悔しくなったので、


お兄様の腕にくっついてみました。


「内緒話は嫌です!」


「「くっ…」」


お兄様まで


「教えてくださいませ」


「わかったよ、メイ」


どうやら私がどのように天才なのかを説明していたようだ。


別に天才ではない。


小さい頃から努力しただけ


「お兄様。私は天才ではありませんわよ?」


「あはは、わかったよ。努力してたよね」


「わかってくだされば良いのですっ」


午後は3年生のテストを終えて、


4年生のテストも始めた。


魔法のテストは明日の午前にすることになった。


先生も信じられないのか、


ジーッと見ているから少しやりづらい。


アークお兄様の授業が終わる頃にジャンお兄様とアダム殿下がやって来た。


「ジャンお兄様、アダム殿下もお忙しいのにありがとうございます」


「メイ、気にしなくていいよ」


「ダンスのテストはこれからか?」


「はい、ちょうど今から準備しに行くところです」


「そうか、じゃあ先に行って待ってるよ」


「はい!」


急いで着替えて教室に向かった。


教室に入るとお兄様と殿下が正装で待っていた。


「わあ!それが正装なのですね。初めて見ましたわ」


「そうだね、メイは舞踏会とかに行ったことないから」


「はい、お兄様も殿下も素敵ですね」


「いや、メイリン嬢のほうが素敵だ。」


「殿下、硬いですよ」


「ふふふ、やっぱりお兄様と殿下も仲が良いのですね」


「普通だよ(笑)」


『では、メイリン様。先にジャン様と始めましょう』


「はい」


「ではメイリン。私と踊っていただけますか?」


「はい、喜んで!」


昨日一緒にたくさん踊ったから息もピッタリです。


「本当にメイは上手だね」


「ありがとうございます」


「それと言い忘れてた」


「はい、なんでしょうか?」


「今日もとても綺麗だよ」


「ふふふ、ありがとうございます」


「メイと踊るのは本当に楽しいな」


「私もお兄様と踊るのは楽しいですわ」


そのまま2曲を踊った。


『お2人とも、息もピッタリですし、とても美しかったです。それにダンスも優雅で完璧でしたわ。』


「ありがとうございます」


『では殿下最後のパートナーお願いいたしますね』


「わかった」


「よろしくお願いします!」


「では、メイリン嬢。私と踊りませんか?」


「はい、喜んで!」


さすが、6年生は求められるものが違うのね


ステップが少し複雑だわ


でも昨日たくさん練習したもの


「メイリン嬢」


「はい、なんでしょうか?」


「今日は一段と美しい。」


「ありがとう、ございます」


「ははは、本当に照れ屋なのだな」


「それは、殿下と踊るのは初めてですし、褒められ慣れてませんもの」


「そうか…それもそうだな。」


「殿下は慣れていらっしゃるのですね」


「いや、どちらが慣れていると?」


「女性を褒め慣れているのかと」


「どちらかといえば苦手だ」


「そうなのですか?」


「まぁ…そうだな。社交辞令でしか褒めたことはない」


「意外です」


「そうか?」


「はい、でも殿下とちゃんとお話するのは初めてですものね」


「照れてしまうから、あまり話せなかった」


そして曲が終わった。


『殿下、お疲れ様でございました。メイリン嬢も本当に素晴らしかったです。ダンスは全て合格です。』


「ありがとうございます」


『殿下もいつもこのように踊られればよろしいのに』


「そうか…」


「殿下、ジャンお兄様。ありがとうございました。おかげで合格出来ました」


「いや、私もこんなにちゃんと踊れたのは初めてだ。楽しかったよ」


「メイと踊るのは私もとても楽しいよ」


「はい、私もとても楽しかったです」


「では、着替えてきますね。お兄様も一緒に帰れるのでしょう?」


「そうだな…殿下。妹と帰ってもいいですか?」


「仕事が残っているのだが?」


「えー…たまには一緒に帰りたいんですけど」


「出来るだけ早く戻ってくるなら」


「やったね、メイ。じゃあ、ドレスのまま帰ろう」


「ふふふ、お兄様もアークお兄様と同じですね?」


「そうかい?」


「では帰り支度して参ります。」


「うん、ここで待っているよ」






「ジャン…ちゃんと戻って来るんだろうな?」


「はい、お茶くらいはいいですよね」


「…出来るだけ早く戻って仕事しろよ」


「しかし、メイリン嬢がこんなに美しくなっているとは聞いていなかった…」


「うちの天使ですからね。」


「あれでは女神ではないか。」


「そうでしょう。自慢の妹ですよ」






帰りはジャンお兄様と一緒に帰りました。


アークお兄様は先に帰られたようです。


どうやら、ダンスの準備している時にアークお兄様が来て帰らせたらしい。


一緒に帰ればいいのでは?


それでも、初めてジャンお兄様と一緒に帰るのは嬉しいわ。


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