解決してもなんだかすっきりしない 悪役令嬢
「メイっ!」
「ジャンお兄様?どうされたんですか?」
「解決したよ!!」
「え?本当?」
「うん、ストーンズ伯爵が犯人だ。」
「ストーンズ伯爵?」
「そうだよ。ほら、この前の母上がお茶会で話してたって言ってただろ?」
「あ、あの時の?」
「そう。王城で陛下の執務室に行ったらしいんだ。」
「執務室で聞いたんですね。」
「まぁ、そうなんだけどさ。」
「そうなんだけど?」
「ストーンズ伯爵の令嬢が18歳と12歳で婚約もまだらしくて、アダム殿下とラルフ殿下の婚約の申し出をしたらしい。」
「まあ、そうなのですね。」
「うん。それではっきり断ったんだよ。」
「じゃあ、その後に聞いたのですか?」
「そう。メイの婚約の申し出は2年前からしていたからアプローチを始めるタイミングをいつにするって話をしてて。」
わざわざタイミングを考えてくれてたのね…
「それでは、これで終わったのですね。良かった。」
「うん、もう大丈夫。」
「ありがとう、お兄様。」
「伯爵は爵位剥奪になったよ。」
「そうなのですか?」
謝罪だけじゃ駄目なの?
司法に関する本にも記載はあったけど…
「そうですか…」
「悲しい顔はしてはいけないよ。メイは被害者だ。それにメイはどちらかの殿下と婚姻を結んで王家に入るんだ。」
「はい…」
「このようなことは少なくない。我が国以外なら死罪になることもある。理解できるね?」
「はい、もちろん学んでいましたので理解はしているのです。」
「そうだったね…」
「理解はしているのですが、もやもやしてしまいますね…」
「メイは優しすぎるから。」
そう言って、私を抱きしめて頭を撫でてくれます。
「ジャンお兄様…ありがとうございます。」
「うん、いいんだよ。私達はメイが大好きなだけだから。」
「はい…私も大好きです…」
「そっか、嬉しいよ。もう少ししたらみんな帰ってくるから少し休んでおくといい。」
「はい、お兄様。」
せめて降下にしてくれたら…
やっぱり胸が痛いわ…
お父様もアークお兄様も帰って来ました。
「おかえりなさい。」
「メイ、良かったな。」
「ありがとうございます。」
「どうしたんだい?あんまり嬉しくなさそうだね?」
「いえ、解決は嬉しいです。みんなで頑張ってくれたから。」
「そっか。」
侍女がお茶を用意してくれました。
「じゃあ、今後の話をしようか。」
「はい、お父様。」
お父様が苦笑いしながら頭を撫でてくれるのですが…
「メイ、学院だが…」
「はい。」
「休学ではなくて卒業…しないか?」
「え?」
「メイは学習課程を終わらせて卒業資格をもらって卒業をする。」
「学院にはもう…行けないのですね?」
「そうだね。卒業までの試験を全て受けて、卒業するんだよ。」
「お父様、理由をお聞きしても?」
「学院での噂はもう嵌められたということが周知されている。ただ、今後もまた悪意に晒されるかもしれない。」
「そうかもしれません。」
「だが、王家に不敬を働いたと言われてしまっては良くないだろう?」
「はい…」
私のためなのね…
わかっているつもりでもやっぱり寂しいわ。
お友達も会えなくなるのね。
「わかりました。」
「そうか。」
お父様も辛そうだもの。
わがまま言ってはいけないわ。
「試験はいつからですか?」
「それは明日学院で話そう。」
「お父様も一緒に?」
「そうだ。私も学院には一緒に行くよ。」
「良かった、一人じゃなくて。」
「メイが私よりも先に卒業してしまうのか…」
「アークお兄様、寂しいですか?」
「寂しいよ。一緒に学院行ったり帰ったり出来なくなるのかー」
「私も寂しいです。」
「そうだよね。一緒に帰りましょうって聞けなくなるなんて寂しいよ。」
「ふふふ。」
「メイが卒業したら王城にある離宮に住むから私と父上はたくさん会えるかもしれないね。」
そっか。
お父様もジャンお兄様も王城勤めだったわね。
「それなら一緒にお茶がしたいです。」
「いいね、楽しみだ。」
「ちょっと兄上ずるい!」
「アークはずっと一緒に学院に行っていたのだからずるくないだろ?」
「そうだぞ?私達だってもっとメイと一緒にいたいのだから。」
「私は家族みんなで一緒にいたいわ。」
本当にずっと一緒にいたいわ。




