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第二王子に想われる悪役令嬢1

【第二王子 ラルフ】

初めて彼女の存在を認識したのは彼女が3歳だった。


3歳にして優秀だ。


はっきり言葉を話をしているし、マナーもしっかりしていた。


アークとコールマン公爵がいうには天才だと。


2歳で文字と計算がわかり、


1人で本が読める。


そんな2歳がいるものか。


そして彼女が3歳になり、


誕生日パーティが行われた。


驚くほど可愛い令嬢だった。


アークとコールマン公爵が自慢するわけだ。


自分の妹だったら溺愛する自信がある。


そして彼女が6歳になり、彼女の姉ミリム嬢の誕生日パーティで本当に一瞬だけメイリン嬢を見かけた。


父上はメイリン嬢の2歳の頃から婚約の申し出をしていたらしい。


小さいからと毎回断られているそうだ。


それにしても6歳か…


あれから3年でこれほど成長するのだな。


6歳にして所作がこんなに美しいのか。


他家との挨拶を終えるとすぐに屋敷に戻ってしまったのだ。


可憐…その言葉がしっくりきた。


それからしばらくメイリン嬢を見かけることはなかった。


次にちゃんと会ったのは彼女が10歳になっていた。


王城で開かれる茶会に参加するという。


久しぶりにメイリン嬢を目にした。


驚くほど美しくなっていた。


茶会が始まる少し前、注目を浴びている。


隣にいる兄上も表情を変えないが、


恐らく彼女を見ている。


兄上はあまり社交的とはいえない。


彼女がコールマン公爵夫人のそばを離れて薔薇園に向かった。


どうしても気になってしまったのであとを追いかけた。


奥のほうに行くとメイリン嬢が小鳥と戯れているではないか。


少しの間その光景に見惚れてしまった。


本当に美しくなった。


可憐で聡明で…


これでは他の令嬢が劣るのは当たり前だろう。


そろそろ茶会が始まる為、声をかけた。


せっかくの機会だ。


会場までのエスコートをすることにした。


夫人の所まで。


茶会が始まった頃にメイリン嬢に声をかけている奴を見た。


なぜか、少し苛立っているように感じて声をかけることにした。


彼はあまり評判の悪い奴だった。


話を聞いた所、


彼はコールマン公爵家に先触れもなく押しかけて、


彼女に会いに行ったらしい。


マナーも悪くて困っていたそうだ。


少し話していたら兄上も声をかけていた。


メイリン嬢に関わる事を知っていたようで、


少し悔しく思った。


他にも挨拶に回らなければならないのでその場を離れた。


音楽が始まった頃に、


公爵夫人とメイリン嬢が会場を出ていこうとしていた。


慌ててダンスに誘った。


彼女がダンスを習っていることは聞いていたので、


踊ろうと思ったのだ。


そして牽制になればと…


踊ってみると、


素晴らしいレベルだった。


楽しく思ったので、


また会いたいと言ってみた。


曖昧に断られてしまった。







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