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悪役令嬢にならないように頑張るご令嬢  作者: MEIMEI
婚約式までのカウントダウン
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事件の詳細を話す兄

【兄 ジャン】


色々と調べると、おかしな事がどんどん出てきた。


実行犯がメイドはわかっていたが、協力者と指示役と首謀者がいるという。


メイに言われた通りに調べてみると、怪しい人物がどんどんあがり始めた。


側近からある令嬢、その上にその兄、兄の友人、その妹など多くが関わっていた。


令嬢のうち2人はメイの友人と聞いていた令嬢だった。


「私がラルフ殿下と結婚するはずだったじゃない!」


確かに、ラルフ殿下がメイに婚約の申込みをする前にセイラ嬢が婚約者の有力候補だと言われていた。


「そもそも、私がメイリンよりもちやほやされている筋書きだったはずなのよ!」


クリス嬢はよくわからない事を言っている。


「そんな筋書きはない。」


「あるわよ!ラノベでは私がヒロインだったのだから!」


「ラノベ?ヒロイン?なんの話だ?」


「メイリンは悪役令嬢で、それ以外のイケメンは私に夢中になるはずだったのよ!」


「何を言っているかよくわからないのだが?」


妄想癖でもあるのか?


「メイリンは性格が悪くて、隠れて私に意地悪する悪役令嬢のはずだったんだから。」


「メイはそんなことをしないが?」


「本来なら、メイリンの誕生日パーティで断罪されるはずよ!」


身分も下のくせに、メイリンを呼び捨てなど不敬だ。


「あー…クリス嬢。メイは君よりも身分が高いのに随分と馴れ馴れしく呼び捨てするのだな?」


「え…」


「私がメイの兄で公爵家の嫡男だとわかって発言しているのか?」


この令嬢達がメイの友達だと?


話を聞けば聞くほど腹がたった。


メイの初めての友達で、あんなに嬉しそうにしていたのだが。


自分は異世界から転生してきて、ここは小説の中の世界だと。


だから、本当は自分が主人公でメイは断罪される悪役令嬢だったという。


頭がおかしいな。


幼い時のお茶会で知り合ってどーのこーのと…


煩い女だな。


クリス嬢もセイラ嬢も殿下達や私達兄弟に婚約の話があがったことのある令嬢だ。


メイの友人でとても優しくしてくれていると聞いて婚約の話が浮上していた。


私が20歳の時に身分と性格の悪さなどの評判が悪くて断ったことがある。


今回の件で処刑か貴族の身分を剥奪して平民として国外追放となるだろう。


親族は連座だろうな。


不敬罪以外にもたくさんの罪状があるからだ。


「ジャン様、私は何もしていないわ!全部クリスのせいよ!」


「セイラ様、何を言っているのでしょうか?私は何もしていないじゃないですか?」


「クリス嬢。メイドが御者からチョコレートを受け取りました。御者が貴方からメイドに渡すように言われたそうですが?」


「それはっ…」


「それは?」


「セイラ様がそうするように言われただけで…」


「私?私にそんな計画を立てるようにあなたが情報を得たのでしょう?」


「違うわ!そもそもレイ様から殿下が婚約したと言ったんじゃない!」


「見苦しい。とにかく、この件に関わった者は全て処分される。」


「待ってください!」


「なんだ?」


ラルフ殿下の側近か…


「レイは許してもらえませんか?」


「なぜ?」


「彼女は私の情報を流しただけなんです!」


「機密情報を流していた事に変わりはない。」


「脅されたんです!」


「私からすれば罪は罪だ。」


「そんなっ…」


「まぁ…どの程度の処分をされるかは私の管轄ではないがな。全員1人ずつ廊に入れておけ。」


あとの処理は近衛兵に任せて、アダム殿下の執務室に向かった。


「遅くなりました。」


「ご苦労。どうだったんだ?」


「ラルフ殿下の側近と幼馴染、メイの友人など9名を捕縛したよ。」


「ようやく解決したのか…」


今回の事件の詳細を話した。


「あー…胸糞悪い。」


少しすると、父上とジャンとラルフ殿下がやって来て今回の件を説明。


「なんだ、その頭のおかしな娘は?」


「メイリンが悪役令嬢なはずがないだろう。」


「で、どう処分するんだ?」


「責任持って陛下と決めますよ。」


「情報漏洩も不敬罪も侮辱罪もあるし、あるからね。」


「まぁ…側近に関しては処刑まではいかないだろうが。」


「あいつがそんな事をしているとは…」


「ラルフ。側近をすぐに補充しろ。早めに決めないと仕事に差し支えるぞ?」


「わかってます。ジャン、候補を選んでくれ。」


「はいはい。」


「しかし…メイは大丈夫だろうか?」


「そうだな…メイリンが人間不信にならなければいいのだが。」


「そういえば、アダム殿下は本当に婚約者を決めないのですか?」


あー…


最近、ミリムとどうなんだろうか…


なんか気になってるっぽいんだよね?


「えーっと…まだそういう話は…」


「アーク。アダム殿下、申し訳ありません。」


「父上、大丈夫ですよ。考えているようですから。」


「ジャン!?」


「だってメイを見ても穏やかな顔して見てるじゃない?」


「え?兄上、そうなのですか?」


「あー…まぁ…」


ほら、顔が赤くなってるし。


これはひょっとしたら、姉妹で婚約になるかもしれないな。


自覚がないみたいだけど。


父上はキレるかなー…


でも、正直ミリムが一番条件がいいんだよね。


姉妹でっていうのは前例がないけど、


他国に嫁ぐよりもよっぽどいい。


もちろん幼馴染で仲も良いし。


最初は断られて驚いていたけど、あの時のミリムはメイと同じような状況で申込みがありすぎて全部断っていたからね。


本気で断ってはいなかった。


「ジャン、何を考えているんだ?」


あー…


「すいません。今メイのフォローを考えていました。」


「そうだな…誕生日が近かったから早めに離宮に戻らせよう。」


「なぜ!?まだうちにいてもいいでしょう?」


「婚約の解消の噂を何とかするためには離宮にいたほうがいい。今のままだと不審者が多くて困る。」


「そうなのか?」


不審者?


私は聞いたことがないのだが?


「父上、どういうことですか?」


「あー…近衛兵が何度か不審者を獲らえていた。」


「それはメイが目当て?」


「まぁ、そういうことだ。追い返されるから忍び込もうとしてたらしい。」


「忍び込んで攫うつもりだったのか?」


「いや、一目会いたいだけだった。」


「それだけ?」


会ってどうするつもりだったのだろうか?


貞操の危機があったのだろうか?


「コールマン公爵。早急にメイリンを離宮に戻らせてくれ。」


「離宮も心配なんですが?」


「そうですね…必ずしも安全とは言い難い。」


「いや、近衛兵を庭に3人と部屋の外に2人、中に3人護衛をつけるつもりだ。」


「護衛を3人?」


「女性の近衛兵を3人護衛につける。1人は侍女として中に控える事になった。」


なるほど。


「近衛兵が侍女って…大丈夫なのか?」


「メイリンが離宮を出てからすぐに教育した。」


「侍女だけでは不安だからな。ちゃんとそれぞれ交代要員も準備している。」


「はぁ…そうか。」


「それと、私達が毎日交代で客室で執務をすることになった。」


「え?殿下が?それはそれで危険だろ?」


「…バカを言うな。お前達側近も一緒だ。」


「兄上。それくらいは信用していいと思うよ?」


「いや…殿下達も危険だと思うが。」


どこの誰だとしても父上は心配するだろうけどね。


「コールマン公爵家はもう少し信用してもいいと思うのだが。」


「信用はしているのですが…」


「メイの事だけはとにかく心配なんだよ。」


「そうだな。2歳の頃から攫われる事があったし、未遂も多かったからね。」


「まぁ…とにかく早急に頼む。」


「「「はい」」」


仕事を終えて3人で屋敷に戻った。


「メイには結果だけ伝えればいい?」


「いや…私が話すよ。」


「兄上が?」


「あぁ。」


「ジャン、任せたぞ。」


さて、どう話そうかな。






「メイ、ちょっといいか?」


「ジャンお兄様、おかえりなさい!どうぞ。」


「解決したよ。」


「…良かったです。」


犯人と罪状など詳細を話した。


「そうですか…」


「メイ…」


「大丈夫ですよ。」


やはり辛そうだ。


結果だけでいいかと思ったが、こういう事があると覚えたほうがいいだろうと思った。


「メイ、無理に笑わなくてもいいぞ?」


「はい、お兄様…」


泣きそうだったから抱きしめてやった。


「少しお茶でも飲もうか。」


「はい。」


お茶の準備をさせた。


メイの友達はあと2人いたはずだな。


「確かメイの友達はあと2人いたね。」


「はい。ただ、あまり会う機会がないので気にしないようにします。」


「いいのか?」


「はい。友達といっても学院以外で会った事はありませんでしたから。」


「そうか…」


「はい。私にはお兄様達とお父様とお母様とお姉様がいますから…」


メイが無理をしているのはわかるが、仕方がない。


可哀想だが…


「友達は婚約式後にパーティやお茶会で作るといい。ミリムと一緒ならすぐに出来るだろう。」


「そんなにすぐ出来ますか?私にはお友達なんて…」


「大丈夫。問題がありそうな者達は近づけないようにするから。」


「はい。」


「そうだ。早めに離宮に戻る事になったよ。」


「そうなんですね。じゃあ早く準備しないと。」


「そうだな。離宮の警護は厳重にするから心配いらないよ。」


「わかりました。」


大丈夫そうだな…


あー…そろそろ、アークとミリムと3人で誕生日プレゼントを選ばないとだな。


「明日か明後日に離宮に戻るから仕度しておくんだよ。」


「はい。」


無理した笑顔を横目に部屋を出た。


タイトル難しいな。

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