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悪役令嬢にならないように頑張るご令嬢  作者: MEIMEI
婚約式までのカウントダウン
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家族団欒を楽しむ悪役令嬢

これから家族でお茶をします。


お姉様やお母様は久しぶりだわ。


『メイリン様。楽しそうですね?』


「家族に会えるのだもの。とても楽しみで。」


『そうですよね?メイリン様の年齢で家族と離れて暮らすなんて稀ですもの。』


「確かにそうよね。」


『そろそろいらっしゃいますね。』


「えぇ。」


アークお兄様は少しは疲れとれたかしら?


昨日はだいぶ疲れているみたいだったもの。


でも、内通者と噂の調査を執務をしながらやっているのだから大変よね…


私のせいなのに申し訳がないわ…


『メイリン様。いらっしゃいましたよ。』


「はい、すぐに行きます!」


客室に急ぎました。


「「メイっ!」」


「お母様!お姉様!」


「久しぶりね、メイ。また綺麗になったんじゃない?」


「そうでしょうか?」


「あら、メイは随分と綺麗になったわ。婚約したからかしら?」


「そうね、ラルフ殿下のおかげで綺麗になったのかもしれないわね。」


「ふふっ。」


「「「メイっ!」」」


「お父様!ジャンお兄様!アークお兄様!」


「メイ、今日も可愛いな!」


「ふふっ、みんなで褒めすぎよ?」


「褒めたりないぞ?」


「そうかしら?お母様もお姉様も美しいのに私ばっかり褒められているもの。」


「確かにそうよね?メイには敵わないけど、たまには褒めて欲しいわ。」


「え…」


「私もたまには褒めてもらおうかしら。」


「シエルもミリムも美しいに決まっている。」


「褒めるのを強要するのか…」


「ふふっ。アークお兄様、疲れは取れましたか?」


「昨日は帰ってぐっすりと寝れたからね。」


「え、アークは昨日メイと会っていたの?」


「ラルフ殿下がすっかり落ち込んで仕事にならなかったんだ。」


「ふふっ、昨日はラルフ様とお茶をするはずで…」


アークお兄様と昨日の話をして、近況の話をしていました。


「なかなか解決しなくてすまない。」


「いえ、私の事は気にしないでください。お仕事をしながらですもの、仕方がないです。」


「あー…父上。これを。」


アークお兄様が鞄から書類を出してお父様に渡しました。


「これは?」


「少し気になる人物です。」


お仕事の話なのね。


「あー…この侯爵か。」


「なるほど。」


ジャンお兄様も書類に目を通していました。


「姉上からも侯爵令嬢のドレスが最近は派手になったと聞いています。」


「この侯爵の調査を進めようと思うのですが。」


「いや、私が進めよう。」


「お父様が調査を?」


「陛下も気にしている。それに度々執務室に来るんだ。」


「何をしに来るんですか?」


「婚約の話だ。最近、私にも会いに来る。」


「まだ諦めてないのか…」


「お兄様達にも婚約の話を?」


「そうだ。ただ、私も陛下も誰にでも申込みをするなんて信用に値しないと思って断り続けている。」


「殿下達にも同じ話をされているのね?」


「あぁ。殿下達やジャンにもアークにも申し込んでいるなんて本当に見境がない。」


「そうですわね。でも羽振りがいいのはなぜかしら?」


お姉様とお母様も書類を見て首を傾げました。


「私も最近金回りがいいと聞いています。」


「アークもジャンも直接侯爵に関わらないようにしてくれ。」


「わかりました。」


「ジャンはどうだ?」


「ラルフ殿下の側近がその侯爵と繋がりがありそうです。」


話を聞いていると、


「この彼はラルフ殿下の側近よね?」


「ミリム?」


「姉上は何か知っているのですか?」


「この彼、侯爵令嬢の取り巻きと一緒にいなかったかしら?」


「いつの話だ?」


「メイが離宮に行く前にパーティで見たことがあるわ。ね、お母様。」


「そうだったかしら…?でも侯爵夫人なら先日お茶会で会ったわよ?すごく大きな宝石の指輪をしていたから目立ってたわ。」


「そんなに目立つ指輪なんですか?」


「すごく大きなサファイアでね、とても珍しいの。」


「そうなのですか。」


すごく高い宝石なのね?


「とりあえず、ジャンはその令嬢をアークは側近を調べてくれ。」


「わかりました。」


少し進展したのかしら?


「ところでメイ。ラルフ殿下から婚約の指輪はもらった?」


「婚約の指輪ですか?婚約式でもらうのですよね?」


「婚約の申込みをして受けてもらった時に指輪をプレゼントするのよ。」


「そうなのですね?私はまだ正式に婚約をしていない事になるのですか?」


「いや、そうではないが…」


「婚約を決めてから色々ありましたし、落ち着いてからでいいのではないでしょうか?」


「確かに落ち着く暇がなかったのは間違いないな…」


それに宝飾品にあまり興味はないし…


「でも、それはちゃんとしてもらわないと駄目よ?」


「そうだな。アークは殿下からその話をされていないのか?」


「あー…全くないですね。」


「じゃあ、ラルフ殿下に話しておいてくれ。」


「それでは催促しているようで…」


「メイ、これは当たり前のことだから催促ではないよ。」


そうなのかしら…?


「でも、ラルフ様が今指輪を買ってしまったら婚約したのがわかってしまいますけど…」


「あー…それもそうだな。」


「ですからもし頂けるなら、公表してからのほうがいいかと思います。」


「そうね。アークは公表することになったら殿下に準備をするように伝えるのよ?」


「わかってます。」


良かった…ひょっとしたらラルフ様が責められてしまうもの。


それにしてもあのご令嬢はあんなに私を睨みつけていたけど、


そんなに単純なことなのかしら?


「メイ、どうした?」


「え?いえ…そんなにわかりやすいことなのかと…?」


「わかりやすいか?」


「ご令嬢が噂を流したなら疑いを持たれるのは当たり前ですし…羽振りがいいのとは別に何かあるのではないでしょうか?」


「まぁ…一理あるな。そうだった場合はまた振り出しに戻ってしまうな?」


「メイはずっと聞いていて何か気になることはあるかい?」


「私は…」


内通者がラルフ様の側近だとすると…


「お姉様が言っていた取り巻きの方が気になります。」


「令嬢の取り巻き?」


「はい。ご令嬢の取り巻きの方と側近の方に繋がりがあるのなら。」


「そういえば、彼女のお父様は…」


お姉様が言うには、取り巻きのご令嬢のお父様はお父様と一緒に働いている方だとか…


「アーク。調べてくれ。」


「…はい。」


「メイは心配しなくていい。」


「はい…」


いつも私の知らない所でこんな風に大変なお仕事をしているのね…


本当に私は何も出来ないのね。


守られているのが仕事だと言うけれど…


「メイ。家族なのだから、気になることは言って?」


「いえ…もどかしく思っただけです。」


「もどかしい?」


「私に関係することなのに、離宮で守られているだけで…」


「メイも何かしたいのかい?」


「はい…何も出来ないのはやはり…」


こんなにみんなで色々とやってくれているのに…


「そうか…そうだよな?」


「じゃあ、資料を見てまとめてもらうのはどうかな?」


「資料をまとめる?」


「こうやって全員でお茶をするのは頻繁には出来ないし、調査資料を見て考察するのはどうかな。」


「そうだな…メイが何かしたいと言うなら、それが一番いいかもしれない。」


「そうね。メイは頭もいいし、資料を読んでまとめてくれたら整理出来て犯人がわかるかも!」


「そういえば、ちゃんと内容を話したことはなかったな?」


「はい。いつも気をつけるようにと…」


「メイに資料を届けるとメイがまとめたものを共有出来るし、メイが気になる所も調べられるな?」


「どうだ?これならメイはいいか?」


「はい!」


少しは役に立てる!


「さぁ、情報共有もしましたしお茶を楽しみましょう?」


その後はお姉様達のお茶会やパーティの話を聞いたり、


お父様やお兄様達に陛下と殿下達との話を聞いたりしました。


「メイは暗いところはもう平気か?ちゃんと眠っている?」


「はい、だいぶ良くなりました。」


日暮れにはカーテンを締めているし、夜はずっと明かりをつけたまま。


侍女達に横にいてもらうことはなくなりました。


たまにうなされて起きることもあるけど、以前ほどはありません。


「メイ…怖い思いばかりさせてすまないな。」


お父様がギュッと抱きしめてくれました。


お父様の匂いがします…


とても安心出来ます…


「メイは相変わらずお父様が好きなのね。」


「はい!お父様もお母様もお姉様もジャンお兄様もアークお兄様も大好きです!」


「あぁ…どうしようかな。殿下にメイが…やっぱりやめない?」


「ふふっ、ジャンお兄様。殿下じゃなくても結婚するのよ?」


「確かにそうだけど…」


「ずっと秘密にしていたらこんな事にはならなかったのかしら?」


「お母様…それでは監禁されているようですわ。」


「それもそうね。」


「わかっていても近くにいて欲しいわ。」


「本当に。」


「私達の大事な天使だからね。」


ふふっ。


「はぁ…そろそろ時間か。」


「そうですね。」


「まぁ、仕事があるからな。」


家族団欒はこうして終わりました。


資料を見て、侯爵はシーラン侯爵。


ご令嬢がジャネット様。


取り巻きの方がカーペンター男爵令嬢のレイ様。


ラルフ様の側近の方がノーラン侯爵令息のマイケル様。


ジャネット様とレイ様が仲が良くて、


レイ様とマイケル様が幼馴染…


あら、マイケル様は婚約をしているのね。


マイケル様にはお兄様がいて、お兄様がデビット様。


ジャネット様のお兄様がナイル様。


レイ様のお兄様がマックス様とジェイ様。


皆様にはそれぞれお兄様がいらっしゃるのね?


ナイル様とジェイ様とデビット様それぞれジャンお兄様と同じ年齢なのね?


この年齢は結婚に興味があまりないのかしら?


私にもし、関係があるとすればジャネット様とレイ様?


殿下達と婚約したいのだものね?


あら…


レイ様のお兄様は王城で働いているのね?


ナイル様は図書館で働いているみたい。


少しずつ繋がる所が見えてきたので関係図を書いてお父様とお兄様達に送りました。


ジャンお兄様がすぐにありがとうとお手紙がきました。


役に立てるのはとても嬉しい…


その後は少し休憩にバイオリンを弾きました。


もし、噂の調査が長引いて婚約式が延期になったら…


それに婚約が無くなることだってあるかもしれない。


噂が無くならなくて、殿下達が噂を信じてしまったりするかもしれない…


わからなくても不安だけど、


わかっていても不安なのね…

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