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悪役令嬢にならないように頑張るご令嬢  作者: MEIMEI
婚約式までのカウントダウン
153/187

パーティでちゃんとエスコートされる悪役令嬢①

いよいよ、今日はパーティです。


仕立て屋さんとお姉様がいらっしゃいました。


「メイ、お待たせ!」


「ふふっ。お姉様、ごきげんよう。」


「今日のパーティのドレスは出来たわよ。」


「まあ!そんなに早く?」


「ふふっ、急いでもらったもの。」


「そうなのですか。仕立て屋さん、ありがとう。」


『いえ、おふたりのドレスを仕立てられて嬉しいです。』


「今までにないドレスを次からは着られるわよ。」


お姉様はとても楽しそう。


「それはとても嬉しいです。でも仕立て屋さん、無理をしないでくださいね?」


『お気遣いありがとうございます!ですが、私達もあのようなデザインのドレスを仕立てるのが楽しいですよ。』


「ふふっ、そうでしょう?メイの読んだ物語の挿し絵にあったドレスは素敵よね。」


「お姉様が気に入って良かったです。」


「じゃあ早速着替えましょう?」


「はい。」


お姉様が一緒で良かったわ…


パーティでエスコートされるなんて初めてだから、とても緊張しています。


「メイ?どうしたの?」


「いえ、緊張して…」


「あら、どうして?」


「パーティは久しぶりですし、エスコートされて参加なんて初めてで…」


「そうだったかしら?」


「はい…」


困ったわ…


マナーは問題ないけれど、


うまく出来るかしら?


「大丈夫よ。ラルフ殿下がちゃんとリードしてくれるわ。」


「あ…そうですよね?」


「それより早く着替えましょう?」


「はい。」


出来上がったドレスはとても素敵でした。


お姉様が流行りのデザインを選んで、とても綺麗な生地で…


「お姉様…お待たせしてすいません。お姉様のお色ですけど大丈夫かしら?」


「素敵!なんて美しいのかしら!」


「本当ですか?良かった…」


お姉様が言うのなら大丈夫よね?


「はぁ…私の妹はなぜこんなに美しいのかしら?」


「お姉様。いつも言って頂いていますが、大袈裟です…」


流石に恥ずかしい…


「そんなことはないわよ?こんなに美しいと少しでも殿下と離れたら大変だわ。」


「それを言ったらお姉様だってとても綺麗です。」


「ふふっ、メイと一緒に参加するなんて嬉しいわ。」


「私も心強いです。」


「頑張りましょうね?メイはお勉強なのだから。」


お勉強よね?


そうよね?


「はい、頑張ります。」


お姉様と一緒に客室に向かいました。


殿下達がお迎えに来てくれるのです。


はぁ…


やっぱり緊張します…


「ふふっ、メイ。緊張しすぎよ?」


お姉様が震えていた手を握ってくれました。


「冷たいわ。そんなに緊張しなくていいわよ、大丈夫。」


「はい…」


「大丈夫よ。それに私にはジャンお兄様、メイにはアークが護衛としているわ。」


「そうですよね…」


「もう…可愛らしいんだから!」


お姉様にぎゅうぎゅうされています。


ふふっ。


『メイリン様、ミリム様。殿下達がいらっしゃいました。』


「では行きましょう。」


「はい、お姉様。」


お姉様がのぎゅうぎゅうと抱きしめてくれたので、少し緊張がほぐれました。


「アダム殿下、ラルフ殿下。お待たせいたしました。」


「本日はよろしくお願いいたします。」


「「………」」


「お姉様?殿下達がまた固まってしまいました…」


「本当に固まるのね?思った以上に固まっているわ。」


「アダム殿下。」


「ラルフ様?」


「メイ!ミリム!」


「メイ!姉上!」


「お兄様!殿下達が固まってしまったの…」


「「またかっ、!?」」


「はい。」


「それにしても…2人ともとても綺麗だ!」


「2人とも殿下達と絶対に離れないでくれよ?」


「はい。」


「さて、兄上。殿下達はどうする?」


「殿下達を放置して私達がエスコートしようか。」


「「待て待て待て待て!?」」


「あら、戻ってきたわ。」


「ふふっ。」


「すまない……」


「はぁ…美しすぎるから仕方がないだろ?」


「毎回固まるのやめてくださいよ。」


「いや、固まりたくて固まるわけではないからな?」


「殿下達、いい加減エスコートして頂かないと遅れてしまいますわよ。」


「あ…」


「そうだな。ではミリム嬢、手を。」


「はい、アダム殿下。」


お姉様、綺麗…


「ではメイリンも。」


「はい、ラルフ殿下。」


「私達は後ろに控えているからね。」


「はい、アークお兄様。」


「お兄様とアークも気をつけるのよ?護衛なんだから。」


「言われなくても。」


少しの距離しかないのに馬車が…


「メイリン、2人をエスコートするには馬車が必要なのだ。」


「そうなのですか?」


「2人とも貴族達の羨望を受けるからね?」


「羨望?」


「身分、容姿、殿下達のエスコート。これだけ揃えばね。」


「そういうことだ。」


「怖いのですね…」


「だから護衛が必要なんだ。常に殿下達と一緒にいてくれよ」


「わかりました。」


馬車に乗り込みました。


「メイリンはそんなに緊張しているのか?」


「ラルフ殿下。貴族令嬢の鑑と言われてますもの。表情じゃわからないと思いますわ?」


「それもそうだな…」


「メイの手を握ればわかりますわよ?」


「えっ?」


「そうか。じゃあ…手を貸して?」


「はい…」


「冷たっ!?」


「申し訳ありませんっ」


「ね?冷たいでしょう?」


「あぁ、驚いた。」


「メイはエスコートされてパーティやお茶会に参加したことありませんもの。」


「ないのか!?」


「はい…卒業パーティでエスコートされたくらいで。」


「あれはエスコートとは言わないな。」


「ラルフ殿下、ちゃんとリードしてあげてくださいね?」


「わかっている。」


ラルフ様が顔を引き締めました。


でも…いつ手を離してくれるのかしら?


「ふふっ、メイ。そのままでもいいのよ?」


「えっ?」


「ラルフ。手を握ったままだからメイリンが困っているぞ。」


「あ…すまない。」


「いえ、温まりました…」


「はぁ…メイが可愛すぎる!」


「そうだな。でも、ミリムも可愛らしいと思うが。」


「あ…ありがとうございます、アダム殿下。」


「ミリム嬢も照れるのだな?初めて見た。」


「そうなのですか?」


「私だって褒められれば照れますよ。失礼な…」


「すまない…」


「やっぱりお姉様もとても可愛らしいです!」


「ふふっ。」


「あー…なんだか、心配になってきたな。」


「アダム様?」


「2人とも絶対に離れるな。私達も離れないつもりだが…隙を狙われそうだ。」


「そうですね。腕を組んでいようか。」


「それは駄目だな。まだ候補だということにしなければならない。」


「あ。」


「腕は組まなくても必ず離すなよ。」


「はい、兄上。」


こうやって守られていたのね…


「殿下達やお兄様達に守られるなんて贅沢よね?」


「そうですね。」


胸がぎゅーっとなりました。


「大丈夫か?」


「はい。なんだか胸がぎゅーってなってしまって…」


「可愛い!」


「メイリンは出来るだけ会話は避けたほうがいいな。」


「卒業パーティでもそうしたのですが…」


「駄目だったか?」


「挨拶をしない訳にはいかなくて会釈だけにしました。それでも駄目でした。」


「そうですわね?メイは微笑むだけで悪い虫がたくさん…」


「お姉様、虫だなんて…」


「いや、虫だな。」


「…そうですね。」


失礼ではないかしら?


「メイリンはエスコートしていても割り込もうとするヤツがいるから気をつけろ?」


「あ、はい。でもラルフ様と一緒にいれば大丈夫ですよね?」


「まぁ、そうだな。」


「ラルフ、自信ないのか?」


「えっ?」


「ふふっ。大丈夫よ、メイ。これからずっとメイを守るのだから。」


「ラルフ様、守ってくれるのですよね?」


「うっ…それはもちろんだ。」


「ちゃんと守れよ?」


「わかってます。」


大丈夫よね?


「メイリン、そんなに不安そうな顔をするな。」


「はい…」


「ラルフ。今のはお前が悪い」


「メイリン、すまない。大丈夫だ。必ず守ってみせるから。」


「それに私やジャン達もいるのだから心配するな?」


「はい。」


それに、私も警戒していれば大丈夫よね?


馬車が到着しました。


離宮からなので、すぐでした。


馬車からアダム様とラルフ様が先に降りて、


お姉様と私がそれぞれエスコートされる事になっています。


お兄様達も後ろに控えているし、


護衛もしっかりと控えています。


なんとなく物々しいけれど仕方がないですね。


「さぁ、メイリン。行こう。」


「はい、ラルフ様。」


「くっ…」


ふふっ、今固まらなくて良かったわ。


周囲に人だかりが出来てしまったから…


「メイリン、大丈夫か?」


「はい。」


「ミリム嬢は平気?」


「ふふっ、私は慣れてますから。」


「そういえばそうだな。」


「姉上もアダム殿下も油断しないでくださいよ。」


「特にラルフ殿下。メイリンが離れないように気をつけて。」


「わかっている!」


「アークお兄様、必ず後ろにいてくださいね?」


「もちろんだ。」


揃って会場に向かいました。

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