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悪役令嬢の望みを叶える第二王子③

【第二王子 ラルフ】


目が覚めたらテントの外で声がした。


焚き火の前で、兄上とジャンがメイリンと話をしていた。


「おはよう。今日は体調が良さそうだ。」


「おはようございます、ラルフ様。今日はすっきり目が覚めました。」


「そうか。それは良かった。」


「メイが嬉しそうで何よりだ。」


「お姉様とお母様と一緒でしたから。」


「ふふっ、私達もメイと一緒で嬉しいわ。」


「さて、朝食を食べたら出発しようか。昼には到着するよ。」


「楽しみです!」


朝食を食べて出発した。


「メイリンは楽しそうだな?」


「はい、とても楽しいです。」


「メイは海で何が楽しみなの?」


「アダム様とジャンお兄様が泳ぎを教えてくださるのです。」


「兄上が?」


「朝話していたら泳げないと聞いたからな。」


「はい。」


「私が教えるぞ?」


「ラルフはあまり得意ではなかっただろう?」


「うっ」


「そうなのですね。ラルフ様も一緒に教わりますか?」


「それはいい。どうだ?」


「あー…そうですね…」


「あら、では私も教わろうかしら。」


「はい、ぜひ。」


メイリンは泳ぎを学ぶそうだ。


本当に勉強するのが好きだな。


「メイがいつもどのように学んで習得しているのか見てみたいもの。」


「それは私も見たいな…」


「ふふっ」


「メイリンは王城で会う時の令嬢としての印象とだいぶ違うな。」


「そうですね。私もメイリンと初めて会ったときの印象とだいぶ違うかもしれません。」


「私達にはこんなに可愛いのです。本当に我が家以外で見せたくなかったのに…」


「そのような理由だったのですか?」


「それだけの理由ではないわよ?」


「そうですか…」


「確かに、あまり知られたくないな。」


「そうですね。」


その後は海に着くまで海の話をした。


到着してメイリンをエスコートした。


「さぁ、メイリン。」


「はい、ラルフ様。」


兄上はミリム嬢をエスコートしている。


「メイ、早速着替えて来ましょう?」


「はい、お姉様。」


「では私達も着替えて来る。」


「後でな。」


「はい。」


メイリンの水着か…


少ししてメイリンとミリム嬢が…


「「メイリン、ミリム嬢!」」


「ラルフ様、アダム様。お待たせして申し訳ありません。」


「メイリンもミリム嬢も美しい…」


「……」


こんなに美しいのか…


「メイ!姉上!2人共とても似合うよ。」


「本当に私の妹達は美しいな…」


「ふふっ、ありがとうございます。」


「ありがとうございます」


「メイは女神のように美しいでしょう?」


「本当に。だが、ミリム嬢もとても綺麗だ…」


「ラルフ様?」


まるで人魚姫ではないか…


美しい…


この美しい人魚姫が私の婚約者…


人魚姫…


女神でもあるな。


驚くことに、これで13歳なのだ。


ミリム嬢も美しいが、メイリンのこの美しさは一体…


「ラルフ殿下。いい加減戻ってくださいよ。」


「…はっ!?」


「ラルフ様…見すぎです。」


「すまない、あまりにも美しすぎて…」


「まぁ、わからないでもないですけど。」


だろうな…


メイリンやミリム嬢より美しい女性は見たことがない。


「はぁ…なぜメイは私の妹なのだろうか?」


アークやジャンがメイリンの兄でなかったら…


私と婚約してくれなかったかもしれない。


それは困る!


「アーク、ジャンもそうだがメイと他の令嬢を比べると結婚出来ないぞ?」


「お兄様もアークもメイばかり褒めるのだから。」


「ミリムも他の令嬢と比べるととても美しいからね?」


「そうだよ。メイが生まれる前は姉上以上に美しい令嬢がいなかったからね。」


「アークもジャンもミリムより素晴らしい女性じゃないと婚約しないと言い張っていたしな。」


「ふふっ、お姉様お美しいですもの。私もお姉様のようになりたかったのよ。」


「メイはミリムから離れなかったものね?」


「メイリンもミリム嬢も他の令嬢と比べると本当に美しいと思っていたぞ?」


「そうだな、メイリンが生まれる前はミリム嬢なら婚約してもいいと思った。」


照れたのだろうか?


急にミリム嬢が話を変えた。


「じゃあ、メイ。海に入りましょう?」


「はい、お姉様!」


「私達も行こう。」


海に入るとメイリンは思った以上にはしゃいでいた。


この旅でメイリンがはしゃぐ姿を見て、可愛く見えて仕方がない。


が、水着姿を見ると13歳に見えない。


思考が戻った所で可愛い会話が聞こえた。


「わあ!とてもふわふわしているのですね?」


「ふわふわ?」


「なんだか、浮かぶような感じです!」


「それは面白い感想だな。」


「これは私も浮かぶのではないでしょうか?」


「浮くと思うぞ」


「浮かびました!」


「メイリン、あまり浮かぶとラルフが固まる。」


「ラルフ様が?」


「(メイ、浮かぶとお胸が目立つのよ?)」


「……」


「メイ、ラルフ殿下は気にするな?」


「そうだぞ?どうせろくなことを考えていないからね」


「あー…まぁ、わからないでもないが。とりあえず、泳ぐ練習でもしようか?」


「はい!」


ろくなこと…


まぁ…遠からずだな。


メイリンは兄上やジャンが教えた通りに泳ぐ練習をしている。


こうして色々なことを習得しているのか。


「(まるで人魚のような美しい姉妹だな?)」


「(当たり前でしょう。)」


「(美しいのは知っているが…)」


「(殿下達は一体どこを見ているんだか…)」


「(うるさいぞ、お前達。)」


「(いや、見てしまうのは仕方がないだろう?)」


「(それは…そうかもしれないけど)」


「目が開けられるようになりました!」


「「くっ…」」


「「うぅ…」」


あまりの可愛らしさに全員が悶絶している。


私だけではないのだ。


「では、からだを浮かせて顔をつけてみようか」


しばらくすると急に顔をあげた。


「アダム様!顔をつけたまま泳ぐのは苦しいですっ!!」


「あはは、メイリン。これから息継ぎの練習するから安心しろ。」


「メイはこんなに楽しそうに学んでいるのか…」


「本当に楽しそうね。天才だと思っていたけど…」


「たくさん勉強していたんだね。」


「これは努力以外の何ものでもないな。」


そうか…天才ではなくて努力家なのだな。


「メイリン、苦しくなる前に顔を上げるといい。」


「はい、アダム様!」


「メイリンは学ぶ時にこんな顔をしているのか?」


「私達も初めて見ましたよ。」


「いつも教師から天才だとしか聞いていなかったしね。」


「そうね、一緒に勉強する機会もなかったから新鮮だわ。」


「そうなのか?仲が良いからなんでもわかるのだと思っていた。」


ずいぶんと練習しているな。


「メイリン、少し休もうか。あまり一気に練習すると足をつってしまう。」


「はい、アダム様。」


どんどん惚れ直してしまって際限がないのだが。


本当は人魚なのではないだろうか?


「メイは集中力が高いね。昔頑張って勉強すれば良かったな…」


「私もお茶会のない時は勉強しようかしら?」


「姉上も?何を勉強するんですか?」


「そうね…とりあえず、地理やお花かしら?」


「ミリム嬢も勉強するとなるとメイリンのように護衛が必要になるな?」


「そうですね。メイリンとは別の意味で護衛は必要になると思います。」


「メイとミリムはこの国でNo.1とNo.2の美しい令嬢だからな。」


「メイ、もう少し髪を拭いておいで?」


「そうね、ラルフ殿下がさっきから固まっているわよ。」


あ…


いや、まぁ…


仕方がない。


少ししてメイリン達が戻ってきた。


「おかえり。ちょうどお茶が入ったよ。」


「ありがとう、少し寒くなってきたと思っていた所よ。」


「海に長く入っていたからね。」


「そうですね。」


「ん?それなら練習やめておくか?大丈夫か?」


「大丈夫です。もう少しだけお願いします!」


「あはは、わかったよ。」


その後もメイリンは練習して、ずいぶんと泳げるようになっていた。


「すごいな…」


ん?


「メイリン、少し唇が紫色になっている。温まったほうがいいぞ?」


「本当ですか?」


「本当だな?こちらでお茶を飲みなさい。」


「はい、お父様。」


「メイはこの後何をするんだい?」


「さっき、貝を見かけたのです。貝殻を探してみようかと思います。」


「貝殻か…綺麗な巻貝もあるからな。」


「はい。」


「では、とりあえず着替えたほうがいいね。」


「そうだな。濡れたままで風邪をひくと良くない。」


「そうね、そうしましょう?」


「はい、そうします。」


着替えて戻ると、また違うドレスで…


「ふふっ、ラルフ様はなぜ固まっているのでしょう?」


「さあな?」


「メイ、砂浜を歩こうか?」


「はい、アークお兄様。」


「あ、待て待て。私も行く。」


「メイ、あの辺りがキラキラしているよ?」


「え?本当ですね!」


危うくおいて行かれる所だった。


どんなメイリンも目に焼き付けなければ…


少しすると空が茜色になってきた。


「メイリン、そろそろ暗くなる。戻ろう。」


「はい。」


「もう帰る準備は出来てると思うよ?」


「もう帰るのですね、残念です。」


「私達も残念だよ。こんなに可愛いメイが見れなくなるからね?」


「ふふっ、そんなにいつもは可愛くなかったのですね。」


「えっ?ごめんごめん。いつもよりもっと可愛かったからって意味だよ?」


「私はメイリンがこんなにすぐ泳げるようになるとは思わなかったな。それに人魚のようだった。」


「美しかったですね。」


思わずぼーっとしていたが、もう馬車を出さなくては。


「メイリン!」


「ラルフ様?」


「馬車を出すぞ?さぁ、手を。」


「はい、ありがとうございます。」


「では殿下、ミリム。メイをよろしく。」


「任せろ。」


これだけの近衛兵と護衛がいるのだから問題はない。


「メイリン、疲れたのか?」


「疲れていないですよ。もう帰るので、少し寂しいと思っていました。」


「そうね。確かに旅なんて出来ないものね?」


「まぁ…婚約式が終わると公務が始まるが旅とは違うからな。」


「そうだな。思った以上に責任もついて来るし、その地に関して学ぶ事も多い。」


「そうなのですね。地理と歴史と特産物などは学びましたが、情勢も学ぶべきでしょうか?」


「いや…充分だ。」


本当に勉強熱心だ。


あ…


ずいぶんと暗くなってきた。


メイリンが手を握りしめているからこっそりと声をかけた。


「(メイリン、そんなに手を握りしめると怪我をしてしまう。寝たふりをして私にもたれているといい。)」


「(ありがとうございます。)」


「メイリン、眠そうだな。少し寝たらどうだ?」


「ありがとうございます。」


「もたれていいぞ?」


「はい。」


素直に返事をして、肩にもたれかかって眠ってしまった。


しばらくミリム嬢と兄上と話をしていたが、野営地までまだ時間がかかるはずなのに馬車が止まった。


「どうしたのだ!?」


『殿下!襲撃です!』


「襲撃だと!?何者だ!?」


『野盗のようです!』


「コールマン公爵達はどうした!?」


疲れて寝ていたメイリンも起きてしまった。


「すいません、たくさん寝てしまって…」


「メイ。今野盗の襲撃にあっているから、静かに隠れるのよ?」


「襲撃ですか?」


「メイリン。静かにしていろ。近衛兵達が追い払うからな。」


「はい」


「心配するな。メイリンが狙いではない。」


「わかりました。お父様達は?」


「あちらにも近衛兵達がちゃんといるから大丈夫だ。」


メイリン達は震えている。


さっきまで穏やかな旅だったのだから当然だな。


「大丈夫だ。必ず守ってみせる。」


『殿下!人数が多すぎます!』


『公爵達も戦闘になってます!』


「お父様、ジャンお兄様、アークお兄様…」


「わかった、私達も行く。メイリン、ミリム嬢。ちゃんと隠れておけ。」


「はい…」


兄上と剣をとり、馬車を出た。


一応馬車に護衛を数人残しておいたから大丈夫なはずだ。


前方でコールマン公爵達が戦っていたから、後方からの野盗に応戦した。


「ミリム嬢、メイリン!」


先に戦っていた兄上が馬車を見て叫んだ。


馬が暴れたみたいだ。


馬が怯えて馬車が揺れている。


戻ろうとしたが、野盗が邪魔をする。


「くそっ!馬車を守れ!」


馬車の所に野盗が!


護衛がいたはずだ。


「おい!メイリンとミリム嬢を守れ!」


『メイリン様!ミリム様!逃げ』


間に合わない!


野盗が馬車に手を伸ばしたのが見えた。


護衛は何をしているのだ!


「兄上!馬車に行けますか!?」


「こいつらがいて…っ…無理だ!ラルフは行けないのか!?」


いきなり勢いよく扉が開いた。


「メイリン!?」


そこに行きたいのに野盗が立ち塞がる。


メイリンが扉を開けて出てきたのか!?


「メイリン!戻れ!」


メイリンが護衛の剣をとって戦っている!?


どういうことだ!?


剣を弾き飛ばして野盗に足をかけているのだが…


「捕らえて!」


『はい!』


「遅いわ!」


メイリンが野盗を捕らえている…


『申し訳ありませんっ』


「急いでくださいませ!」


1人捕まったことで数人が更に馬車に向かっていった。


『メイリン様!』


「メイリン!」


くそっ、本当に邪魔だ!


メイリンは更に柄を思いっきり蹴り落としていた。


なんとか野盗を捕らえてメイリンのもとに急いだ。


「メイリン!大丈夫か!?」


残り数人を取り押さえたがメイリンが座り込んでしまった。


「「「メイっ!!」」」


「「メイリン!!」」


「あ…申し訳ありません…」


「怪我はしていないのか!?」


「大丈夫です。」


「すまなかった。怖かっただろう?」


「はい…でも大丈夫です。あの、お母様は!?」


「大丈夫だよ。護衛を2人つけておいたからね。」


こんなに震えている。


それはそうだ。


まだトラウマも消えていないというのにこんな事に…


なのに、自分以外の心配をしている。


なんて娘だ…


「お父様、怪我人は…?」


「ラルフ殿下とジャンと数人だが…」


「そうなのですね…魔法を使ってもよろしいですか?」


こんな事になった上に治癒までするというのか!?


「メイリン、命に関わる怪我ではないから大丈夫だ。治癒じゃなくて手当だけすれば平気だ。」


「そう仰ってもラルフ様もジャンお兄様も怪我をされてます。馬車の修理もありますし、応援を呼んでしばらく待つのでしょう?」


「そうだが…」


「コールマン公爵。無理をさせる必要などない。」


兄上も私と同じで反対のようだ。


「でも怪我したままでは良くないです。」


「重症ではない。治癒なんてしてまた倒れたらどうするのだ!」


「ラルフ様。怪我を治すための治癒だと思うのです。それに、ラルフ様とジャンお兄様が怪我したままではイヤです。」


「…わかった。ミリム、シエルの所で待っていてくれ。」


なぜ私達はメイリンを守ってやれないのだ…


メイリンがアークに抱えられて馬の所に向かったからついて行った。


もうひと時でも離れて守れないのでは婚約者として、


王子として不甲斐なさすぎる。


「痛かったのね?もう平気よ?」


馬の手当もする気か?


コールマン公爵が苦々しい顔をしてメイリンに治癒魔法の許可を出した。


馬は怪我をしていて走れないから先に手当をするようだ。


応援を呼んで、新しい馬車の手当も必要だからだな。


次に私のキズを治してくれた。


「メイリン、すまない…」


「ラルフ様…痛いですか?」


「こんなのかすり傷だ。ちゃんと2人を守ってやれなくてすまなかったな。」


「大丈夫ですよ…」


その後、ジャンや他の怪我人に治癒をかけていた。


終わったらすぐにテントの準備をして、


「「メイリンっ!?」」


メイリンが倒れそうになって慌てて抱きとめた。


「ふふっ、大丈夫です。少し魔力を使いすぎたようです…」


無理をさせてしまった…


「メイリン、すぐに野営の準備をさせる!」


急いで指示を出した。


「ラルフ殿下、頼みますよ?」


「わかっている。」


「メイリンは大丈夫なのか!?」


「…治癒魔法で魔力を結構使ったらしいです。」


「そうか…私達がちゃんと馬車を守っていれば怖い思いをさせなくて済んだのに…」


「大丈夫です、あの状況では仕方がないと思います。」


「それに治癒まで…」


「アダム様。このような時のために治癒魔法はあるのですから…」


「野営の準備が出来た。私がメイリンを連れて行こう。」


「大丈夫です、ラルフ殿下。メイは私が抱えていきます。」


「…そうか。」


「ありがとうございます、ジャンお兄様。」


テントに着くと、アークがミリム嬢を連れてきた。


きっと、ひとりでは休めないからだろう…


「メイ、疲れたでしょう?ここにいるから少し休みなさい?」


「ありがとうございます。じゃあ、ここにいてくださいね?絶対ですよ?」


「ふふっ、大丈夫。ここにいるわ。」


ミリム嬢が手を握るとメイリンはすっと眠ってしまった。


安心したのだろう。


私もあのくらい信頼されるようになるだろうか?


ミリム嬢を残してテントを出た。


「殿下。説明してください。」


「あぁ、もちろんだ。」


アークもジャンも腹を立てていた。


兄上も呼んで、2人で状況説明をした。


「とりあえず、わかりました。」


「でも、今回は野盗でしたからあの人数を考えると仕方がないと思います。ですが、メイを必ず優先して守ってください。」


「「必ず守る。」」


その後すぐには眠れなかった。


しばらく焚き火の前でメイリンのことを考えていた。


「ラルフ。眠れないのか?」


「兄上?」


「いや、寝つけなくてな…」


「私は婚約者として守ってあげられなかった。その上、治癒魔法まで使わせて…」


「ラルフだけではない。今回はコールマン公爵とジャン達、私達全員がメイリンの護衛だったからな。」


わかっている。


だが、自信が無くなってきた。


「兄上、私はメイリンの婚約者としては不釣り合いなのだろうか…」


「…どういう意味だ?」


「本当は私ではなく…」


「メイリンがお前を選んだのだが?」


「そうですね…」


「私に譲る気になったというのか?」


兄上にメイリンを…


「私は困るのだが?」


「……」


「ラルフがメイリンを守れていなかったのは事実だ。同時に私も守れていなかった。アークもジャンもだ。」


「わかっていますが…私は頼りなさすぎるのではないでしょうか?」


「そうか。なら、私がメイリンにラルフではなく私の婚約者になれと命令でもするか?」


兄上とメイリンが…


……


「いえ、譲りません。」


「ならば、メイリンを守れるように強くなるしかないだろう?」


兄上…


その後、アークやジャンも眠れないようで4人で今後のことを話し合った。



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