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殿下達と恋バナをする悪役令嬢


「これはやり過ぎではないかしら?いつもより派手な気がするわ。」


「殿下達とお茶会ですもの。当然です。」


「お茶会…小さなお茶会とはやっぱり違うのね…」


「えぇ、メイリン様はお茶会に殆ど出ていません。ですから、今から感覚だけでも慣れておかなくては。」


「ふふっ、わかりました。」


そうなのよね…


お茶会に殆どというよりは、


全く出ていないようなものだから。


恋バナ…


初めてだわ。


どんな話を聞けるかしら?


「さ、出来ました!」


「メイリン様、まるで女神のようです!」


「ふふっ、ありがとう!」


「メイリン様、殿下達がお迎えに見えています。」


「わかりました、今行きます。」


なんだか少し緊張するのはなぜかしら?


離宮を出ると殿下達が待っていました。


「アダム様、ラルフ様。ごきげんよう。」


「お迎えに…あがりました、メイリン嬢…」


「ありがとうございます。」


「行きましょうか…」


「はい。」


何かしら?


不思議と緊張感がある気がするけれど…?


「どうされたのですか?」


「メイリンが…」


「私が何かしましたか?」


目も全く合わないのですが…?


「あ…いや、メイリンがいつもより綺麗だから緊張している…」


「え…」


「デートではないのに…なぜこんなにお洒落をしてきたのだ?」


「あ…そういうことですか?実は侍女達が殿下達とのお茶会だからと…」


「そうか…」


「さぁ、こちらへ。」


ここのガゼボは初めて来ました。


「こちらのガゼボは初めてです。とても美しいですわ…」


「いや、メイリンのほうが美しい!」


「ラルフ様?」


「あ…いや、比べてはいけないか…」


「ふふっ、ありがとうございます。」


「では、メイリン。昨日の続きだ。」


「はい。」


「私達はメイリンが美しい事はわかっていたんだ。メイリンが10歳の時に初めて婚約者として迎えたいと思ったのだ。」


その話はまえにも聞いた気がするわ。


「私はなんとなく小さい頃に話を聞いて、将来殿下の妃になると思っていました。」


「「えっ!?」」


「もちろん、家族と離れたくないから結婚したくないと言っていましたけど。」


「驚いたな。そんな風に考えていたのか?」


「私の世界は家族だけで、私に異性を紹介したのは王家だけでしたから。」


「他の異性は考えた事は?」


「小さい頃に恋文をいただいてお断りの返事をした事はありますが、考えた事はありません。」


恋バナってこんなに尋問みたいに色々聞かれるのかしら?


「私達の妃になる事に異論はなかったのか?」


「数回話して幻滅したりとか…?」


なぜそんな事を聞くのかしら?


不思議な事を聞くのね。


「数回お茶会やパーティに参加して、色々なご子息とお話しました。ですが、下品なお話をする方やグイグイくる方や地位を気にする方が多かったのです。」


家族でうんざりしていたわ。


「ラルフ様やアダム様は王家の方ですから、品も良くてお兄様達が仲良くしていましたし…好感は持てましたが嫌な感じはありませんでした。」


殿下達はお兄様達に似ている気もしていましたし…


あら?


「アダム様?ラルフ様?」


目を丸くするとはこのような感じなのかしら?


「メイリンがそんな風に考えているとは知らなかった。」


「嫌がられてはいないとは思っていたが、妃になると言う事に不満があるとばかり…」


「いえ、お父様やお兄様達が一番ですが…その次くらいには信頼と尊敬をしていましたわ?」


「信頼と尊敬…」


「コールマン公爵家の男性以外に好意は持てないと思っていたが…勝てないけど、その次に…」


「ふふふっ、おかしいですか?」


「いや、意外だなと…」


「私はそれが聞けて嬉しい。」


また、真っ赤になってます。


「たくさん一緒にいる時間が増えて、今はお父様やお兄様達よりも多く一緒にいますから。」


そうなのです…離宮に来てから殿下達と一緒にいる時間がお兄様達より長いのです。


お仕事の事も、私の面倒な事件も真面目に対応してくれて、


私が大事だと言ってくれるのは信頼や尊敬に価すると思っていました。


「そうか…ちゃんと考えてくれていたのだな。」


「もっとのんびりしているかと…」


「私が何も考えていないと思っていたのですね…酷いです。」


「違う!結婚する事をそこまではっきりと考えているとは思わなかったのだ!」


「私もだ!」


「ふふふっ!」


「メイリン…からかったのか?」


「はい!ずっと質問というより尋問を受けている感じがしたので。ふふふっ。」


「メイリンが私達をからかったり、いたずらっ子のような笑い方をするのは初めてだ…」


「そうだな…」


「小さい頃からマナーを学んでいたので。公爵令嬢としてちゃんとしていたでしょう?」


「確かに…」


「貴族のご令嬢の手本とまで言われてたからな。」


「公の場に出る事なく、屋敷で学ぶ時間が多かったのです。外に出る事もありませんでしたし…」


本来ならお茶会やパーティに参加して交流をしなければならないのですけど…


私が出ていくことで婚約の希望者が増えると心配だと言われていたのよね。


「そうか…小さい頃から決まっていて、他の貴族達に見せないようにしていたのか。」


「だとすると、メイリンと結婚すると決めたのは私達が後だったのだな。」


「そうなのですね。私は陛下にも早く娘に迎えたいと聞いていましたし、陛下が言うのなら決まっていると考えていました。


2歳の時から陛下とお父様が、


私を娘にしたいとか嫁に出さないとか揉めていたわね。


「そうか…でも、嬉しい誤算だ。」


「では、私も聞いてもいいですか?」


「あぁ、いくらでも聞いてくれて構わない。」


「恋バナですよね。私には恋愛というものがわかりません。殿下達がどんな風に私を見て、考え始めたのか聞きたいです。」


また目を丸くしていらっしゃるわ?


「私はメイリンが幼い頃に婚約の話をされていた。始めは幼児となど婚約出来ないと思っていた。」


「そうなのですか…ではなぜ?」


「パーティや茶会でメイリンを見た時に、一番幼いのに美しく見えたのだ。」


「たくさんご令嬢がいたと思いますが。」


「会場で一番メイリンが美しかったのだ。」


「ありがとうございます…」


「私も幼いのになぜメイリンはこれ程までに美しいのかと思ったな。」


「ありがとうございます…なんとなく恥ずかしくなってきました。」


「あはは。妃にと考えたのはメイリンが10歳の時のパーティだ。庭の奥で小鳥と戯れているのを見て心の美しさを知ったからだ。」


「あの時は驚きました。お父様から殿下達と距離をとるように言われていましたから。」


「そうなのか。」


「はい、他のご令嬢の目の敵にされるからと。」


「どうりですぐ会場から去ろうとしていた訳だ。」


「ふふふ。お母様も私にご子息を紹介したいと詰め寄ってくる方々が多くて、うんざりしていたそうです。」


あの時は焦ったわ…


帰ろうとしている所をラルフ様に呼び止められてダンスをすることになったの。


踊っていたら他のご子息達やご令嬢達からの視線がすごかったわ…


それからは学院に入るまでは公の場には出なかったのよね。



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