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意識が戻って謝罪を受けた悪役令嬢


見知った天井だわ?


「そういえば…お兄様?」


「メイリン様っ!!」


「あ…」


「良かったです!また眠り続けたらと心配で心配で…」


「ごめんなさいね?心配かけて。」


あの毒事件がトラウマになってるのかしら?


「(メイリン様、もう少し休んだらご自身で治癒魔法かけられますか?)」


「そんなに怪我は大きかった?」


「いえ、かすり傷ですが場所が…」


足、ウエスト、背中、胸元…


「見られたくない場所だわ…」


「どうされますか?一応、私達で傷の手当はしましたが。」


「(自分で治癒魔法かけるわ。)」


「かしこまりました。本当にご気分は大丈夫なのですね?」


「えぇ、大丈夫よ。」


「「「「「「メイリン様っ!」」」」」」


「お目覚めになって良かったです!」


「お護り出来ずに申し訳ありませんでした…」


「我々が未熟なばかりにお怪我をなさって申し訳ありませんでした。」


「大丈夫よ、気にしないで?」


「なんて寛大な…」


「あなたも怪我をされていたわ。大丈夫なの?」


「私は、避けられたので全く問題ありません!」


「そう、良かったです。」


「そういえば、メイリン様が護身術が出来るなんて驚きました。」


「ふふっ。でも気が動転していて状況を把握するまで気づけなくて抜け出すのに時間かかってしまいました…」


本当に何が起こったのか全くわからなかったわ…


護身術習っていたのに、情けないわね。


「メイリン様。アダム殿下とラルフ殿下がお見舞いに見えています。」


「はい、どうしましょう?こちらで構わないかしら?」


「はい。では5分ほどでご案内しますので、お支度を。」


「ふふふっ。ありがとう。」


少し身なりを整えてもらいました。


「メイリン様、ご案内いたしました。」


「どうぞ入ってもらって?」


「「メイリン!」」


「ごきげんよう。ご心配おかけして申し訳ございません。」


「いや、こちらこそすまなかった。」


「助けが間に合わなかった…」


「仕方ありませんわ?ここは離宮ですもの。」


「メイリン…手を貸してもらってもいいか?」


「え?なぜ?」


「兄上?」


とりあえず、手を出しました。


「手を触っても怖くなったりしないか?」


確認のためだったのね。


「はい、大丈夫です。」


「ラルフ、メイリンのすぐ横に座って。」


「メイリン、隣に座るぞ?」


「はい。」


「どうだ?気持ち悪かったりしないか?」


すぐ横にラルフ様がくっついているけど…


「はい、大丈夫です。」


「そうか…良かった…」


「ご心配いただいてありがとうございます。」


「前みたいに人間不信になったりはしていないか?」


「それは問題ありませんわ。」


「「はぁ…」」


「どうかしたのですか?」


「どうかって…」


「メイリンをデートに誘っていいのかどうかを確認したかったのだ。」


「私達に残された時間が少なくなってきたから、デートの時間を前より増やさなければ。」


「あ、すいません。私のせいで…」


「それは…美しすぎるからであってメイリンに責任はない。」


「そうだぞ?私はメイリンが周囲に評価されているのだと思っている。」


「えーっと…慰めているのですか?褒めているのですか?」


「両方だ。」


ラルフ殿下は頭をかきながら目線を反らしてしまいました。


「ふふっ。」


思わず笑ってしまって、慌てて顔を引き締めました。


ラルフ様とアダム様が凝視しているのだけれど?


「あの…すいません!失礼でしたよね?」


「いや…まぁ、そうなんだが…ジャンやアークにしか向けない笑顔が見れたから嬉しい。」


「少しは私達に気を許してくれたのだな、と…」


2人とも耳まで真っ赤…


「今まで気にした事はなかったです。私なりにお2人には気を許していたと思っていました。」


「そうなのか?警戒されているのだと…」


「いいえ、警戒などしておりません。その…私は恋愛というものが理解出来てないのです。」


「理解?」


「はい。どのように思った時が恋なのかとか。」


お2人はその先の話を聞いておかしく思うかしら?


「口説かれているとわかってはいるのですが、心拍数があがったりするのが恋なのか、とか。」


「心拍数…上がるのか?」


「はい…いつも急だから驚いたのか、皆がいう恋というものなのか判別も出来てないのです。」


「そういう感じか…」


「アダム様?ラルフ様?どうしたのですか?何か失礼を…」


「あ、いや…メイリンは私達のどちらで心拍数が上がったのか、聞いても良いだろうか?」


「はい、お2人ともです。」


「メイリン、3人でゆっくりと恋愛について話さないか?」


「恋愛について…ですか?」


「あ、うん。その…ちゃんと恋愛の話を聞きたい。」


恋愛の話?


「メイリンの思う恋愛や私達の思う恋愛のことだ。」


「まぁ…このままデートだけしていても進展しないのでは意味がないだろう?」


「進展…ですか?」


「本来なら、政略結婚に恋愛という要素は必要がない。メイリンもそう思っていたのだろう?」


「はい。お父様が決めた方と添い遂げるものだと。」


「私達は妃として選ばなければならなかったが、ミリムとメイリン以外は父上が勧めてくる事はなかった。」


「お姉様?」


「そうだ。メイリンが生まれる前はミリム以外に勧められたことはなかった。」


「そうなのですね…」


お姉様はとても聡明で美しいと評判だったもの。


「メイリンが産まれてからは父上がどうしても妃にと言っていた。」


「なぜです?」


どうしてもって…


「2歳の時に私達は初めてメイリンを婚約者にと父上が言い始めてね。」


「父上はメイリンが産まれた時から考えていたのだろう。ミリム嬢の事も言わなくなった。」


「産まれた時ですか…」


謎…


「年齢で言えば10歳上は許容範囲だ。でも赤子や幼児など断るだろう?」


「ふふふっ」


「父上はメイリンが大きくなる度にコールマン公爵に打診をしていた。」


「ふふっ、そうだったのですね。お父様はずっと嫌だと言っていましたわ。」


私も嫁がなくて良いのなら、そのほうが良かったのだけれど…


「ね?話をすると考え方も婚約する経緯も違うだろう?」


「はい、よく分かりました。」


「だから、恋愛については私達もあまり得意ではないのだ。それを踏まえて話をしよう?」


それもそうかもしれない。


私が知っていたラルフ様とデートの時のラルフ様も、


イメージしていたアダム様とデートの時のアダム様も、


どちらも違っていたもの。


私もきっと違っていたものがあったのかもしれないわ。


私に求めることもきっと違うのでしょうね?


「はい。では、いつがいいですか?」


「メイリンはいつがいいのだ?」


「私はラルフ様とアダム様が決めてくだされば、いつでも。」


「そうか。じゃあ、明日の午後はどうだ?」


「私もそれでいいです。」


「明日だなんて…お仕事の調整はよろしいのですか?」


「大丈夫だ。優秀な側近がいるからね。」


なるほど。


アークお兄様とジャンお兄様のことね。


「分かりました。ではそのように準備いたしますね。」


「遅くまですまない。」


「おやすみ、メイリン。」


「おやすみなさい。アダム様、ラルフ様。」


ふーっ…


「メイリン様、少しお疲れのようですから早めに寝てくださいね。」


「えぇ、そうするわ。」


「明日は殿下達と恋バナの日ですから、今までよりももっと美しくしますからね?」


「恋バナだけなのに?」


「だからですよ!メイリン様がどれだけ美しくて聡明で純粋かをもっと知っていただくのですから。」


グイグイくるわね…


「わかりました。お任せしますね。」


「お任せを。」


寝支度をして早々に就寝しました。


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