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大迷宮の闇  作者: 文弱
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00.序 物語の舞台及び背景



ハルマイルの迷宮。

かつて大魔道士ハルマイルが一夜にして作り上げたと言われている大迷宮。

地下に向かって深く大地を穿つように作られた迷宮は、数多の魔物が跋扈する死と危険に満ちた場所だ。

だが知的好奇心を刺激する謎や未知の魔法、財物や宝物、戦闘を有利に導くことのできるマジックアイテムや武具もまた、その迷宮から数多く発見されている。

そのため、ハルマイルの大迷宮は国家の管理下に置かれ、他国へ財物や武具などが流出することがないように迷宮管理局という名の公的機関が置かれている。

とはいえ、迷宮の探索に管理局の局員が行くことはなく、もっぱらハルマイルの傭兵と呼ばわれる者たちが日々迷宮を探索している。

傭兵は国家に認定された9つの傭兵団の何れかに属さねばならず、傭兵団に属さぬ者は迷宮に入ることはできぬよう、迷宮の入り口に仕掛けが施されている。

そのため傭兵を志す者はいずれかの傭兵団の門戸を叩くが、その傭兵の雇用は傭兵団の団長に一任されており、管理局が介入することは殆どない。


ハルマイルの傭兵たちは実質国家の傭兵ということになるが、規律などはないに等しく、自由だった。

そのため、出自や身分が明らかでは無い者も多く、偽名を名乗っている者も少なくない。

なぜそんな者たちを傭兵団の団長は雇うのか。なぜ国家は容認するのか。

その理由は単純だった。

迷宮の危険に見合う報酬は何れからも約束されず、全て迷宮での実入り次第であるため、傭兵のなり手は予想以上に少ないのだ。

もちろん、危険に対する保証も何一つとしてない。

それほど、ハルマイルの迷宮という場所は危険に満ちている。


未だ、最下層が何層なのかも明らかではない大迷宮は、階層によって異なる様相を呈している。

上層は街でもあったかのような石畳の通路と、傭兵たちからは小部屋と呼ばれる大小様々に区切られた空間で占められている。

上層は魔物の種類も少なく、比較的危険度も低い。

そのため、傭兵たちの中でも経験の浅い者たちが、己の実力を培うために訓練施設さながらに利用していることが多い。

逆に、何年も傭兵稼業をしていながら上層から抜け出せない者たちは、無能か臆病者なのだと仲間内から軽視され、侮蔑の対象となることもある。


他の傭兵に侮られないため、あるいはより良い財物を得るため、傭兵たちは競うようにより深い階層へと向かう。

階層が深くなるごとに強力な魔物や迷宮の罠なども熾烈になるが、その分、手に入る宝物も貴重なものが多く、またより深い階層に行ける者たちは名声という栄誉を得ることも可能だ。


中層階は上層階よりも空気が淀んで重く、迷宮の壁は暗褐色のレンガ作りで、壁に刺された永久松明だけでは見通しが至極悪い。

床や壁には時折罠が仕掛けられていることもあり、知能の高い魔物に遭遇することが多々ある。

魔法を放ってくる魔物も多くなり、危険度は上層階を遥かに凌ぐ。


下層階と言われる階層になると、そこに到達できる傭兵はほんの一握りと言われ、その一握りの傭兵を擁している傭兵団は、他の傭兵団よりも格が高いと目される。

下層階は石畳も煉瓦の壁もない天然の洞窟が迷路のように複雑に入り組んでいる。

明かりはほぼないに等しく、そこに到達した傭兵は自らが持つ松明やランタン、魔法のライトなどに頼るしかなくなる。当然のごとく視界は狭く悪い。

魔物の強さも桁違いだが、暗闇の中を自在に動ける魔物が多いことが一番の難点と言われている。


上層階は地下1階から地下9階の階層を指し、地下5階までの浅い階層を訓練階などと呼ぶこともある。

中層階は地下10から地下15階を、下層階は地下16階以降を言う。


現在確認されている階層は地下20階。

3年前に、ある傭兵隊(傭兵たちはパーティと呼ぶ)が到達したのを最後に、地下20階に到達したパーティは出ていない。



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シラー傭兵団:団長シグル・シラー

 地下20階に到達したパーティを擁する傭兵団で、もっとも有名な傭兵団

 擁する傭兵の数も他の傭兵団よりも格段に多い

 10年ほど前まではシラー本人も傭兵として迷宮に入っていた


マリ傭兵団 :団長アーロン・マリ

 3年前、シラー傭兵団から移籍してきた傭兵のおかげで

 名が知られるようになった傭兵団

 傭兵の数は少なめだったが、最近は増加傾向にある

 団長のアーロンは自身では決して迷宮に入らないし戦闘能力も無いに等しい


マルタ傭兵団:団長カレン・マルタ

 9つ有る傭兵団中、唯一女性が団長を務める傭兵団。

 団長が女性であるため、女性団員が他の傭兵団に比べて多い。

 団長のカレンは現役の傭兵で、マルタパーテイを率いるリーダーでもある。


トリス傭兵団:団長ヘルマン・トリス

 マリ傭兵団の次に傭兵の少ない傭兵団だが、最近は逆転したと言われている。

 噂話に最も敏感な傭兵団で、ニア・ハルマイルで起きる些細な事件も、

 トリス傭兵団の傭兵ならば皆知っていると言われるほど、情報通な者が多い。

 団長のトリスは団員よりも明らかに沢山の情報を持っていると噂されている。



※必要に応じて加筆、修正します。

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