48.5 久太郎さん、僕が送ってあげるよ
48話の他愛ない話なんですが本来は本編に載せようと思ってました。ですがそれを入れるととんでもない文量になるのでこちらにいれました。
~孫四郎視点~
何だろう。聞きたい話って。
「孫四郎さんって好きな子いる?」
ギクッ。そ、そのことか…。
「あれあれ?顔が桜色になってるよ?」
「きゅ、久太郎さんもぐいぐい来ますね。今日は僕の心が弱っていることを知っているから来るんでしょ?」
「だって今日ぐらいしか聞けないもんね。孫四郎さん、いつもは真面目な話しかしないでしょ?」
クー!しょうがない。
「…いますよ。この間の小谷の時から。」
「え、本当にいるの?意外。」
「いや、聞いておいてそれはないですよ!」
「お相手は?」
正直に言うべき?いや、濁そう。
「あの時に助けたあの姫様方です。」
「僕は現場にいなかったからわからないけどもしかして偉い方の娘様だったりして?」
もうわかってるでしょ。でもその目だったら本当に勘で当ててるんだよね。
「浅井長政殿の娘様と言えばわかります?」
「え、あ、え⁉本当に言ってる?孫四郎さんがえ、え⁉」
驚きすぎでしょ。僕だってこんな気持ちになるなんて思わなかったもん。だからきっと頬が桜色になっちゃったんだ。
「…何かごめんね。変な質問しちゃって。答えたくなかったでしょ?」
「…はい。でもわかってくれたならいいかな。」
何て話していたら宿に着いた。
「ここでいいですか?」
「うん。ありがとね。孫四郎さん。」
「次は久太郎さんの好きな人を聞いちゃうかもね。」
「あ、そこまで考えてなかった。…でも僕はまだ恋をしたことがないな~。」
「すぐに来ますよ。年頃ですし、ね。」
そう言って僕は帰っていった。