忘却の惑星(ほし)
プロローグという戯言
君は知っているだろうか。
この世界にはいくつもの世界があって、それぞれがそれぞれの歴史を刻み、それぞれの世界で生命が懸命に生きていることを。
生命は、生物はそれぞれが意志を持ち、生きる意味を探しながら、前を向いて生きている。
そして…君は知っているだろうか。
そんな世界たちから外れてしまった世界があることを。
その世界は本当に小さい星。
人間と言う生物が全力疾走すれば、1分もあれば1周出来てしまうぐらい、小さな星。
その星のほとんどは深い森で覆われ、ほんの少しの何もない平原があるだけ。
生物が生きていくための源や、水、大気。それらはすべてそろっている、れっきとした、しっかりと生きている世界だ。
そんな星だ。
でもこの星は、この世界は世界たちから外れてしまった場所にある。
だからこの星の存在は、幻とされている。
誰も知らない。
そんな世界があったとして…もし君がその世界に迷い込んだらどうする?
そんなに心配することは無い。
生きている星にはきっとそれを護る生命が息をしているはずだ。
それがどんな生命なのか、それは分からないし、迷い込んだ人が、“生者”かどうかも、それは分からないけども。
きっと星を護る生命が、迷い込んだ生命を正しい所へ送ってくれるはずさ。
根拠なんてありはしない。
なんとなく、そう思っただけ。