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お題シリーズ4

大切なものがいなくなったから悲しむ

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2022/05/30



 大切なものがいなくなってしまった。


 かけがえのない存在だった。


 代わりなどきかなかった。


 だから、決して死なせてはならなかった。


 どうしてこんな事になったんだ。


「どうして目を離したんだ。一人で行動させるなとあれほど言っただろう!」


 俺は部下達を叱責する。


 失ったものはもどらない。けれど、無意味だけれどそうせずにはいられなかった。


 昨日とはうってかわって、研究所内は慌ただしい。


 みな、対応に追われていた。


「国の要人の訪問!? 後にしろ!! 記者が押しかけてきている!? 何をしてでも追い払え!」


 生贄が死んだ。


 自分で。


 命を絶った。


 大切な存在だったのに。


 代わりの生贄なんて用意できないのに。


 もうすぐこの世界には、破滅をもたらす邪神が復活する。


 破滅を回避するには、聖なる魔力を体内に宿した生贄を差し出して、邪神に食わせる必要があった。


 そうならないために、大切に育ててきた。


 頑張って、手間暇かけて調整してきた。


 辺境の地までわざわざ足を運び、素質のあるものを見つけて、ここで保護していたと言うのに。


「誰だ! 生贄にする事を喋った奴は! 特殊な病気の治療と伝えろとあれほどいっただろう!!」


 大切な存在はもう戻らない。


 その場に崩れ落ちた。


 もう終わりだ。


 破滅するしかない。


 自分達を助けてくれる、大切な存在はいなくなってしまった。



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