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お題シリーズ4

大切なものがいなくなったから悲しむ

作者: リィズ・ブランディシュカ



 大切なものがいなくなってしまった。


 かけがえのない存在だった。


 代わりなどきかなかった。


 だから、決して死なせてはならなかった。


 どうしてこんな事になったんだ。


「どうして目を離したんだ。一人で行動させるなとあれほど言っただろう!」


 俺は部下達を叱責する。


 失ったものはもどらない。けれど、無意味だけれどそうせずにはいられなかった。


 昨日とはうってかわって、研究所内は慌ただしい。


 みな、対応に追われていた。


「国の要人の訪問!? 後にしろ!! 記者が押しかけてきている!? 何をしてでも追い払え!」


 生贄が死んだ。


 自分で。


 命を絶った。


 大切な存在だったのに。


 代わりの生贄なんて用意できないのに。


 もうすぐこの世界には、破滅をもたらす邪神が復活する。


 破滅を回避するには、聖なる魔力を体内に宿した生贄を差し出して、邪神に食わせる必要があった。


 そうならないために、大切に育ててきた。


 頑張って、手間暇かけて調整してきた。


 辺境の地までわざわざ足を運び、素質のあるものを見つけて、ここで保護していたと言うのに。


「誰だ! 生贄にする事を喋った奴は! 特殊な病気の治療と伝えろとあれほどいっただろう!!」


 大切な存在はもう戻らない。


 その場に崩れ落ちた。


 もう終わりだ。


 破滅するしかない。


 自分達を助けてくれる、大切な存在はいなくなってしまった。



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