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第9話 スラムの勇者祭

先週サボったことの弁解

学校関係が忙しくて更新できませんでした。月からはサボる時は活動報告に載せます。申し訳ございませんでした

視点:シャーちゃん


 俺とポットがよく待ち合わせ場所にしている洞窟はクリスタル女学園の森の中にある。クリスタル女学園の敷地は大きく3つに分かれていて、幼少科〜高等科の寮に囲われた広場、その北面の崖の上にある校舎、そしてそれを囲う森である。この洞窟のあたりは特に何もないので学園に通うお嬢様は来られない。


「師匠!今日は何をする?」


 ポットはいつの間にか俺の事を師匠と呼ぶようになった。それと俺はポットと呼び捨てするよう指示された。なにゆえ?


『そうだな…今日は勇者祭だから、魔法の授業は午前中に終わらせて街にくりだすか?』


「やった!」


 そして俺達は授業の準備を始めた。ポットは学園とその周辺のほとんどの猫を使役魔法で掌握している。獣人とはいえ年からすると天才の域だ。そこに俺の知識を詰め込めばどうなるだろうかと期待している俺がいる。



−午後−


 街は活気に満ち溢れていて、猫の視点からは巨人族の宴会のように見える。ちょっと危なっかしい。


『ポット。向こうの大通りには行かないのか?』


 ポットはスラムに足を運んだ。マーキュリーの骨董品店があるところだ。(というより、危険を裏から管理しやすいように国が大きなスラムを1箇所にまとめたらしい)


「僕は獣人だからね。昔に比べるとマシらしいけど、まだよく思わない人がいるんだ」


 獣人族に対する冷たい目は100年では収まりきらなかったらしい。この獣人差別の原因は魔王との戦争の時に人類史上主義が盛り上がったことに由来する。


「それに、スラムの泥臭い祭りの方が僕には合ってる」


『あんたも物好きだな』


 スラムの人々は大通りの祭りに出ると白い目で見られるので、スラムの勇者祭という物ができたらしい。これは俺の時代には無かった。まあ、確かにこの泥臭い空気も嫌いじゃない。スラムの狭い通路も猫には関係ないし、楽しませてもらうか。



 今から劇が始まるようだ。内容はやはりケンヤの物語。


−開幕−


「…………」


 劇は重い沈黙から始まった。


 観客がその空気を感じて静まり返ったところで、はじめてセリフが入る。


「諸君。我々は敗北した。

 初めは3000人いた我が軍は1000人に数を減らし、弾薬も魔石も底をつき、これ以上の決戦は不可能である。そして今回獲得した地域に加えて、本国の1/3に等しい領土を失った。さらに敵軍はこの村に刻一刻と迫ってきている。

 しかしながら、完全敗北という訳ではない。四天王の側近を含む多数の敵将校を討伐し、魔族相手にこちらの2倍の損害を出した。さらに包囲されていた村を開放し、物資と国民を回収した。このような敗北にもう一度恵まれれば、戦局は揺るぎなく優勢になる。

 であるからして、我々の成すべきはこれ以上の消耗を最小限にとどめ安全地帯へと撤退する事である。

 よって、消耗を抑えるために俺がここで最大限の遅滞防御を行う。お前らはここで撤退の準備をしろ。

 以上」


 演説とも激励とも取れるそれは、つまるところケンヤを見捨てることを意味する。ここまでは兵士の証言にもとづく事実だが、ここから先のシナリオすなわちケンヤの奮闘は、目撃者がいないため実は創作である。


 ケンヤか…。まあ、いいやつだったよ。



−およそ150年前−

視点:???


 目を覚ました。石造りの知らない天井だ。まずは冷静になるために息を吸い込む。


「ケホッケホッ」


 非常に埃っぽい。


「お、置きたな。まあ落ち着け。名前は分かな?」


 そう話しかけてきたのは非常に開放的な服装をしたまだ幼い女だ。しかし真っ赤な髪と纏う風格が幼女には見合わない威圧感を与える。…強いな。


「名前…俺の名前はケンヤだ」


 名字はあまり良い思い出が無いので、この世界に来た時に捨てた。


 確か俺は軍を撤退させるために四天王とその軍を足止めし、最後は魔力を無理矢理暴走させて倒せはしたがボロボロになって倒れたはずだ。 


「よし。記憶は大丈夫なようじゃな。我は…こっちの方が速いな」


 その瞬間。ソレから圧倒的な−具体的には四天王を5人ぐらい圧縮したような−魔力が放たれた。窓ガラスは割れ、地面に落ちることなく中に浮いている。壁には亀裂が入る。


「我は魔王。当代の魔王マリア・スーじゃ」


 俺はこれまでに無い命の危険を感じ、とっさに攻撃を仕掛けた。数十秒の間に至近距離では戦象をも殺す散弾魔法を200発と、非常用で四天王との戦いに使用しなかった64shot/s魔石をフルパック。生きている動物はいないはずだ!


 空間に魔力の残滓が充満する中に、纏魔術とうまじゅつで魔力を纏わせた拳を入れる。


「ふむ。魔法の技術は良いがそもそも魔力が足りないな」


 服こそダメージにより多少破れたものの、本体には切り傷一つついていない。


「…!」


 そして一睨みされただけで、俺の意識は暗く閉ざされた…

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