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『一人目捕獲!』

入部したはいいが、部員も足らない、顧問もいない、部室は不法占拠状態。

現状を打破するためにとりあえず、新入部員を確保しにいく。

「園部!紙!」

「はいはい、書記園部です」


馴れていないのか今回も早速、自分で作ったルールを破った栗島先輩は「こほん」と咳払いをして仕切り直す。


「園部書記、紙!」


『部活動として認めさせる!』


左上に小さく『引き続き』と書いてあるホワイトボードを背中にして堂々と立っている。

胸がある人が胸を張ると胸が……胸に目がいく。

薄いシャツからはうっすらと黄色が見えた。


先日渡しそびれた部活動申請書を渡し部設立に関する内容を栗島先輩に説明をする。


「会長、部活承認には部員が最低でも4人、顧問の先生が一人以上必要なようです」

「……え?」


この人、なにもわかってないようだ。


だいたい、どこの学校でもそうだと思うが、新しい部活を作るのにはいくつか条件がある。

それがこの学園では、部員が四人、顧問が一人以上というものらしい。まぁ、普通と言えば普通か。


まさかこの人……三年生にもかかわらず、そんなことも理解していなかったのだろうか……。


衝撃の新事実を知った会長は、無理難題を吹っ掛けてくる。


「じゃあ、園部が分身して残り2枠と顧問やらせれば良いのね?印を打ってみなさい!」

「いやいや、仮に出来たとしても部員欄に同じ名前が3連続して、顧問の先生まで同じだったらおかしいでしょう、そもそも俺は先生じゃないですし……」

「分身できるの!?」

「いやいやいや、仮定の話ですって」

「家庭……?家族は忍者?」


この人の頭の悪さが露見したところで話は本題に。


「つまり、私たち以外にあと二人、そして顧問の先生を取っ捕まえなきゃいけないのね!」


取っ捕まえるって……動物じゃあるまいし。


「やっぱり、しびれ罠と麻酔玉は必須よね、あと紅白の球」


この人、蜂蜜くださいとか言い出しそう……。

そして、波に乗って謎の場所にはまりそう……。

ちなみに自分は落とし穴派です。


「生徒はどうにか頑張るとして、顧問の先生はどうするんですか?」


生徒会の人に聞いたのだが、名ばかり顧問の部活もあるようだ。それでも先生は飽和状態だろうとのこと。

何かあれば責任をとるのは顧問の先生、多くの先生は掛け持ちはしたくないと思っているはずだ。


そして、他のこの部活並みに何をやるのかわからない部活は、だいたいの場合、部員と教師の仲がよくて名前を貸してくれると言うパターンらしい。


入学してわずかの俺はもちろん、この人が先生と仲良くしているのなんて想像ができない。


「園部書記君が頑張って全部釣ってくる?」

「釣るって……」

「カエルでも投げとけば釣れそうね」


この人って案外あのゲームするのかな……。

少し乗ってみることにした。


「自分は釣るより音爆弾派ですね」

「何言ってるの?音爆弾なんか投げたら先生に怒られるじゃないの、ばか?」


乗ったら乗ったでこれか……。


「冗談はさておいて……どうしましょうかね、顧問の先生」

「仲の良い先生とかに頼む……とかは、まだ俺は入学したてで居ないですが、せん……会長ならいるんじゃないですか?」

「いるように見える?」

「すいません、見えないです」


ですよね……。


黙っていればかわいいのに、どうもこの人、バカだし、トラブルメーカー臭ぷんぷんするし、仲の良い人がいるのかいないのか……。


「人数集めればその分、仲の良い人が出るんじゃないの?」

「んん、じゃあ、ひとまず部員集めます?」


急遽部員集めに外へ


一時間後


俺と会長は、中庭の花壇近くのベンチに腰を掛けていた。

校内巡って、校門付近に立っていろんなところで勧誘したけど収穫はゼロ、興味持ってくれていそうな人もいなかったし。


「ダメじゃないの……私のプランと違う……今ごろ五人集まってお茶のみながらお菓子食べて議題について会議してる予定だったのに……これじゃ、本末転倒じゃないの」


よく分からない欲望丸出しの会長が汗だくでうつむいて、現実を受け入れられないでいた。


「ま、まぁ……まだ今回が初の試みだったわけですし、そこまで気にやむ事では無いかと……」

「……そうね、部室に戻って作戦会議よ!」


そうして再びの部室へ。

相変わらず二人きりでこの部屋は広い。


ホワイトボードを消し議題を書き直している。


『強力な仲間集めの方法!』


なんかネットゲームの攻略wikiのページタイトルにありそうな議題を掲げる栗島先輩。


「やはり、作戦を立ててから挑まないことには、攻略の糸口は無いわね……」


今まで無計画だったのかと突っ込まざるを得ない発言をしだした。

まぁ、計画的な人が突然、初見相手を拉致することも無いか……。


「園部書記!何か書記らしい良いアイデアある?」

「張り紙を張らせてもらったり……後はやっぱり、地道にいくしかないでしょう」

「やっぱりそうよね……」


それしかないでしょう。

「んー……」と栗島先輩が唸っていると、閉ざされた教室のドアが開けられた。


「あの、生徒会役員部という、奇っ怪な部活動の部室はここですか?」


そこには、腰まで伸びたブロンドヘアーが美しい、ハーフの様な整った顔立ちの、程よく出るとこ出て締まっているスタイルの良い、まさに美少女というモノがいた。


「そうよ!あなたは……まさか、本家生徒会……!?」


本家って……まぁ、一応はそう……なるのか……?

というか、こんなモデルのような綺麗な人は生徒会役員の中で見なかった気がする、この人は自分の学校の生徒会の顔を見たことがないのか……?


外の人がこの部屋に来るとすれば単純に部屋を間違えるくらいしか思い浮かばないが、明らかにこの人は生徒会役員部と言っていた。


謎の美少女はにこやかに答えた。


「いいえ?私、この部に入部しようと思いまして」

「あぁ……え?今、なんて……?」


耳を疑った俺は思わず聞き返してしまった。


「だから、この訳のわからない、何をやっているのか謎の奇っ怪な集団の一員なりたいと思ったのですが……?」


やはり聞き間違えではなかったようだ、入部希望者だ。

ひとまず席に座らせて、今の状況を説明した。部員が足らないこと、顧問の先生を確保しなければいけないこと、まだ部活にすらなっていないということ。


「なかなかにクレイジーな部活動ですね!何ですか、生徒会の様な事をする部って、聞いたことありません。しかも、まだ部活にすらなっていないだなんて」


まあ、そうなるよな。生徒会の様な事をするって、何をしたら生徒会らしいのか検討もつかない。

こんな部活が他校にあるわけがない。


「それで……」

「何でしょう、園部書記君?」


早速ルールを守ってらっしゃる、本当に入部するのなら、この紙に名前を書いてもらわなければならない。


「そしたらここに名前をお願いします」

「これが噂の部活動申請書ですね!本当に二人しかいなかったんですね!」


渡した紙に名前をさらさらと書く。

本当に入部する気なんだ……この人。


「これでやっと……3人ね!」


ホワイトボードの右下の空いたスペースに『一人目捕獲!』と書いて満足げにしている。


「早速だけど私でもわかるように自己紹介してちょうだい!」


ビシッと新入部員を指差してなんか偉そうにした。


「それでは……」と席から立ち上がり自己紹介を始める。


「二年の雪之恵 小百合です」

「雪之恵 小百合!?」


栗島先輩が彼女の名前を聞いてアニメのようなリアクションをとった。


「あれ、雪之恵さんって何かすごい人なんですか……?」

「名前がカッコいい!」


それだけか!


「あの、私は役職何なのでしょう?」

「なんか会計っぽいから会計!」


何となくで役職が決定して3人目の部員、雪之恵 小百合さんが加わって、今日の活動は終了した。

あとがき!


……。


ネタがない!


また次回!

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