第6話 長い一日の始まり
レーチェの屋敷は町から離れた所に建っており町へ行くには馬車の定期便に乗るらしく停留所でリリアと俺と隣にフィオナの三人で待っていた。
なぜ、隣にフィオナがいるのか・・・それは屋敷を出る前の事だった。
食堂にて読書に勤しむフィオナの姿があった
「フィオナさん、たしか今日は非番ですよね?」
「そうよ、でもあいにく今日は忙しいの」
読書中を邪魔されたのか不機嫌そうな声だった。
「一緒に町へ行きませんか?」
「忙しいって言ったでしょ」
「サトシさんの武器を買いに行くのにレーチェお嬢様から多額の金額を頂きました」
そう言ってリリアは金貨が入った袋をわざと音がなるように机に置いた。
「一応、武器は二つ買う予定ですがそれでもお金は余ってしまいます。余ったお金は好きに使ってもよいと言われましたが
とても、サトシさんと二人で使うには多すぎます。それで、フィオナさん最近町で新しくできたカフェがあるのですけど
そのカフェのスイーツがとてもおいしいと評判なんです。一緒に行きませんか?」
「行く!。何してるの?町へ行くんでしょ、早くしないと馬車の定期便に乗り遅れちゃう」
「そうですね。では、急いで行きましょう。サトシさん急いでください」
リリアはそう言っているがいつもどうりゆっくりと歩いていた。
逆にフィオナはさっきまで機嫌が悪かったのがうそのように上機嫌になっていた。
この世界でも女の子というのは甘い物になると態度が変わるようだ。
そんな訳で今はリリアと俺とフィオナの三人で定期の馬車が来るのを待っていたが、待っている間一切会話が無く気まずい
リリアのほうを見ると懐中時計と時刻表を照らし合わせていた。フィオナのほうはぼうっと突っ立って空を眺めていた。
沈黙の状態が長引けば長引くほど話をだすのが難しくこうしている間にも時間はどんどん過ぎていくので俺は諦めて下を向いて目を瞑った。
「・・シさん、サトシさん、起きてください。馬車がきましたよ」
「サトシ起きて、早く乗るわよ」
「んあ?ああ、すまん寝てたみたいだな」
午前中の訓練による疲れでいつのまにか眠っていたらしい。フィオナに体を揺さぶられて起きた。
眠気を覚ましに体を伸ばすと
御者の男に「アイザックの町行きだが、乗るか」と聞かれ「3人乗ります」とリリアが答えた
「じゃ、三人で銅貨9枚だな」
「銀貨1枚で支払います」
「銅貨1枚のおつりだな。一応、確認してくれ。それじゃ、行くぞ、乗った乗った」
馬3匹で大きな荷台をを引いているので想像していた馬車よりも大きく、広かった。
中には、同じ町まで行くであろう人が数名いた。
「なぁ、フィオナちょっと気になったんだが・・・」
「何?」
「なんであのでかい剣を持ってきていないんだ?」
フィオナが使っている武器は特徴的で幅広の刀身で長さは150cmはある大きな剣を振り回しているのを今朝の訓練所で見た。
「ああ、あの剣は持ってきてないわ」
「なんでだ?」
「重いし、扱いづらいし、それに町へ行くのにあんなの背負ってたら注目の的になるわ」
たしかにと一人納得して後、リリアの腰についている剣を見た
「それに、この辺の賊あたりならこれで十分だわ」
そういってフィオナを腰についている「カットラス」を撫でた。
「リリアのはレイピアなのか・・・」
「はい。私にとっては軽くて扱いやすいのですが。力を出しすぎると折れてしまうので予備としてこれを持っています」
リリアは腰から取り出したのが「コピス」と呼ばれる片刃でSの字に湾曲している武器だった。
もっと早く書けるようにしたいですねぇ