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剣谷 桐 11歳、5月の話。(9)

すみません…もう一話、5月編になります。

衝撃の土曜日から…気づけば、月曜日になっていた。(いや…まあ、昨日は普通に山やん達とサッカーやって遊んでいたんだけどね)


今日は放課後に桜くんとの約束がある。


「おはよ〜、桐ちゃん!」

「七海ちゃん、おはよー!」


ランドセルを自分の席に置いて、私の所に来てくれた七海ちゃんと、笑顔で挨拶を交わす。


「金曜日に出た宿題のプリント、難しかったね〜」

「……うん?」


しゅくだい……宿題?!


「あ、あれ?桐ちゃん?…その顔。もしかして…」

「わ、忘れてた…!」


忘れずに取り組んだ所で『難しかったね』と言う位だから、ちゃんと終わらせられたかも怪しいけど…。


宿題を忘れた件については…


「あー…宿題を忘れた、っつーか。最初っからやってねー山崎と剣谷には…明日プリント持参で俺と放課後に居残り授業か、今日中にプリントを終わらせて明日の朝に提出するかのどちらかを選ばせてやろう。ちなみに俺は、後者押しだ」


『なぜなら、居残り授業は面倒だからだ』と言い切る東堂先生は、もうすっかり元気になったようだ。


…と言うのも。遠足の次の日、東堂先生は風邪を引いたとかで学校を休んでいた。


それから次の日。学校に出てきた先生は何だか様子がちょっと変だった。(いつも怠そうなのにテキパキ動くし、かと思えば、何もない所で躓いて集めたノートをばら撒いていたし。近くに居たから拾うのを手伝えば…またノートを、ばら撒くし…)しかし。今はもう、いつも通りの先生だ。


「んじゃ、授業始めるぞー。教科書の……」








そして、放課後。(…え?さっきまで、まだ朝だったじゃないかって?……一日って、意外と早く過ぎるよねー!)


校門まで行き、辺りを見回してみる。帰宅する生徒の邪魔にならないよう、校門の端の方に寄って桜くんを待つ。彼は他校生だ。だから当然、まだ来ていない。そう言えば、どうやって来るんだろう?自転車?バス?


…自転車でもバスでもなかったようだ。


少しして…一台の高級車(私でも知っているマークがボンネットの先に付いているよ!アレだよアレ!○○ツだよ!)が、校門の前に停まり、その車の助手席から桜くんが『よっ』と片手を上げて、もう片方の手には紙袋を持って(Nisijimaのロゴが見えた…!)降りてきた。車を運転している人は、よく見えなかったけど女性みたいだったから、家の人に送って貰ったのかな?


「ごめんなさいね、お待たせしちゃったかしら?」


…おう。オネェバージョン。ちょっと驚いたけど、周りに人が居るからだね。


……女子の視線が痛い。悪意は無いみたいだけど綺麗な顔をした桜くんに興味津々なようだ。視線が痛いと感じるなんて初めてだよ。


「あの…ここじゃ目立つし、立ち話で済む話でもないと思うので…移動しません?」

「そうねぇ。どこか話せる場所、近くにあるかしら?」


学校(ここ)からなら、公園が近くにある。あそこなら、広いし話もしやすいと思う。


「ここからすぐ近くに公園があるんですけど、そこで話しませんか?」

「ええ、わかったわ」


そして、私と桜くんは公園へと向かった。





公園に着くと。ブランコやシーソー等の遊具は満員状態(と言っても。そんなに沢山の数がある訳じゃないから、すぐ満員になっちゃうんだよね…)だった。他にも鉄棒やジャングルジム等でも低学年の子達が楽しそう遊んでいる姿が見えた。


私は、空いていた出入口近くのベンチを指して…


「ここで良いですか?」


と、言いつつ。ベンチに座り、桜くんに隣に座るよう勧めた。


「あー、久しぶり…か?」


ベンチにドカッと座る桜くんは、オネェモードを解除したようだ。


低学年の子達は無邪気に遊び回っているから、私達に興味は無い様子だった。


「そうですねー、まあ…久しぶりになるんですかね?」


一週間しか立ってないけど。


「あ、そうだ。桐、甘い物好き?コレ、ウチの商品なんだけどさ、友達に会いに行くって言ったら持ってけって言われたんだ。食べ…るか聞くまでも無さそうだな……」


私は『甘い物』の辺りからソワソワし始め『食べ…』の辺りで、サッと両手でお碗のような形を作り、桜くんへと向けた。ここにお菓子を下さい、と。


「はい!甘い物も辛い物も大好きです。基本苦いの以外は大好きです!なので、遠慮なく頂きます!…ところで。ウチの商品って今、言いました?」

「…あ、ああ。んじゃ、コレ。どーぞ」

「ありがとうございます!!」


Nisijimaのロゴ入りの正方形の箱を一つ受け取りながら、桜くんの話の続きを聞く。


「ウチ、菓子屋なんだよ。Nisijimaって知って「知らない訳がありませんっ!値段が高いから自分では買えませんけどNisijimaのケーキを、この前初めて食べましたけど、めちゃくちゃ大好きです!!」…そうか。それは、ありがとう。ケーキの値段については親父に話しておくよ、今度低価格のケーキや菓子も作って出すみたいな事、言ってたから…」

「楽しみにしています!」


若干、桜くんは引き気味だったけど。思いがけずNisijimaのお菓子を貰い、しかも桜くんの家がNisijimaとか聞いてしまったら。もう、私のテンションがガッと上がってしまったのだった。


…あ。本題の話に入らないとね。


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