雪だるま
今年も私は生まれた。
8歳の小さな可愛い女の子、ゆいちゃんに作られた雪だるま。
雪だるまの名前はユキ、去年はユッキーだったような気もするなぁ。
赤い小さな帽子に黄色のマフラー、ピンクの手袋には赤いハートがいっぱいで。
これは、全部ゆいちゃんからの借り物なの〜。
私だけの物も欲しいんですけど、いずれ溶けちゃいますからね。
「寒いのは好きだけど、暑いのは大っ嫌い〜!」
そして、いつでもニッコリ笑顔の私なんだけど。
連日のポカポカ陽気のせいで、ちょっとトロリンキュー状態〜。
「可愛かった笑顔が、崩れてきたぁ」
さらに数日経った頃、とうとう私の頭は雪の地面に落ちちゃった。
ゆいちゃんが近付いてきました。
今年もただの雪に帰る時間かな…
もう少し、ゆいちゃんと一緒に居たかったなぁ。
???
「あれぇ?雪に帰ってない?」
体が半分くらいの大きさになってる?
「おかあさん、ユキが子供になって帰ってきたよー!」
おかあさんは一部始終を見ていました。
そして、笑みを浮かべながら。
「上手に出来たけど、帽子や手袋が元のままで大き過ぎるわね」