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異世界で現実的に生活する彼  作者: レノン
放浪者としての彼
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負傷者、外へ

 鳥の巣に滞在して約4日目。足の傷は順調に回復していた。今ならすこしくらいは歩ける。

 それに伴い雛達も順調に育っていった。さすがは俺が命を賭けて守っただけはあるな。


 

 今日は外に出て散歩してみることにした。久しぶりに外に出れたがまだ足を動かす度に傷口に痛みを感じる。きっとオオカミの牙が筋肉にまで届いていたのだろう。


 外から巣を見るとオオカミに襲撃されたときよりも大きくなっているように見えた。あまり気にはとめなかったが、毎日親鳥がせっせと何かをしていたのはきっと巣をもっと頑丈にしようとしていたのだろう。

 

 歩き出すと雛達も一緒についてきた。親鳥が気にしないあたり、俺を家族の一員として迎え入れてくれたのだろうか、それとも雛達の歩く練習のためなのか、どちらにしろまだよちよち歩きの雛達は一生懸命俺についてきている。正直可愛くて仕方がない。


 

 10メートルほど進むと座るのにちょうどよさそうな岩を発見した。すぐ隣に誰でも登れそうな木がある。 さぁ、どっちに腰掛けるべきか。

 


 木に登った場合、「痛っ!? あ あぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!」ドン!!! と登ってるうちに足に激痛が走り落ちて頭を強打、という事になりそうだ。


 よって、雛達と岩に座って黄昏ることにした。別にかっこつけたいとかじゃなく、ただ物思いにふけるには絶好の場所だと思っただけだ。ほんとだよ?


 雛達を手で救い上げるように岩の上に乗っけてあげた。5~6人は平気で座れるスペースがあったのでドテーっと寝転がった。


 

 ここまでのことについて、いくつか考察してみることにした。

 

 まず、俺はこの世界の人間じゃないはずだ。あまり覚えてないが、俺はたしか日本の大学生だったはずだ。友達いたかどうかは覚えていないが、かなり普通に暮らしてたと思う。

 

 そしてこの世界は俺が前いた世界でおとぎ話やゲームにしか出てこないようなものが普通にある。オオカミは俺の世界にもいたがドラゴン、あのでっかい鳥、山賊ははじめて見た。

 

 あんなのは俺の知る世界には存在しなかった。そしてなにより不思議に思ったのは、空気がおいしすぎる。どんな田舎よりも空気がおいしく感じる。あまり詳しくないがきっと酸素の濃度が普通より高いのだろう。


 そういえば、この世界の鳥はみんなあの親鳥のように馬鹿でかいのだろうか……


 夕方、巣に戻ると親鳥が木の枝で巣を拡張していた。


「俺も手伝うぞ」 

 そう言って俺は親鳥を手伝うことにした。



 あ……そーいえば結局散歩してないな、俺。


 

俺「歩ける、、、もう負傷者じゃねーな。

そーだな〜、特に何もしてないし、

滞在者、かな」

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